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サンダイヤリスト山岡睦治のブログ

旧約・新約聖書の記述とイエスの生涯の示すもの

2009年12月15日 22時46分28秒 | 万教帰一ノート
 12月は聖なる日がいくつかあります。8日はお釈迦様が悟りを開かれた日とされていて、25日にはイエス・キリストの誕生日を祝うクリスマスがあります。ですから12月は、悟りやイエス生誕の意義を学ぶよい時期でもあると思います。
 さて、『女は愛の太陽だ』(谷口雅春著)を読んでいると、次のようなご文章がありました。

>イエス一代の歴史は同時に吾々人間の生涯の歴史である

> キリスト教の聖書を貫いて存在する物語は神の天地及び万物及び一切の生物とそれを支配する権能を与えられた人間の創造と、その万物の支配者が蛇の智慧に騙されて「唯物論の知識」を食して、肉体人間として永遠の生命を失ったのが、再び、“人間・神の子”の真理を自覚して、人間の実相の復活を得て、エデンの楽園の再現を見るまでの歴史だということができるのである。

 これは「キリスト教の聖書」であるというのですから、旧約聖書の「創世記」の物語から始まり、新約聖書に至るまでの物語のことを指しているのです。その一連の物語が、「唯物論の知識」ーー聖書(創世記)では「善悪の知識の木の果実」を食して、肉体人間として永遠の生命を失ったアダムとイブに代表される人間が、再び、人間・神の子の実相を自覚して、追い出されたエデンの楽園の再現を見る、エデンの楽園に復帰するまでの歴史だと解釈されているのです。
 さらに続けてこう説かれています。

> この人類発生からその最後の神性の自覚による復活に至るまでの歴史を、人間の一生に象徴的に表現されたのが、厩舎(うまや)の中に生まれた嬰児なるイエスが悪魔の誘惑を克服して、「人間・神の子」の自覚を得、更に人間が十字架上に於いて「肉体と見える仮相」を破壊して、更に純粋に、霊なる「神の子・人間」に復活するまでのキリストの一代記なのである。ここにイエスは、吾々人間の代表者として、吾々もまた「肉体と見える仮相」を破壊し去ったとき、永遠生命の“神の子”にまで復活し得るという真理を吾々に示し給うているのである。

 ここには、創世記のアダムとイブの楽園追放の物語が、新約聖書のイエスの出現によって、人類が再び楽園に復帰するという壮大な連続した物語として表現されていると指摘されています。また、それはただイエス一人の物語だけではなく、イエスは吾々一人一人の代表者として捉えることで、吾々もまた内在の“神の子”の神性を復活し得ることを示していると説かれているのです。
 ところで、新約聖書では、旧約聖書で預言されたことが成就されたと読み取れる表記がいくつもあると言われています。例えば、旧約ではダビデの子孫から救世主が生まれると預言されていて、新約ではイエスはダビデの家系から生まれたことになっている。つまり、キリスト教から見れば、救世主・イエスの誕生は、旧約の預言が成就されたということになるわけです。
 そして、イエス誕生の意義は、最後の十字架の真義を理解することが鍵になるというわけです。
 
>イエスが悪魔の誘惑を克服して、「人間・神の子」の自覚を得、更に人間が十字架上に於いて「肉体と見える仮相」を破壊して、更に純粋に、霊なる「神の子・人間」に復活するまでのキリストの一代記なのである。
 
 ここでは、「肉体と見える仮相」の破壊と、霊なる「神の子・人間」に復活が十字架の真意であると説かれています。蛇の智慧に騙されて「唯物論の知識」を食して、アダムとイブが肉体人間として永遠の生命を失った物語に対して、その肉体を「仮想」として十字架にかけて粉砕し、永遠の生命を復活させた、つまり人間神の子、不死不滅の生き通しの生命が、人間の実相であるということを示したのが、イエスの生涯である、ということなのです。この旧約聖書から新約聖書につながる壮大なドラマを知ると、クリスマスというにぎやかな日が、とても感慨深い日になるのです。

◆写真はクリスマスの飾り物でイエス生誕の場面の人形(ネイティビィティ)。人形には、母マリヤとヨセフ、東方の三博士、羊飼い、そして馬槽(うまぶね)の中のイエスが表現されています。

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2 コメント

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クリスマス・ケーキ (柿のたね)
2009-12-16 13:10:37
 イエス・キリストの生涯について、深いところをお書き下さり、ありがとうございます。
 イエスの生涯を、旧約聖書-新約聖書を貫いて流れる壮大なドラマの象徴として説かれ、イエスはその生涯に於いて、我々人類に人間は肉体ではない、神に祝福された久遠不滅の存在であるということを示された、という谷口雅春先生のご教示に、改めて感銘いたしました。
 さて、今年の、イエス様のご生誕をお祝いする“クリスマス”の日には、精進潔斎し、襟を正して、ケーキをいただかなければ、…ですね。
キリストとは (山岡 睦治)
2009-12-17 09:33:37
柿の種さん;

 コメント、ありがとうございます。
 イエスの生涯を生長の家の教えを元にたどると実に深く学べますね。中でも、「キリスト」とは、自分のことである(内在のキリスト=神の子)と教えてくださることが、圧巻です。
 どうぞ、クリスマスはおいしいケーキでお祝いください。

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