長くなった「ひとこと感想」その24。
物語の大筋はなんとか覚えてる?程度の記憶の中で、印象的だったのは本筋とは関係ないことばかり。たとえば、チラシには「圧倒的な映像美」とあるものの、美しいのは「人間以外」なんだな~と感じたこととか。(スイスの高級リゾート・ホテルや、辺りの風景は確かに美しい)
当然のことではあるけれど、そんなところに逗留できるのは「功成り名遂げた」人種であって、身体的にも精神的にも生き生きとした「今」を生きている人には見えないし、「映像の魔術師」だという作り手は、それを情け容赦なくスクリーンに映し出す。
身なりをちょっと(でもないのかしら、あの程度でも)変えただけで、「絶世の美女」の見分けがつかなくなる「老人」(男性)たちは、可愛らしいと言えばそれまでだけど、女性の側からはやっぱりゲンナリ・・・だし、カッコ良かったのはその美女や、終盤現れる恐るべきジェーン・フォンダ!であって、ラストの有名なオペラ歌手(スミ・ジョー)の歌にも、私はあまり感銘を受けず、「老人」2人については、映画監督(ハーヴェイ・カイテル)の方が、主人公の音楽家(マイケル・ケイン)より「自分の望むところを貫いた」ようで、気の毒ではあるけれどまだ共感するものがあったし・・・と、なんだか最後まで「作り手の意図」がわかるようなわからないような、ちぐはぐな気分で観ていた気がする。
欧米のあちこちでいろんな賞を貰った作品でも、作り手の追求するモノに自分が興味を感じなかったら、無縁のままに終わる・・・ということなのかも。(まあ、男性2人の会話にクスクス笑えたから、それで良しとすることに(^^;)