余桃之罪、もしくは電光朝露

関西フィル、日本センチュリー、京都市交響楽団、大阪フィルの定期会員です。アイドルやら声優やら。妄想8割、信憑性皆無。

大阪センチュリー交響楽団 第148回定期演奏会

2010年02月12日 | 大阪センチュリー交響楽団
10.2.12(金)19:00 ザ・シンフォニーホール
大阪センチュリー交響楽団 第148回定期演奏会
指揮/小泉和裕
ヴァイオリン/堀米ゆず子
コンマス/後藤龍伸*、太田雅音
曲目:
メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲ホ短調op.64
ブルックナー/交響曲第6番イ長調(ハース版)

12.February.2010 7:00p.m.The Symphony Hall
Century Orchestra Osaka 148th SubscriptionConcert
Conductor/Kazuhiro Koizumi Music Director of the Century Orchestra Osaka
Violin/Yuzuko Horigome
Concertmaster/Tatsunobu Goto*,Masane Ota Concertmaster of the Century Orchestra Osaka
Program:
F.Mendelssohn/Concert for Violin and Orchestra in E minor,op.64
A.Bruckner/Symphony No.6 in A major

ブル6となるとやはり人気が下がるのか、客入りは8割半ばといったところ。

メンデルスゾーン。
先の京響定期では3人のソリストの一人だったゆず子。技術の素晴らしさは言うまでも無く、表現が的確で演奏に迷いがない。気を衒わず正攻法のアプローチってそれ小泉さんと同じじゃん。ということで芸風が合ってる二人による堂々たるメンデルスゾーン。美しいというよりも立派な出来。リストもそうでしたが、メンコンの伴奏でここまでみっちり演奏しちゃう指揮者とオケが面白かった。背景に徹するなんてありえないんですな。大好き。

休憩挟んでブルックナー。
小泉さんは8日に九響定期でブル6を予行済み。
前にも書きましたがブルックナーの中期までの交響曲はセンチュリーさんの基本編成に数人足すと催行人員を満たせるわけです。7番以降は金管倍増に合わせて弦も増やさないといけないので無理ですが。今回は弦を1プルトずつ増やして金管をそれぞれ1人ずつ増員してきました。
センチュリーさんのブルックナーと言えばCDにもなっているシンフォニカーとの合同演奏による8番がある意味金字塔というか指揮した大町陽一郎の生前建立墓碑のようでもあって、まあ懐かしいのですが、小泉さんとのブルックナーも4作目、ブルックナーに慣れたというよりも小泉節に慣れきった感があります。
冒頭のホルンが若干不安定で不安になりました。人数増やしてるとはいえバランスこれでいいのかよとツッコみたくなる金管の咆哮。各セクションが混ざり合うような瞬間を沢山見せた児玉/シンフォニカーと違い、小泉/センチュリーは各楽器が前景後景に矢継ぎ早に交替しつつトドメに全合奏で大爆発を繰り返すという、機動性とか運動性とかという言葉が脳裏をよぎる出来具合です。速い速い。欧州におけるブルックナー演奏の最新の傾向をようやく日本でやる指揮者が出たのか。・・・単に小泉和裕という指揮者の地だと思う。私淑してるカラヤンでもここまでやらないもの。第2楽章が繊細さのカケラもなく声明のように野太くアジア的だったところはやりやがったな!と喜びました。センチュリーさんでやることないと思うけど。
小泉さんは色々とブルックナーについては神秘だの人間性だのとありきたりなことを口にしますが、出来上がるものはそういうところから遠いものが豪快に仕上がってくる。それが面白い。あえていうならブルックナーかくあるべしだとかブルックナー指揮者はこうした人だとかという朝比奈御大に慣れて硬直したおぢさん(すなわちオレ)の感覚にはまだまだ辛いものがある。逆にそういう感覚が希薄な東京で都響とやったブルックナーなどはかの地では好評なわけで。コンクリートの森、高層ビルの山脈に生きる人々の心に沁みるブルックナーなのかも知れぬ。いや九響も好評だったらしいので違うのか。福岡は都会だな。にしても関西人は幸か不幸か分からんな。ひょっとすると紛い物だったかも知れない御大のブルックナーを本流だと信じたためにブルックナー享受の回り道をしているのかも知れぬ、ああこの恐怖が快感。
センチュリーさんにその気があればいつかこのシリーズは再演したほうが良いよね。
バボーと叫ぶ人がいるので「ああ関テレのサクラだからバボちゃんの宣伝か」と思いましたがどうやらブラボーと言ってるつもりらしい。フライングブラボーを防ぐことは難しいので、せめて美しいブラボーのかけ方講座をプレトークでやるべきだね。

5月に4~6番がCDとして出されます。ライブではなくセンチュリーオーケストラハウスでのスタジオ録音。CD化されるとまた違う感想を持てるかな。ファンクラブ頒布CDの幻想交響曲は思いのほか細かい動きをやっていて面白かったし。
実演を聴かなかったが英次のブル9はシェーンベルクの浄夜とマーラーのアダージェットのハチミツ漬けみたいな軟体音楽でシビれました。あれはよく眠れる。

ちなみにこの公演のために聞き込んだのは小泉さん以上に即物的にやってるからということでヤノフスキ/フランス放送フィルとA・ボッシュ/アーヘン交響楽団。ぜひ聴いてください。小泉/センチュリーはヤノフスキに近いかもしれないがこれは入手困難か。LeChantduMondeのCMX378081.84でCD4枚組です。

色んなタイプの指揮者を同じ会場で聴ける大阪はシアワセや。

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。