水俣病の現在

2006年はチッソ付属病院から水俣保健所に「奇病」発見の公式通知から50年。水俣病公式確認から50年です。

熊本審査会、5回目の申請患者を水俣病と認定

2007年03月15日 | 水俣病
熊本県水俣病審査会は環境庁通知の昭和52年水俣病認定基準に従い、昭和52年(1977年)以降の水俣病患者認定申請をことごとく却下してきた。
しかし、最高裁判所が2004年に昭和52年基準で判定する不合理を指摘したため、水俣病審査会は、国基準(1977)と最高裁判決(2004)の矛盾を解決できず、休止状態が続いていた。もし、熊本県審査会が水俣病と認定すれば、加害企業チッソと政府の経済的負担は、患者一人に2千万円の支払いが必要になる。
2007年3月10日に再会された熊本県認定審査会が、これまで4回認定棄却をした、緒方正実さんを、水俣病と認定した。国の昭和52年基準の破綻である。
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潮谷熊本県知事は3月10日の熊本水俣病認定審査会に決定に従い、3月15日水俣市の緒方正実さん(49歳)を水俣病患者と認定した。熊本県による水俣病認定は1999年4月以来、8年ぶりである。これまで4回も申請を棄却された緒方さんが、今回逆転認定されたことで、国の52年基準が問題になりそうである。
これで熊本県の認定患者は計1,716人となった。
(熊本日日新聞など。2007.3.15)

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現在、熊本県の認定審査申請者は3,300人。各種医学検査を経ての審査会になるので、全員の審査を終了するのには100年かかる。このため、高齢患者の焦りが強い。