修行は まだまだ続く ♪

ぼちぼちと ほどほどに 今を愉しんで・・・

やまんばとねこ

2007-11-01 | ひとりごと
玄関に入った途端、居間から、台所からサァーッと逃げるニャンコ達。
いるわいるわ、いつの間にやらつれあいの実家はネコ屋敷。
突然現れた見慣れないニンゲンに一度は退散したものの、
どうやら「ここんちは、アタイたちの家なのよ。アンタだれよ?」と
そろ~り、そろ~りとニャンコ達がこちらの様子を窺いにやってくる。
ありゃ?前に来たときより増えてるみたいだけど・・・

   おかあさん、何匹飼ってるの?
   「じっぴき」
   えっ?もっといない?
   「あぁ、隣りのねこもおる」

この家には、どうやらネコ玄関にネコ通路があちこちにあるらしい。
玄関の戸はしっかり閉まっているのに、次から次に違うニャンコが
よそもんの観察にやって来る。
(つれあいも、ニャンコ達から見ればれっきとした『よそもん』)

卓袱台の下で子猫におっぱいをやりながら覗いているニャンコ、
堂々と魔女の目の前に正座して見つめてるニャンコ、
階段の上からこっそり覗いているニャンコ、
柱の陰に隠れるようにしてこちらを窺うニャンコ、
たぶん暖かくて居心地が良いのだろう、保温中の炊飯器の上や、
驚くことに鍋をかけてあるガス台の上を渡り歩くニャンコまで。

家のあちこちで好きなように寛ぎつつ、こちらを観察しているが、
義母が歩くたび、ゾロゾロ(音はしないけど・・・)と
ニャンコ達が付いて回っている。
「おぉ、よしよし。」と義母に声をかけて貰い、
撫でられてニャンコ達の幸せそうな顔。(・・・に見えた)
「ほら、腹減ったろ」と、先刻買ってきたばかりのキャットフードを
気前よく、ザーッとあけてやる嬉しそうな義母。

買い物に出かけると、自分の買わねばならない必要な物でも、
「いらんよ」と遠慮する事が多い義母なのだが、
キャットフードに関してだけは違う。
銘柄と味付けまで指定して譲らず、
5kg入り4袋をドンと買うことを躊躇わない。
たとえ冷蔵庫がガラガラになって自分は菜っ葉だけで済ましても、
ニャンコのごはんだけは潤沢にあるようだ。

ニャンコ達を養うために月々の仕送りを続けてるってことか・・・
でも、いつも義母に寄り添い、義母を慰め、励ましてくれているのは、
息子達でも孫達でもなく、このニャンコ達だと思えば・・・
ニャンコ達が元気に健康に過ごせているってことは、
義母がいつも元気に過ごせることに繋がるのだと納得させるよそもん二人。

++++++++

深夜・・・う~ん・・・ぐるじぃ~・・・
うなされて目を覚ますと・・・

      


でかいの、ちっちゃいの、取り混ぜて十数匹のニャンコ達が
団子になって布団の上に乗っかってるじゃないの。
えっ?アタシ何か悪いことしたっけ?
薄情なのは息子達の方じゃないの?
嫁が悪いんか?

はい、はいっ!わかりました。
キャットフードの銘柄等には二度と文句をつけません。  
仰せの通りに致します。
これからも、定期的に美味しい物も送ります。
だから、うちのやまんばのことも宜しく頼みますよ!!


++++++++


翌朝、爽やかな笑顔の義母とニャンコ達を尻目に、
ちっとも寝た気がしないよそもん二人は、
ぼーっとしたまま出発することとなった。



ボラ待ち櫓


富山湾を挟んで、遠くにぼんやり見える朝焼けの立山連峰 

コメントを投稿