当場からサマーセールに上場する馬として最後に紹介するのが、№1033クイックレスポンスの2016(牝)です。
クイックレスポンスの仔は、馬っぷりの良い馬体に生まれてくるものの、なかなか結果が伴っていませんでした。
初仔のプルピットレディが中央の未勝利戦で2着して、連闘で勝ち星を狙ったものの調教中の骨折で引退を余儀なくされて以降、彼女の産駒は勝ち星から遠ざかっていました。
しかし、今月に入ってからキチロクエンパイアが笠松で初勝利を挙げると、本日2勝目を挙げてくれました。
随分と時間がかかりましたが、馬体が良くできるだけに、彼女の産駒にはここからさらに成績を上げていってほしいと願っています。
兄姉は柔らかい感じの馬体に出ていましたが、結果としてこちらが期待するほどの成績が出なかったので、ダート向きのパワーを伝えるカネヒキリを配合しました。
生まれたきたクイックレスポンスの2016は、体質が柔らかすぎず程よく引き締まっていて、一方で硬すぎもしない好馬体に成長しています。
父のカネヒキリも、昨日のG3エルムSでは産駒のロンドンタウン号が非常に強い勝ち方をしていました。
ほかにもミツバが交流重賞のG3マーキュリーCを勝つなど、産駒はダートで好成績を残すだけに、カネヒキリが亡くなっているのが悔やまれます。
クイックレスポンスの2016も、馬格は牝馬として十分なサイズにあるので、カネヒキリ産駒らしくダート戦で好成績を残してほしいところです。
さて、ここからはクイックレスポンスの2016の血統を説明します。
母クイックレスポンスはStorm Cat≒Chief's Crownの相似クロスを持ちますが、このクロスの継続は控えることにしました。
代わりに、クイックレスポンスの2016の代では単純にNorthern Dancerをクロスさせて、そこにIcecapadeの血を加えて4分の3同血クロスを形成しています。
また、Storm CatやChief's Crownの持つSecretariatは、フジキセキの3代母Millicentと相似な血の関係にあります。
いずれも父がBold Ruler系で、母父がPrincequilloという関係です。
Storm Catの母方にあるEight Thirtyの血は、カネヒキリの持つWar RelicやGood Exampleと相似クロスを形成します。
このように、Storm Catの血はカネヒキリの血統と相性が良いと予想されますが、先週G3エルムSを制したロンドンタウン号が2代母の父にStorm Catを持つことは偶然ではないでしょう。
クイックレスポンスの2016の血統には、My Dear Girl≒Dr.Fagerという関係もあります。
両者の父がRough'n Tumbleであり、母方にはBlack Toney×Man o'Warの組み合わせを持つ血がある点で共通しています。
血統表ではわかりませんが、母方War Admiralの父がMan o'Warということになります。
クイックレスポンスの2016は、カネヒキリ産駒というだけではなく、上記の血統パターンからわかるように米血脈が強い配合になっています。
本馬の血統傾向、またカネヒキリ産駒の傾向から察するに、主戦場はダートで間違いないでしょう。
本馬は、サマーセールの2か月前から地元の育成公社さんに預けて、セリ馴致をお願いしています。
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当場から折り返し連絡させて頂きます。