猫の音

君の言葉を借りてみた  ~ 心のお天気 覚え書き ~

ハッピーエンド

2010-06-26 | 心のお天気
明け方の大きな雷の音で眠りが破られた6月22日火曜日。

出勤前の忙しない支度の最中、家の前を心細げにうろつく一匹の犬に遭遇する。
直感する。
迷い犬だ。

ミミちゃんの事がフラッシュバックされ
なんとも言えない思いが胸に広がる。

処分するには忍びなく取っておいたミミちゃんのリードで捕らえてみると
この辺りでは見かけない薄茶色をした老犬は
昨晩からの雨で濡れ鼠と化し、少々情けない姿も
真新しい首輪をしている。

おそらく明け方の雷に驚き、家を飛び出してしまったのだろう。
タオルで体を拭き、水を飲ませる。
やたらと大人しいコで、体を拭かれても嫌がりもしない。


piyoさんが保護された仔猫ちゃんの経緯が頭を過ぎるも
出勤までわずか数十分に迫っている。

彼を乗せ、ミミちゃんの折にお世話になった交番まで車で走る。
我が家は少し変わったシステム(※後日エントリ予定)を導入しているため
わずか5分の交番までの距離で決断するしかない。

領域を飛び出してしまったワンちゃんは
飼い主が声を嗄らして捜しても二度と会えない不幸をイヤというほど知っている。
だから迷える命は絶対に死守しなければならない。

事情を説明し、一時預かりをしてもらう。


気持ちの入らない勤務を終え早々に交番を訪ねるが、
残念ながら飼い主さんからの届出はなく
保護した際に保存した一枚の画像を頼りに貼紙を作成し
ミミちゃんの時にお世話になった各所に再び貼紙の依頼をして夜を走る。



翌日を向かえ、いよいよタイムリミットだ。
再び仕事帰りに交番を訪ねると
飼い主さんの届出があり、無事引き取られて行ったと朗報を知る。

おまわりさんに抱きつきたいくらいに狂喜しお礼を言い家路につくも、

歩いて歩いて
歩きつかれたミミちゃんも
老犬君と同じような心細げな目をしていたに違いないと思うと
たまらない気持ちになる。



ハッピーエンドとともに帰らぬリードとなってしまったが
いつまでも置いていても仕方ない。

ミミちゃん。
リード大役だったね。
お手柄だよ。
ありがとうね。
・・・・・
                                 

本単位

2010-06-06 | 心のお天気
皆さまに多くのお励ましをいただいてようやっと再就職にありつけたにも関わらず、
初日にして大失敗に気付くも時既に遅し。
練ってチョイスしたつもりが大誤算。

そんなこんなでブルーな気持ちを抱えながら
お暇をいただく勇気もなく、また明日から魂を捨てての出動が始まる。


直属の上司であるオツボネ様は
仕事がデキル、デキナイの括りがたいへんお好きなため、人様の評価がとても厳しい。

そんなオツボネ様は、本部からの出向社員である両氏のうち、約一名がたいそう気に入らない。
なにかにつけて、とてつもなく風アタリが強い。

その程度は、おそらく私が当社員であれば耐えられないほどの荒くれ応対である。
私も初日から三日を数えるまではかなり手厳しくあしらわれたが
今ではノーマルにご応対をいただきありがたい限りである。



そんな職場での一幕。

どうやらオツボネ様は備品管理を牛耳っておられるらしい。
そのため都度都度お伺いを立てなければならない部署的ルールのある中
ある日、出向社員がシャープペンの芯を要求した。

私は心の中で思った。
始まるぞ。



結果的に言うと、心通わぬキャッチボールをしている間に
ずいぶん業務を進めることが出来ただろうにと思うくらい
不毛なやり取りのあげく彼が手にしたのはたった1本のシャーペンの芯だった。


限定的な備品でない限りデスク周辺の備品は個人的に調達しておきたいタイプの私だが
本単位かよ・・・・と、その支給風景にたまげた。

ジャッジするならば両者引き分けだ。



しかし。

あまりにも、みみっちい単位では
彼でなくとも、大きな仕事は出来ないような気がする。
・・・・・