地理B 2016年センター試験解説 赤本より詳しい解説 

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地理B 2016年センター試験第2問問1【7】

2016年03月22日 | 受験

第2問問1 工業地域


 解答
第2問問1【7】③
解説
①◯:アは石炭産地立地型の鉄鋼業。ピッツバーグとアパラチア炭田、バーミンガムとミッドランド炭田、ヴロツワフとシロンスク炭田が結びついて鉄鋼業が成立発展した。
②◯:イは油田地帯と結びついた石油化学工業。ヒューストンはメキシコ湾岸油田、ミドルズブラとエコフィスク油田(北海油田)と結びついている。
③×:ウは航空機産業。ボーイング本社はシアトルからシカゴに移転したが、生産拠点はシアトルにある。トゥールーズにはエアバス本社と工場がある。
④◯:エはハイテク産業。シリコンバレー、ロンドン、パリなどにはハイテク関連産業の研究施設が集中している。
解説の解説
①ピッツバーグの鉄鋼業
ペンシルベニア炭田(アパラチア炭田)と結びついて発展したピッツバーグは、アメリカ合衆国最大の鉄鋼業都市であった。しかし1970年代に日本、ドイツ(西ドイツ)などからの安価良質の輸入鉄鋼製品に負け、1980年代、ピッツバーグの鉄鋼業は衰退した。ピッツバーグは民間資本によって大学、ハイテク研究施設、先端医療などを中心とした文化・経済の都市に変貌した。
②北海油田
イギリス、ノルウェー、オランダなどの国際協力によって、1973年の第1次石油危機以降に開発の進んだ海底油田である。ノルウェーは自国領海内の原油をイギリスに海底パイプラインで輸出し、大きな収入を得て、高い福祉水準の国家と安定した財政を維持している。1人当たり国民所得の世界第1位である。しかし、北海油田の採掘量の減少や原油国際価格の低下のため、10年後あるいは20年後には、原油輸出収入に頼ることが難しい。

 
③シアトル
アメリカ合衆国北西部のシアトルは、人口65万人のうち、ボーイング社関連の労働者は8万人近い。ボーイング社は民間航空機だけではなく、軍事用の戦闘機・ミサイル・人工衛星の開発生産でも世界随一である。政府の軍事予算によって開発生産をした航空関連技術を民間航空生産に応用転換して高い生産をあげているが、これはかつてアイゼンハワー大統領が、アメリカの産軍複合体制として批判したものでもある。2001年に本社をシアトルからシカゴに移転した理由は、企業としての多方面の営業活動として、アメリカ東部の経済・政治が非常に重要だからである。

④シリコンヴァレー
シリコンは半導体の基板である。ヴァレーは谷である。シリコンヴァレーはハイテク産業の発展したサンノゼ、サンタクララなどの都市を含む谷地形部分の総称であり、シリコンヴァレーという地名は存在しない。1980年代にスタンフォード大学を中心に研究開発型のハイテク産業が急成長した。国内外から研究者・経営者・起業家が集まり、世界のハイテク産業の中心地となった。また、ヒューレットパッカード、アップル、Yahoo、Google、インテルなどの世界的ハイテク企業がシリコンヴァレーで生まれた。シリコンヴァレーの総人口は300万人、うち労働者は150万人である。


 

 

 



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