幸満堂neo

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デブに学ぶアメリカ社会

2012年04月03日 00時22分34秒 | TPP
先日、たろうさんからTPPに関する4つの動画を紹介して頂き、現在ようやく半分ほど見終わったところです。(遅くてすみません(汗)

しかし、このTPPという問題を考えるに当たって私に致命的に欠けているのが、この問題のバックグラウンドとなるアメリカ社会についての知識だったりします。ということで個人的なメモ帳代わりのエントリになりますが、少しTPPと離れたところからアメリカという国を覗いてみたいと思います。



さて、アメリカと聞いて私がすぐに思い出すのは「アメリカンデブズ」な皆様。

今まで接してきた感じからも、あちらのお太りになられてる方々はポジティブで陽気な印象がありますが、とにかくすごく多くのデブズ様がいらっしゃると思うのもこれまた事実。一度、某所にて推定130kg超のアメリカンデブズ様が何人通るかカウントし、あまりにも多すぎた為に途中でリタイア、という事もありました。

後、思い出すものといえばやはり、アメリカンデブとの晩餐とか、ダディクールのコピペとかでしょうか。いずれもアメリカンデブを物語るものばかりで、産後太りをこじらせっぱなしの私が偉そうに言えるものでもないのですが、アメリカ土産のお菓子は例外なくやたらに甘くて、初めて食べたアメリカのクッキーは、限界まで砂糖を生地に練りこんだ上、グラニュー糖をこれまた限界までまぶしているというもので、「これがアメリカの味か」と、複雑な気持ちでしみじみ食べた記憶があります。これはもう太らずにはいられない、そんな感じです。





さて、ここで気になるのが、この陽気なアメリカンデブズの皆様がアメリカンデブズとして成立する、その背景ですね。

共有禁止の動画なので、リンクで紹介させていただきます。
JOFR S01E01 1/2(ジェイミーオリバーのフードレボリューション)
http://www.nicovideo.jp/watch/sm10140266
JOFR S01E03 2/2
http://www.nicovideo.jp/watch/sm10277741

season6まであるシリーズものなので、ごく一部のご紹介のみとなりますが、実はこの動画にいろんなアメリカが映し出されています。

ちなみにジェイミー・オリバーとは、知る人ぞ知るイギリスの有名シェフで、ジャンクなものしか出されてなかったイギリスの多くの学校給食を改革した方で、動画はこのジェイミーがアメリカで「一番不健康な街」と呼ばれる、ウエストバージニア州、ハンティントンの学校給食を中心とした”食育革命”を起こしたドキュメンタリーです。

もちろんテレビ番組ですので、それなりの演出はありますが、仮にかなりのヤラセがあったとしても、画面上にはかなりの数の太った方がいらっしゃるわけですし、アメリカを知るに当たってはこれを参考にしても大丈夫だと思っています。


まず、学校給食。

これまでのアメリカの学校給食は、ピザにフライドポテトにパンといったものが一般的だったようですが、実はこれは、アメリカの農務省が定めるガイドラインに沿ったもののようで、安全性や栄養面について、農務省は自信を持ってこれを推奨しているようです。今まで風のうわさに聞いていた、「ポテトは野菜、ピザもケチャップも野菜、米も野菜」というアメリカン栄養学は、民間だけではなく国単位で認められていたものだったんですね。

そんなところにジェイミーオリバーがやってきました。(JOFR S01E03 2/2冒頭参照)彼は何が入っているか分からない加工食品を止め、健康的なメニューに切り替えようと、まずは野菜たっぷりの焼きそばを作ります。しかし学校給食を管理している人はこれを見て「野菜が足りない」といい、フライドポテトを追加させました。ガイドラインによると、野菜は1と1/4カップの量が無くてはならないそうで、例えそれが加熱されてかさが減ったものであっても、生のレタスであっても同じ基準が適用されるそうです。


ほんの一部ですが、ここだけでもすごくいろいろありますよね。

まず、学校給食は加工食品を使うことが前提になっていて、「国が定める正しい栄養学」に沿った食事が提供されているという話になってますが、実際それが正しければ、ジェイミーもわざわざイギリスから来て波風立てるような真似はしなかったでしょう。しかし当初、これに疑問を持つ現地の方はほとんどおらず、むしろ合理的なシステムとして受け入れられていた感があります。

これは誰が何を食べるか、という問題だけではありませんね。この他の動画に出てくるのですが、アメリカでは定められた量の加工食品を学校給食として受け入れなければならないという問題があり、ここでジェイミーがせっかく追い出したはずの加工食品と格闘する事になります。

つまり、ここに食品会社のビックビジネスが発生していて、しかもそれがアメリカ政府のお墨付きとなっているわけです。そしてそれを阻害するものは徹底的に排除するという方針がとられているとのことです。ジェイミーの改革の中で、この問題はイギリスでも大きな障害になっていました。もちろん健康的に害がなければまだいいのですが、実際には加工食品の中に何が入ってるか分からず、それがあらゆる問題を引き起こしているので、ジェイミーはこれをなんとかしようと思ったわけですね。

ここでまたジェイミーオリバー・フードレボリューションより「ピンクスライム」のお話をひとつ。

Jamie Oliver's Food Revolution: Pink Slime - 70% of America's Beef is Treated with Ammonia


ピンクスライムというのは、アメリカでナゲット等に使用される加工肉の事で、



一応「肉」です。もはや食べ物に見えないかもしれませんが、何かの「肉」です。使用されない部位の「クズ肉」を洗濯機で洗い、その後アンモニアで殺菌消毒した後、ミンチにして各種添加物を加え、ナゲットやいろんな「加工肉」に変身します。

ここは日本人の感覚と違うので、上で紹介した「アメリカンデブズとの晩餐」にある

何か好きな肉はあるかと聞くと、「肉は好きだが、肉の何が好きかと聞かれると返答に困る」という返事だった。私の英語力が足りなかったのかも知れない。焼肉においてはカルビ、ロース、リブ、ホルモンなど様々な部位を個別に頼むのだが、何か好きな肉はあるだろうか?と問い直したら、「どれも牛肉であることには変わりないだろう。だったら頼むべきものはただひとつ、肉だ」という。

という話と共通していて、あちらの方にとってはサーロインやテンダーロイン、リブ等といった主な部位以外は、ハツもハチノスも「犬のえさ用のクズ肉」となるのかな、と思いました。しかし問題はそこより加工方法ですね。(これも日本が大丈夫というわけではないのですが、しかしちゃんと洗えてないような・・)これまたごく最近、マクドナルドすら取り扱いを中止したこのピンクスライムを、農務省が「問題ない」と発表したそうで。

「ピンクスライム」肉、米農務省は給食使用に太鼓判

そして一方、ピンクスライム製造工場はこの煽りを受けて、こんなことに。
AFAフーズ、破産法申請 ピンクスライム問題で

ジェイミーオリバーが問題提起をして以来、アメリカではこのピンクスライムに対する不信感がつのり、消費者が一斉に手を出さなくなったとのことで。

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 ピンクスライムはたべてほしそうにこちらをみています。

 たべてあげますか?


   はい
 → いいえ

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これを州知事や農務省は「ピンクスライムは安全だから、大丈夫だから、安心して食べて」とPRを繰り返しているようですが、とりあえずこの件に対してアメリカ国民は「NO」を言えているわけですね。さて、TPPが批准された場合、日本企業はピンクスライムに対してNOといえるのか?ってとこですが、とりあえず話を先に進めます。

長くなったので一旦ここで投稿します。



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