GOMA-BLOG

旅行と数学、株式とガンダムを中心とした日記です.

数学嫌いの原因16分類…東京理科大芳沢教授

2006-04-12 23:14:35 | 日記
授業に出ていたり,模擬試験の正解率データをみると,だいたい一般に弱いところはわかるが,きちんと系統立ててのデータを,出していただくのはかなり役立つ.

教育の研究者はこういうことをして欲しいものだ.



数学嫌いの原因16分類…東京理科大芳沢教授

 数学力の低下が懸念されるなか、東京理科大の芳沢光雄教授(数学教育)は、数学嫌いをつくる「つまずき」のきっかけを小学校から大学まで体系的に調べ、16項目に分類した。つまずきの予防や早期発見、回復に役立つと期待される。

 芳沢教授は、教え子や全国の教員などから半年かけて、算数・数学のつまずきの700事例を集め、高度過ぎたり単純なものを除いた126例(小学校レベル28例、中学校レベル31例、高校レベル41例、大学基礎レベル26例)について解析。これらを「比に関する誤り」「『すべての~』と『ある~』の用法」「説明文や問題文の意味の理解」など16項目に分類した。

 例えば、比に関しては、小学校では、割合の意味(「比べられる量」÷「元にする量」)でつまずく児童が多かった。これが理解できないまま進学し、中学で習う「面積比と体積比」、高校の「m対nに内分する点と外分する点を表す式」も理解できなくなってしまうケースが目立った。

 また「すべての~」「ある~」の用法では、すべてのxで成り立つ恒等式とあるxでしかあてはまらない方程式の違いが中学レベルで理解できないと、高校でより複雑になった方程式がさっぱり解けなかったり、理工系の大学生が入学直後に学ぶ線形代数の1次独立、1次従属の違いなどの基本で壁にぶつかってしまう。

 逆に言うと、こうした基礎力のない高校生、大学生を“救出”するには、小中の同種の単元までさかのぼって習得することが不可欠ということになる。

 芳沢教授は「数学嫌いになる原因はほかにもあるだろうが、つまずきの出発を小学校レベルから考えることが重要だ。今回の分類は、教師が将来を見通しながら、基礎を丁寧に教えようとする際の一つの目安になる」と強調する。

 また国語力の不足から文章題の問題文が理解できず、そこから先に進めない事例も目立ったという。

 小学で顕著なのは、「文章題を読み取れず、+、-、×、÷のどれを使って計算するかわからない」というケース。中学では、図形の定義などでつっかえることが多い。高校生になっても、確率の問題で「事前の確率なのか、ある事象が起きたことも考慮する事後(結果)の確率なのか」が判断できず、「順列、組み合わせの違い」などで混乱している。

 芳沢教授は「調査を通じ、問題の意図を正確につかむ国語力養成の大切さも痛感した」という。この成果は、先月の「日本数学教育学会誌」に発表された。(長谷川聖治)

(2006年4月12日 読売新聞)

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。