妻の乳がん闘病記

妻の乳がんがリンパ節に再発し、その後脳に転移した。妻と家族の闘病・看護にご意見や情報をいただきたく、記録を公開する。

これまでのこと

2007年02月24日 | Weblog
今日から妻の乳がん闘病記を記録したいと思う。
妻の苦しさや、自分の心持を明け透けに公開することに抵抗がないわけではない。
しかし同じような悩みを持つ方は、全国に大勢いらっしゃるだろうし
そういう方と情報を共有できれば良いと考えたため記録を公開することにした。

妻は5年前に乳がんを発病(発見)した。
随分前から左の乳房が痛いと言っていたのだが
まさか乳がんとは、本人も私も考えもしなかった。
実家のほうに気になることもあって、自分の体が後回しになったことも
発見の遅れに繋がった。
今となれば私としても、悔やんでも悔やみきれない。
もっと早く医者に行かせればよかった。

当時の診断は「乳がん ステージⅢB」とのこと。
私は一緒に医者に行って、この診断を聞いて一瞬目の前が真っ暗になった気がした。
ステージⅢのBといったら、ほとんど末期に近い状態ではなのか。
その日から、妻はS大学病院に通院を始めた。主治医はS先生。
要は胸のがんが大きすぎて、すぐには手術ができないということだ。
しばらくは抗がん剤でがん細胞を小さくしてから摘出手術を行うことになった。
週に1回、3週通い、タキソールの点滴を受ける。
妻が恐れていた脱毛が始まった。
結局妻は家族の前でもバンダナをしたままで、寝るときも外さなかった。
私にも子供にも髪の毛が抜けた姿を見られるのが、よほど嫌だったらしい。
たまに私が夜中に目を覚まし、隣の妻を見やると
バンダナが少しずれて、髪の毛が薄くなった頭がのぞいていることがあった。
眉毛もほとんどないし、寝顔は年寄りのようだ。
そんな時は妻が不憫でならなかった。可愛そうだ。

抗がん剤の点滴の後は数日体もだるく、食欲もないらしい。
それでも妻は明るく元気に食べ盛りの息子のために食事の用意をし
掃除も洗濯も一生懸命やってくれた。
タキソールも順調に効いて、目に見えてがん細胞が小さくなってきた。
そうして2年後には左乳房の全摘手術をおこなうことになった。
左乳房全部と左腋の下のリンパ節を切除した。
しばらくは抗がん剤投与も続いたが、髪の毛も元に戻り
漸く普通の生活に戻ったのだが・・・。

一昨年に検査の結果、左首筋のところのリンパ節に再発が認められた。
首の付け根にオデキみたいなものが出てきた。
ステージⅢという進んだがんは、そう易々とは退散してくれなかったようだ。
そのときから、再度ホルモン剤の投与を始めた。
S先生は、またタキソールの投与を進めたが
妻がもう絶対髪の毛が抜けるのは嫌だ、と言うので
しばらくはホルモン剤で様子を見ることにした。
しかし首筋のできものは少しずつ大きくなって、リンパ液まで染み出るようになった。
昨年からは、抗がん剤を再投与することにした。
この薬も「極力髪が抜けない薬」に拘った。
しかし結果が芳しくないため、年明けから「ハーセプチン」を加えることにした。
現在、妻は毎週2種類の点滴を受けている。
これが相当体力を消耗させているらしい。
年末から食欲をなくし、あまり食べなくなった。
その影響で体重が少しずつ減っている。
歩くことも息切れがして辛いようだ。
なんか私には、妻が段々衰弱しているように見えて不安で仕方がない。

2月に入り、更に体力が落ちてきたように見える。
休日にスーパーに車で買い物に行くのも面倒がるようになった。
先週無理やり引っ張り出したら、スーパーの中で私について歩けない。
仕方がないから、本屋を覗く間ベンチに座らせた。
本屋から出てきたら、ベンチに蹲るように座り込む妻の姿を見てはっとした。
とてもやるせない気持ちになって、思わず抱き起こしたくなってしまった。
咳も止まらなくなっている。
風邪気味だったが、それにしても咳が長すぎる。
子供の頃気管支炎を患って、喉は弱いようだがただの風邪とは違う気がしてならない。


最初なので、随分長文になってしまった。
これから極力毎日日記として記録をしたいと思う。
我々へのアドバイス、ご感想などあったら、遠慮なく頂戴したい。


2 コメント

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はじめまして ( ユメノ)
2007-02-25 03:06:21
はじめまして、ユメノと申します。どうぞ よろしく。私も、奥様と同じ病気で現在も治療中です。

H15年・診察結果T4・最悪です。私も奥様と同じく、分かっていながら自分を後回しにしたのです。その後、抗がん剤治療開始

☆アドリアシン・タキソテール 8クール

☆タキソテール 13クール 左胸にニキビ位の 転移を自分で発 見

ホルモン剤×の 為 現在

☆タキソール・ハーセプチン ・ゾメタ(骨を強化するとお考え下さい)38クール

ゾメタは顎関節に違和感を感じたので以前にしていたアレディアに変更。

手術無し、抗がん剤のみにて現在まで なんとか来ております。この薬が効き続けてくれる事を不可能とは分かっていても願わずにはいられません。が 幸いに今のところ転移も無く落ち着いております。

奥様の事、ご主人様としてのご心配お察し申し上げます。私の現在までの経過で なんのアドバイスにもならないと思いますが、抗がん剤だけでも5年近くなんとかなっている人間もおります。どうぞ希望を持って下さい。気になる事があれば、遠慮しないで主治医に申し入れて検査をしていただく事をお勧めします。自分の体を守るのは自分です。頑張ってと言う言葉は、あまり好きではないのですが…どうぞ奥様が少しでもお元気になる事を お祈りしております。ご主人様もどうぞ お身体ご自愛ください。





私も点滴の後2~3日は倦怠感が抜けません。人 それぞれですが、だいたいの方が感じている様です。



長くなりまして…どうぞ、悪しからず。
はじめまして (bach)
2007-04-30 07:16:51
ユメノさん、はじめまして。
そしてコメントの返信が遅れて大変申し訳ありませんでした。(コメントを返した気がしていました)
2月から日記を始めようと思いながら、間が空いてしまいました。
そのうちに私の嫌な予感が的中し、妻の脳に転移が見つかりました。
とても辛いです。妻が可愛そうで、不憫で、仕事が手につきません。
最も本人が一番辛いはずです。
気丈にしていますが、時々くずれます。
朝早くに涙声で電話をしてきたりします。
ずっと一緒に居てやりたい。

これからは後ろ向きな話ばかりで、治療中の方には申し訳ないかもしれません。
よろしければこれからもいろいろお聞かせください。
宜しくお願いいたします。