本日は、月末の支払いやら役所に報告事やらで、一日出歩いてました。
今月も赤字ですが、死なずにやっていけました。ひもじい思いはしているんだけどね。そこは嫁と無理やり空元気でのりこえるのです。
出歩いたときは、本屋で立ち読みして情報収集です。
コンピュータ業界のねた。建築業界のねた。司法に関するネタ。そんな雑誌や別冊をどっぷりと読み漁りました。
新しい政策や、技術ネタが載っている雑誌は喉から出るほど欲しいのですが、そんなのを買ったら食費がなくなりますので我慢です。
まあー、そんな貧乏ネタはおいときまして....
2か月に一度の私の行事です。車雑誌も手当たり次第に読み漁りました。
そして気づくのです。
最近って、旧車ブームが到来しているの?
いつもの旧車雑誌以外にも、一般的な雑誌にもなにやら旧車の特集が組まれていたりするのね。
それも、80年代の車だったりして。なつかしいとか珍しいとかいうより、その特集に組まれているような車は、私が免許取ったころは、みなさんが中古車を入手して乗っていた車ばかり。
そうなん。シティとかソアラとかMR-2とか、なめくじXX、ダットサントラック、テラノとかも、クラッシックカーの扱いになるの?と、かなり驚きです。
たしかに昭和の車だから30年以上経つのよねー。
そんなことに驚きと感心をしつつ....
とりあえず旧車雑誌で目の前に陳列されていたノスタルジックヒーローへ。
さらさらと流し読みして、うん?と後ろの方で止まりました。
なんなん?ノスヒロでもR-2のレストア記事が連載されるの?そうなん?と驚きです。
何故にR-2なの?というか、もうR-2のレストアを雑誌で取り上げるのをやめてよ。というのが私の本音です。
雑誌でR-2が連載されると、にわかにR-2の人気があがって、部品が暴騰するじゃないか。
オートメカニックにR-2の連載が始まっただけでも、ヤフオクのR-2の部品は値上がりして私はほとんど落札できなくなったんだよ。おかけで、今もどうしたらいいんだろうと悩み一杯の部品があるんだよ。クラッチカバーやテールランプなんてどうしようかと....
そこに、旧車雑誌の王道みたいなノスヒロまでもがR-2を取り扱うのかよー。と、私の口はとんがります。
ぶつぶつ。と言いたいのだけど、そんなことを言っていても仕方がないので、私がR-2を修理するのに参考になる内容がどんどん記事になることを期待します。
そういうふうに前向きに考えます。
さて、次ですよ。
某方から、「オートメカニック誌にて、スバルの床をFRPで塞いでいる。それを読んでなが~ンさんの意見を述べて欲しい」というのがあったのですよ。
私はサビ車にFRPを用いるのは反対論者なので、某方からそのネタを振られたときに、オートメカニックって技術より雑誌だから、FRPのうんちくと良し悪しの天秤をかけてFRPを採用したことが説明されているのかと興味はあったのです。
さらさらと読んでみたのですが、FRPを採用したのは単に作業の手間を少なくして、完成度もそれなりになる。という安易な選択に思えたのです。それは、ライターさんがFRPを採用時の悪い点に触れてなかったのでそういうふうに感じたのですが....
あの技術系雑誌がそんなことを手を抜くとは思えないので、きっと今後の展開も含めてFRPの採用なんですよね。または、時代の変化で私の知っているFRPの知識が陳腐しているのかもしれません。
それと、サビ取りしている写真がありましたが、本の印刷の関係なのか、私の乱視の眼では、まだまだサビがたっぷり残っているように見える。まさか、サビの上にFRPのプライマーとシートを貼り付けているということではないだろうか。と思ったのです。
でもねー、さすがにそんなことはしないよね。印刷の関係で赤色や茶色や黒色の錆のようなものがあるように見えているだけだよねー。きっと私が「まだサビがあるように見える。」と思うから、そういう写真に見えるんだよねー。と自分に言い聞かせたのでした。
と、某方さん。これがオートメカニックを流し読みした私の意見です。これでよろしいでしょうか?
ついでの話も書いときます。
私がサラリーマンをしていたときに、新人研修で習ったことです。
FRPについてです。
FRPは強化プラスチックと習いました。所詮プラスチックなんだよ。プラスチックの良し悪いと本質は一緒だよ。と叩き込まれました。
プラスチックだけだと硬いだけでパリッと割れるから、引っ張り強度補強でガラス繊維やファイバー繊維を練り込むんだよ。と教わりました。
軽くて強度があって腐食しない。プラスチックだから軽度の耐油もあるし、防水効果もある。カビも生えにくいので苔の付着も少ない。
強化プラスチックなので温度変化による体積変化も少ない。保湿効果抜群。空気の遮断性も抜群。
と、ここまでが良いところです。
この良いところが仇になって悪しきポイントがあるんです。
FRPだけで整形するのであれば問題点は少ないが、別の素材を基台にしてFRPで整形するときはFRPの特性をよく考えて採用しなければならない。と教え込まれました。
温度変化による体積変化は重要です。鉄とFRPって膨張率が大きく違います。鉄をFRPで覆うのであれば温度変化が少ない温度管理を徹底したところでなければならない。
屋外に設置するもので、基材にスチールを用いるのであれば、FRPとの膨張変化を吸収するものを下地に施さないと必ずFRPに毛細クラックが入るというものです。
水分を含む基材の上にはFRPを覆ってはいけない。FRPが保湿性抜群のため、内部の水分を外へ放出できずにずっと基材の上に水分が残ることになる。
水分は温度変化で堆積変化が大きい物質と思え。硬いFRPの下で水分が温度変化で堆積を変化する。その結果体積変化についていけずにFRPに毛細クラックが発生する。
水分を閉じ込めると、FRPの下で結露も発生する。結露が発生すると体積が極端に増え毛細クラックを発生する。
プラスチックなのでどうしても紫外線等に侵されて経年でクラックが発生する点も考慮すること。
と言うのが私の基礎知識です。
すごく前の知識なので、FRPの特性が変わっていたら、私の知識が異なることになるので、オートメカニック誌がFRPを採用するぐらいなのでなにか特性が変わっているんだろう。
で、私が知っている古い知識を元にしてFRPを車の修理に何故用いないことにしているかです。
きれいな鉄や、エンジニアリングプラスチックの上にFRPを貼るのであれば、それは大賛成です。
問題は錆びた鉄なんです。その上にFRPを貼るのが私の理屈では納得いかないのです。
錆びとは....
鉄が水と酸素に触れて電位が一番安定した状態に変化したもの。と理解してます。
水と酸素があれば鉄は必ず錆びるものと思います。
なので、酸素を絶つ目的で錆び止め塗装するんだよね。塗膜はどうしても水分は通すのよね。その逆だったっけ?
または、錆びにくいように触媒として亜鉛を表面に施すんだよね。(鉄より亜鉛がイオン化傾向が高くて先に錆びるから)
さてさて、すでに錆びているものはどうかというと...
錆びは錆びとして安定しているのでいいんです。錆の下にはまだ錆びていない鉄があるわけです。
その錆びと鉄との境界線。つまり、鉄がサビになろうとしているところです。そこには、酸素と水分が大量に蓄積されているということです。つまり、サビの下に酸素と水分が含まれているんです。
だから一度錆びると、どんどんサビが広がるの悪循環に陥るだったはずです。
もちろんサビを綺麗に削って鉄肌を綺麗に出せば、その上にFRPを貼るのは大賛成です。
しかしですよ。点錆が曲者なのよねー。
点錆を綺麗にほじくれれば問題ないのですが、それってできますか?
点錆がちょっと残っているけど、その上にFRP貼るからいいや。ってことですか?
点錆って大抵は深いよー。それだけ水と酸素を閉じ込めるよー。
小さい穴。つまり点の範疇だけで堆積膨張って、FRPを針のような点で押したり引いたりしたりすることですよ。
そうすると毛細クラックが出たりするんですよ。と、習いました。
毛細クラックができると、そこは空気の通り道です。空気は水と酸素を含みます。つまり毛細クラックがFRPの下地へ空気が入ることになり、鉄肌へ空気が触れるとサビ始めるのです。FRPの下で鉄にサビが発生して膨らんでくるのはこれが原因と教わりました。
なので、サビ穴を処置するときはかならず水分を飛ばす作業を下地の最終工程ですることと教わってます。
造船だとバーナーで炙るなんですけど(笑)。小物は意外にも酸で洗ってすぐに処置するです。
鈑金といった鉄板工作だと、溶接するときの熱で水分は飛んでいる。ろうづけもトーチで炙って水分が飛んでいる。ハンダ鈑金も鏝で炙って水分は飛んでいる。という塩梅なんです。
つまり、水分も飛んで、熱処理で合金になっている。ついては錆びる要素の水分はなくなっているということなんですよ。
もちろんトーチでよーく炙って水分を飛ばせばFRPもアリと思いますが、トーチで炙って水分を飛ばすというのは同時にサビもボロボロになくなって焼けた鉄になっているかと思います。
それを冷ました上でFRPで補修と教わりました。
さて、次ですよ。
私のR-2を修理するぞと決断したときに、鈑金屋にサビ穴塞ぎについて手法をきいたのです。
鈑金屋は間違いなく溶接といいました。鉄をつけるだけの肉厚が無い(炙るそばから鉄が溶けていくぐらい肉薄)ときは、肉があるところまで鉄を切り捨てるか、または渋々で、ろうづけで処置する。ということです。
FRPについても質問してますよ。
綺麗な素材の上にならFRPはありだけど、一度錆びた鉄の地肌にFRPはありえない。理由は私の知っている知識と一緒でした。
FRPを貼るぐらいなら....
腐り箇所をざっくり切除して、当て鉄板を切り出して、その鉄板をリベットで貼りつけて隙間だけををエスコで埋めたほうが理にかなっている。と教わりました。
エスコは水分に反応して硬化する。硬化すればFRP相当に硬いエキポシ塗装。
もし鉄板合わせ隙間にサビがあったとしても、サビの水分にエスコが反応するので水分を閉じ込めるリスクが低くなる。
ただし、エスコは伸縮性が無いので鉄の膨張についてこれない。膨張についてこれないと割れてしまう、または鉄が歪む。
ついては、エスコを面に塗りたくってはいけない。鉄板の繋ぎ目の隙間充填だけをエスコで処置すべし。
尚、鈑金屋がエスコを用いるときは、鉄に鉄ではない素材を接着しなければならないときに用いるということでした。
たとえば、フレームにFRPパーツを固定しなければならないときでつなぎ目を綺麗に塞がなければならないときに隙間にエスコを入れるとのことです。もちろんエスコの上に鈑金シールや整形パテとなるそうです。
この理屈が、世間で有名なPOR-15で補修にも該当すると思います。POR-15も水分と反応でしょ。
ともかく鈑金屋は溶接が本筋であり一番と力説です。
でも、溶接する術がないからハンダで修正もありだよ。FRPよりはハンダでじっくりと処置したほうが絶対に錆対策として理にかなっていて長持ちするとのことで、私はハンダで対応となったのです。
他にも、数人の方に質問したのですか、とりあえずのハリボテ仕上げでいいのならFRPで十分。長いこと乗りたいのなら溶接で、できないならハンダ、ハンダもできないならリベットはりつけ鈑金シール充填の方がFRPよりずっといいぞ。とのことなんです。
いつから、サビ穴修理にFRPが採用されたのかは知りませんが、FRPは強度だし整形であってサビを滅するものではありません。ついては、徹底的に錆びを除去した上でサビの要員となる水分を絶つことができて、はじめて穴補修で活用できるものと思います。
で、錆を徹底的に除去できるのであれば、ハンダの方が確実でしっかりすると思うのよねー。
ということで、私はFRPは採用しないつもりでいます。
しかし、ハンダ整形できないような部位に遭遇したら....
たとえば、バルグヘッドの部分ってハンダ鏝が入るかなー。ダメならFRPサロンパス作戦になるのかなー。と、適材適所も考えにはあるのです。
でもね、できるだけハンダで悪戦苦闘するつもりですよ。
以上、FRPで補修することについて、私なりの屁理屈をのたまってみました。
各人で考え方は違うでしょうから、なが~ンは変態なんだねー。と読み捨ててくださいね。
もし、不快感を抱かれる方がおられましたら、つまらないことを書いてもうしわけありませんでした。