ふとしたことからイタリア・ルネサンスの絵について書いてみようという気になり、マンテーニャは最近の自分の気に入りだが一般にはあまり取り上げられていないだろうから彼の絵について書いてみようと思ったが、とたんに二週間前から体調を崩し、そうなるともう頭が働かない。いずれ書きたいとは思う。今回は、体調不良の中で頭に浮かんだよしなしごとの続き。
ゲルマン系の思考方法が垂直的とすれば、フランス的思考方法は水平 . . . 本文を読む
アパートの十五メートル先にわりあい大きな魚屋があり、週末にはごった返して売り場のあんちゃんたちも張り切っている。地声で「らっしゃいらっしゃい」とやっている限りでは日本の魚屋と同じでまァ許せるが、日曜にはおばさんがマイクで「マグロ一キロ十五ユーロ、安いよ安いよ!」などとやり出すのが部屋を閉めきっても聞こえてくるのでかなわない。何度も抗議に行きかけたが、それでおとなしく引き下がるようなフランス人ではな . . . 本文を読む
いつ頃からのことか知らないが、ここ数年か十数年、錬金術とか魔術とか、以前は一部の特殊な人々の好奇心しか集めなかった事柄が一種のブームとなって久しい。憂き世を一時的に忘れたいという人々の思いはどの時代にもあるが、錬金術や魔術と云った「非科学的な中世の遺物」が「科学的」な近現代人の意識の中でこれほどあからさまに復権された試しも珍しいのではないか。
いつの時代も過渡期であり、混沌として先行き不透明な . . . 本文を読む
二十世紀前半の美術はなんと云ってもダダからシュルレアリスムへ至る連なりであって、これは古典派や象徴派のようにある程度の教養を必要とせず、印象派よりは人間に重きを置いた点で圧倒的な支持を得た。即ち、フロイトが扉を開いた深層心理と夢の形象化である。「非合理」の無意識と「合理」の科学の組み合わせを芸術論へ持ち込んだシュルレアリスムはアンドレ・ブルトン一代の事業だったが、理論的支柱を与えた(でっち上げた . . . 本文を読む
知り合いの女性の彼が仕事を辞めることを考えているという話を聞いたので、以下はその知人の女性に対するメールを元にしている。個人的な部分も含んでいるが、広く敷衍できる内容もあると思われるので以下に記す。
予め言っておくと、今の私は単なる無職の貧乏学生です。
-----------------------------
「俺は音楽をやりたい。しかし、確かに生活も不安。会社を続けながら音楽をで . . . 本文を読む