森男の活動報告綴

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シャール2C モンモデル 1/35 CHAR2C MENG MODEL (その1)

2014年10月26日 | AFVの模型
久しぶりに戦車の模型を紹介します。

モンモデルのシャール2C重戦車です。雑誌作例としてホビージャパン誌2014年5月号に掲載され、「ホビージャパンムック 戦車模型製作の教科書 MENG編」に再掲載されたものです。もしよろしければぜひご覧下さい。

実車の履歴を簡単に紹介します。これは第一次大戦時にフランスが計画した重戦車です。しかし結局戦争に間に合わず、終戦後に完成。10両生産され、大戦間に就役していましたが、戦車の性能・用法の進化とともにあっさり時代遅れになってしまいました。第二次大戦でドイツがフランスに侵攻した際に、老骨に鞭打って引っ張り出されますが、鉄道で戦場への移送中、空襲を受け行く手を阻まれ、自軍の手によって爆破・遺棄されました。

なんといいますか、非常に気の毒な戦車です。まあ、戦争に参加しなかったという意味ではピースフルなわけですが、やっぱりせっかく戦車として世に生を受けた以上、なにがしか活躍してもらいたかったところ。しかし、模型を見れば分かりますが、とにかくまっすぐ進んで塹壕を越えるための戦車であり、ドイツ戦車相手の機動戦は無理だっただろうと思います。そもそも、左右に曲がれるのかなあ、、、。

実車はどうあれ、いかにも昔の多砲塔戦車といった、実に愛嬌のあるスタイルで、とても好きな戦車です。同種の戦車の中ではデザインセンスもいいんじゃないかなと思います。昔からキットがほしい戦車のひとつでしたが、さすがにマイナーすぎて無理だろうと思ってました。なのでモンモデルがリリースを発表した時はびっくりしました。

前作のルノーFTは、車内を精密に再現するなどかなり細かいパーツ割りのキットでしたので、新作として発表された時は「この大きさでアレだと大変だなあ」と思ってたのですが、箱を開けるとかなりあっさりした構成で拍子抜けしました。組み立ての時間はルノーの半分以下くらいの印象です。とはいえ、細部の表現はキッチリと抑えており、決して手抜きをしているわけではありません。モンモデルはほんと「わかってる」メーカーですね。この辺の緩急のつけ方はなかなかのものです。じゃあどこが「わかってない」かといえ(略)

組み立てはさくさく進んだので「楽勝じゃーん」と思ってたのですが、塗装が大変でした。難しいとかじゃなくて、車体が大きいのでやってもやっても終わらない!(笑) チッピングとかは死ぬかと思いました。基本塗装はクレオスのラッカー。マスキングゾルで迷彩にします。マスキングゾルは剥がしにくくて難儀ですが、ぬるま湯にジャボ漬けして、不要な筆でこすってやると剥がしやすいです。ただ、水が密閉空間に入ると全く乾かなくなるので注意が必要です。今回、雑具箱の中に入った水がいつまでも染み出してきて困りました。こういうところだけは仮止めにして、後で接着したいところです。タミヤエナメルでウオッシングし、チッピング。それから下地の近似色で明度を変えた塗料を塗り広げ、色の深みを出します。ここはほんとは油彩の仕事なのですが、乾く時間が遅いのでエナメルで同じようにできないかやってみたところ、まあまあそれっぽくなりました。「なんちゃって油彩」ですね。

大きいからといって、チッピングやウェザリングの手を抜くわけにはいかないので、大変でした。でも、まあ修行だと思えば、、、。とはいえ、そろそろこういう塗装法は古くなりつつあるようです。でも、こういうヤレ具合、好きなんですよね、、。緑の場所のチッピングは、ダークイエローと錆色の二種でやるとそれっぽくなりますね。ダークイエローのチッピングはハンブロールの154番を使用。ハンブロールはほぼ初めて使ったのですが(何種類かは以前買って在庫していたのですが、ほとんど使ってなかったのです)、この種の色調の割には伸びと発色がとても良くて使いやすかったです。さすが、、。マフラーもガビガビにします。でも凹みとかはつけてません。錆は、パステルで。泥はいつもの百均の木粉粘土を水で溶いて塗りつけたものに、エナメルを染み込ませています。キャタピラがメチャ長いので、大変です。

シャール2Cは、前述のように塹壕を越えるためとても細長い形をしています。完成品を見ていて「もうちょっと全長が短かったらもっとカッコいいのになあ」と思いました。試しにフォトショップでショートバージョンを作ってみました。「シャル2C」(笑)上と同じ写真をいじったのですが、違い、わかります?これくらいがバランスが良くて、しかもちょっと強そう(笑) 昔なら、キットを改造するしかなかったのですが、今はこうやってお手軽にシミュレーションできるわけで、いい時代になったものです。でも、実際にちょっとやってみたかったりして(笑)

ところで、シャール2Cを初めて知ったのは松本州平氏の作例でした。モデルグラフィックス1985年9月号です。うわあ、、、29年前かあ、、。当時はお小遣いが月1000円とかで、模型雑誌を買うのは死ぬ思いでした。この号は、特に気になる記事があったわけではないのですが、何故か買ったわけです。誕生日とかで祖父母からお金をもらって余裕があったのかな?(どーでもいい)

記事はフェアリー企画の72のレジンキットのレビューで、「なんてイイ感じの多砲塔戦車なんだっ!」と私は衝撃を受けたわけです。「このキットほすぃー!!」と体をクネクネしてしまいました。しかし、580円の模型雑誌の前で「買うたやめた音頭」を踊る最低辺の身分の私が、3000円のレジンキット(でも今考えるとフェアリーのキットって、物価上昇率を考慮しても割と安いですね、、)を通販という複雑怪奇な手続きを経て買えるわけはなく、そしてもし入手できたとしても完成させるスキルがあるはずもなく、文字通り指をくわえてみているだけだったのでした。

それを考えると、今このように35のキットが普通に出てるというのは、なんといいますか、感無量ですね。松本氏はその後もフェアリーのキットの作例を作られてますが、そのラインナップのL6やズリーニィ、BT7などなど、ことごとくインジェクションキットになってますね。うーん、、ほんと凄いよなあ、、、。松本氏の製作ではなかったと思いますが、BT42なんかはタミヤが出してるんだもんなあ、、、。当時「将来BT7とBT42がMMのラインナップに入る!」とかいったら気●い扱いですよ。いやマジで。なので当時のことを考えると、出たキットの「ここは間違ってる!」「このパーツ割りは不親切だ!」「この内容でこれは高い!」とかは口が裂けてもいえないなあ、と思います。言ってますけどね

というわけでまた。次回は、Ⅰ号戦車とかをご紹介します。
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