●それでも地球は回ってる

■かつて同人誌作ったり宇宙ネタに小躍りしてた輩の、3年サイト放置後の、無趣味無活動な日々のぐだぐだ与太話あれこれ

第27回「宇宙科学講演と映画の会」 その1

2008年04月13日 | ロケット&宇宙

おはよーございます。一夜明けて、ようやく記事が書けます。



昨日の昼14時から、新宿は安田生命ホールで『第27回 宇宙科学講演と映画の会』が
行われましたので聴きに行って参りました。
まだ宇宙FANになって日の浅い自分は去年はじめてその存在を知り、
友達と行ってみたらば楽しい事!
今年は自分以外の友人知人は、誰も参加出来なかったので一人で参加。
去年は正午から近くのスタバでお茶してたら、いつの間にか開場してて、
何とか席を確保したって感じだったので、開場5分くらい前には行ったら既に開いてた(笑)


正面受付で「JAXA ISAS」のエコバックを渡され、
中身は講演のプログラムと最近の衛星などのシールや
アンケートと子供向けのストラップが入ってました
(エコバックのデザインもストラップと同じ子供向け)。
会場に入ると、多少空席が目立つけど、前の方の右端を確保し、再びロビーへ。
品切れにならない内に、宇宙研グッズを買っておく為です~(笑)CDとか諸々買いました。



ロビーでぼんやりしてる内に開始5分前に。席に戻るといつの間にか満席状態に。
年齢層はかなり高め。「ロケットまつり」とは客層が明らかに違う(当たり前だ)。
それに慣れてしまったせいか、すんごーーーくお年寄りが多く感じて違和感が(苦笑)。
つーか、あの比較的高齢な方々は、どのようにしてこの講演を知ったのかしら。
いやいや、今年27回目だから、寧ろ10年以上のリピーターまたは元関係者かも。
あとは多少「かぐや」効果があったかもー・・・。
ちょうど前日には「満地球の入り&出」が初お目見えしたし。いいタイミングですねー。



さて14時となりまして、いよいよ開始。カランカランと学校の予鈴みたいのが鳴ってたな。
まずは司会の広報委員長の阪本成一さん登場。
衛星のペーパークラフト作るので知ってる方も多いはず。
今年度から、的川先生に代わって広報を担当する事になったらしいです。
本講演会の由来や、4月12日がどういう日なのかを紹介。
(東大宇宙研創立記念日・ペンシルロケット初実験日・ガガーリンが宇宙飛行した日)
因みに前日の11日は東大創立131年だそーです。
続いて井上一本部長のごあいさつ。
でもごめんなさい、メモってないからどんな内容のごあいさつだったか覚えてません・・・




さて第一部。【固体ロケットの研究】森田泰弘先生の登場。
自分は森田先生って初めて拝見したのですが、
お話の仕方が何だか小学校の先生みたい。
基礎知識に乏しい自分の様な者にでも十分理解出来る
「平易な言葉」で説明してくれるので、非常にありがたい。
印象としては「まるで子供向け科学番組のシナリオを読んでる」そんな感じ。
スライド?の画面も分かり易かったし。
内容はISASのメルマガ等で発表されてるものと同じですが、
先生の解説付きの映像はやはり分かりがいいので助かります。

次期固体ロケットのコンセプトは「安くて簡便に打ち上げられるロケット」で、
「バンバン打ち上げられる」と表現されてる辺りに、簡便さが強調されてますかね。
まずはこれまでの日本の固体ロケットの歩みを紹介。
全段固体ロケットで惑星探査機を打ち上げられるのはM-Vだけだった事、
しかもその開発が日本独自でされた事を強調。
ここでM-Vの固体燃料「コンポジット燃料」の材料と分量比及び液体から
固体に変わった写真も公開。
固体ロケットの燃料ってタイヤみたいに「黒いゴム」みたいなものを想像してたけど、
実際は黄色がかった透明。
子供の頃に流行ったスーパーカーとか、
恐竜の割と固めの半透明のゴムのおもちゃみたいな感じ?
因みにコンポジットには助燃剤として「アルミニウム」が入ってますが、
金属を入れると車のガソリンで言うところのハイオクみたいに、
燃焼温度が上がっていいんだそーです。




今回「来て良かった!」と思った事が何点かありますが、
まず第一に『能代のエンジン燃焼実験の映像』が見れたこと!!
朝の10時だというのに、降りしきる雪の為にかなり外は薄暗い。
実験棟の端から、お尻だけが見える固体ロケット(何か可愛いぞ~)。
先生のカウントダウンで、噴射!!!!!


轟音と共に薄暗い画面が途端に鮮やかな噴射炎で明るくなる。
そして実機と違ってそこに留まったままなので轟音は響いたまま。
「ロケットまつり」よりも画面が大きいので、そりゃもーどえらい迫力ーーー!!!
噴射炎の影響で、地面付近の雪が、発生した気流に巻き込まれていくのが見える。
かれこれ2分弱だったかな?燃焼が終わりに近づくと、
はるか後方に押しやられていた噴射煙が一気に押し寄せてきて、
周囲はまったく見えなくなってしまいました。
そういう地上実験の時、そのものすごい轟音の前には、
さすがの立ち会う人も耳を塞がざるを得ない様です(先生の耳を塞ぐ写真あり/笑)


そして第二は『M-V打ち上げ時の搭載カメラの映像』が見れたこと!!
先生曰く「宇宙旅行気分」。
M-Vの二段部分に搭載したカメラがロケットの足元をずっと映してる映像なので、
点火(発射)直前から見れます(音声無)。

 「皆さん、今日はロケットに乗った気分を味わって頂きますよー。
 用意はいいですかー」
 (本当にこんな話し方)

発射直前に一段目と二段目の境のどこからか、
用途は忘れましたが何かの調整の為に黒い気体が現れます。
そうこうする内に、再び先生のカウントダウンで発射!!!


カメラが衝撃でブレて、噴射炎の輝きに一瞬何も見えず。


次の瞬間、機体が持ち上がり始めて、ロケットの足元?見ながらリフトオフ~!!
画面見てるとちゃんと「おおお!!昇ってる昇ってる!!」って感覚になるんですー。
あっという間に雲の中。なので内之浦の基地はほとんど見えません。

 「かなり上空ですが、まだ気流の影響を受けているので、
 噴射炎が靡いてるのがわかりますかー?」

足元の炎が左に流れていきます。そして空気抵抗があるために姿勢制御して、
ロケットの回転を抑えるガスが噴射してる模様(透明な気体の為画面では見えず)。

 「さあ、一段目の燃料が終わりに近づきました。 
 二段目の点火時には物凄い衝撃がありますからねー。
 覚悟してくださいねー(何を!?)」

と言ってる内に、カメラがガガガガッってな感じに大きく揺れて、画面には筋が入る。

 「地上と上手く交信出来ないので、筋が入るんですねー。
 さて、今度は空気抵抗がないから、噴射炎が綺麗な円を描いてますねー」

先生の言うとおり、無重力状態の炎のように綺麗な丸。


 「さあ、そろそろ姿勢を変えますので、地球の縁(へり)が見えてきますよー」

空に向かって上方に飛んでいたロケットが地球と平行の軌道に載る為に、
グググッと姿勢を右側に倒し
始めると、自分も傾く感覚になっていくから不思議~。
その内に地球のへりが画面左に遠ざかる。 


 「二段目の燃焼終了に近づく時、炎がオレンジ色に変わって、
 燃えカスみたいなものが地上に落ちていきます。
 そして今度はいよいよ三段目の切り離しです。
 今度は画面が切り替わりますよー」

ノーズフェアリングが開いて三段目が離れていく事に。

 「はい、今三段目が切り離されました。いってらっしゃーい。
 皆さんは二段目に乗ってましたから無事地球に帰って来れました。
 よかったですねー。
 最近話題の宇宙旅行は概ねあんな感じになるんじゃないかと思いますので、
 参考になさってくださいねー(会場笑い)」


ショータイムは終わって(笑)
「高性能を維持し、コストを下げる」という相反した内容をどうクリアするかの話題に。
ロケットそのものの話で言えば、M-Vは性能はいいけどちょっとお高いロケット。
そこで、三段方式はそのままで、一段目の感度はあまり重要視せずに、
大量生産しているH-2AのSRB-Aを使用して、
二段目三段目の性能を上げる方法を取るらしいです。
実際は言うほど簡単じゃないけれど、
試算してみると次期固体のコストは3分の1で軌道投入能力は以前の3分の2。
これはかなりいい値で、ペイロード比も今とほとんど遜色はなく、
しかも今後の衛星は軽量化が計られるので、問題ないんだそうです。

あとは、運用の問題。
今までの内之浦は施設が旧式なのもあって、
複雑なシステムを大人数でこなすしかなかったけれど、
今後は目標として一段目据付から発射まで、
平均47日かかっていたものを6日にするんだとか(世界最短)。
搭載系の情報ネットワーク化と機体のインテリジェンス化をして
自律機能を駆使するそうです(詳しい事はまったく理解してません)
先生の言い方だと、車のエアバックシステムがこれに似たようなものだそうです。
そして管制系はモバイル化で、究極的には世界中どこからでも管制できるので、
安全な実験場などで管制を、2,3台のパソコンでやれるようにする模様。
つーことは、あの内之浦の実は危険な地下管制室に、
予算を掛けなくても済むという事でしょうか。
でも、あの施設のレトロさ、あれはあれで捨て難い…(と外部は勝手な事を言う)

因みに打ち上げ目標年度は2011年だそうですー。

自動車も飛行機も、個人の手の届くものになった今、ロケットもきっとそうなる、
だから日本の固体ロケットの、次の50年の第一歩になる、
そういう開発をするんだという気概を感じました。
先生の語り口調はかなり飄々としたものですが、
夢を夢のままにしない、というか、
「先生にとっては既にそれは夢の範疇ではなく、現実の話なんだ」と
思わせるものがありました。
ああでも、また内之浦でロケットが打ち上がるのねー。絶対に見に行きたいぞー!



第一部が終わり、休憩に。
実は配布されたプログラムにはくじが付いていて、今回は見事当選!!
(画像はその証拠)
自分の景品は子供向の教材(内容がちと古い)『ビデオ:人工衛星』でしたー。
他には『ペンシルロケットの模型』もあったらしい(自分持ってるからいいやー)。
個人的には『ビデオ:ロケット』の方が良かったなー(笑)



えー、字数がかなり押してきたので、まずは一度記事UPしておきますです。
またしても小出しでスミマセン;;;




因みに、昨晩は帰宅早々に寝るとか言いながら、結局は首の痛みのせいか、
はたまた久々のコンタクト使用の目で画面凝視しすぎたか、
こめかみ及び眼底が、ドックンドックンいって、痛くて寝れませんでした・・・
今も打ってる内に疲れが・・・ううう・・・寄る年波に勝てなくなってきました・・・


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1 コメント

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行きたかった… (店長(いわさきおさむ))
2008-04-13 18:30:05
行きたかったのですが、諸般の事情で棄権.
次期固体の話は興味があったので残念.

次のロケットまつりもいけないので、がっかりでありました.
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