地理B 2016年センター試験解説 赤本より詳しい解説 

できればPC版を利用して下さい。センター試験の解答と詳細解説。全35問。

地理B 2016年センター試験第1問問3【3】

2016年03月23日 | 受験

 アフリカの植生


解答
第1問問3【3】②

解説
①E:モーリタニア~マリ(砂漠気候BW)。サハラ砂漠西部であり、樹木はほとんど見られない。年平均降水量は500~250mmだが、変動が大きい。
②H:スーダン(サバナ気候Aw)~エチオピア高原(温暖冬季少雨気候Cw)。夏に雨が多く、冬に乾燥する気候である。砂漠が近く、背の低い樹木が生育する。
③G:アンゴラ(サバナ気候Aw):サバナ気候であり、背の低い灌木が多い。熱帯雨林気候Afが近いので、灌木林が主体でも背の高い樹木も見られる。
④F:コンゴ(熱帯雨林気候Af):赤道直下の熱帯雨林気候であり、樹高の高い森林である。

解説の解説
①サヘル
亜熱帯高圧帯(中緯度高圧帯)の影響により、アフリカ大陸の北緯10~30度はサハラ砂漠が広がっている。モーリタニア・マリの南部はサヘルである。サバナ気候と砂漠気候の境界域である。樹木はまれだが、年に数度の雨が降ればまばらに草原が育つ。長雨があれば草原ができたり、灌木の生育することもある。しかし、サヘルに遊牧民が現れて、草原を家畜のエサとし、灌木を遊牧民の燃料とすると、たちまち砂漠に戻ってしまう。サヘルに雨が降ることで、環境難民が増え、世界的な救援体制の構築されることがある。
サヘルおいては砂漠化の問題も深刻である。かつてオアシスにあった伝統的集落が、降水量の減少により、砂漠に飲み込まれ、定住生活が不可能になる。砂漠化の原因を地球温暖化と関連づける考えもあるが、長周期の気候変動と考える場合もある。

 ②サバナ気候Aw
夏に雨季、冬に乾季があり、夏は植物の生育には恵まれている。熱帯雨林の周辺に広がる草原地帯がサバナである。夏に植物が生育し、冬に枯れることから、種子植物が多く見られる。樹木は灌木がよく育つ。スーダンは砂漠気候BWとサバナ気候Awである。バオバブはスーダンなどのサバナ気候で見られる大木である。神の木として崇められている。

 エチオピアは高原の標高が高く、最寒月平均気温が18℃以下にため、温暖冬季少雨気候Cwである。コーヒーはエチオピア高原を原生地とするが、世界的にはサバナ気候の地域で広く栽培されている。
③アンゴラの気候
内陸にはサバナ気候Awが広がる。海岸はステップ気候BS、特に南部の海岸は砂漠気候BWである。海岸が乾燥気候になるのは、沖合を寒流のベンゲラ海流が北上するため、沿岸では空気が沈降し、降水量が少ないためである。西岸気候は一般に降水が多いのだが、寒流の影響を受ける場合には、降水量が少なくなる。
南アメリカ西岸ではペルー海流の影響を受け、ペルー砂漠やアタカマ砂漠(チリ)が見られる。また、アフリカ南西岸ではベンゲラ海流の影響を受けるナミブ砂漠(ナミビア)やアンゴラ沿岸の乾燥気候がある。
④コンゴの熱帯雨林
コンゴ民主共和国の大半を占めるコンゴ盆地はほとんどが熱帯雨林であり、その面積はアマゾンに次いで世界で2位である。コンゴの森林面積は1億5,500万ha、世界の森林の4%を占めている。
コンゴでは森林は全て国有である。政治的思惑から国内外企業への森林払い下げにより、森林伐採のための道路建設が進んでいる。道路ができれば、鉱産資源の開発も森林地帯に及んでいる。森林資源・地下資源の快活利用が進む一が、急速な森林破壊が進んでいるのも事実である。コンゴ盆地の熱帯雨林には絶滅危惧種動物が生息しているが、森林保護の声は開発推進者に届いていない。

 

 



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