修行は まだまだ続く ♪

ぼちぼちと ほどほどに 今を愉しんで・・・

桜だより

2008-03-11 | 手しごと
ひとあし早く、桜から届いた便り。


 


どのハンカチも、魔女の森にある同じ桜の枝を使い、
同じ媒染剤で、同じ手順で、今日染色したもの。
ほんの少しだけ染液の条件が違っただけで、
こんなにも違った色合いに染まるのが不思議で楽しい♪
中でも、一番右側にあるピンクのハンカチは、またとない良い色合い。


             


桜の花の色でもある淡いピンクを染め出すには、
一年中で今しか出来ない。
里の桜を使うには、もう少し前が良いだろうが、
ここ標高800~900mの魔女の森にある桜を使うには“今”なのである。
花芽がまだ固く閉じているこの時期の桜の枝には、春を迎える準備で
いっぱい満たされたものがあるようだ。
桜の花には、人を魅了して離さない妖気のようなものさえあるが、
ほんのひとときに賭ける桜の魔力は、この蓄えによるものなのだろうか。

今年の森の桜は、染め上がったハンカチの色合いからも、
特にその力をため込んでいるように思われる。
かつて中学生だった息子の国語の教科書で『言葉の力 大岡信』
出会ってから、毎年、この時期にさくら染めをしているが、
これ程までに濃いピンクに染まったのは初めてである。
その後、染織家 志村ふくみさんの『色を奏でる』で、
更に桜への思いが強くなり、草木染めの奥深さを痛感している。

++++++++ 

街場の「予想最高気温は20℃、花粉情報はたいへん多い」だったから、
里の桜の花芽は、ゆるみ始めたかもしれない。
でも、こんな日は、町に下っていかない方が身のためダワ。 

コメントを投稿