余桃之罪、もしくは電光朝露

関西フィル、日本センチュリー、京都市交響楽団、大阪フィルの定期会員です。アイドルやら声優やら。妄想8割、信憑性皆無。

京都市交響楽団 スプリング・コンサート

2009年04月10日 | 京都市交響楽団
09.4.10(金)19:00 京都コンサートホール 大ホール
京都市交響楽団 スプリング・コンサート
指揮/広上淳一
トランペット/リック・オヴァトン
ピアノ/小曽根 真
コンマス/渡邊 穣
共演/京都市立芸大音楽学部管弦楽団、京都市ジュニアオーケストラ
曲目:
ロドリーゴ(ギル・エヴァンス編)/アランフェス協奏曲~トランペットとオーケストラのための~
モーツァルト/ピアノ協奏曲第6番変ロ長調K.238
ビゼー/歌劇「カルメン」第1組曲
ガーシュウィン/ラプソディー・イン・ブルー
ハチャトゥリアン/剣の舞(アンコール)

断じて1ドリンク付に釣られたわけじゃない(笑)ですが、行ってきました。もう大阪京都はすっかり花見の季節。若干空席の目立つ7割ちょいのお客様の前に上着を羽織らずにやおら出てきた広上さんが「桜も満開だし、コンサートは中止して皆で鴨川にでも出ますか」などと言うのも分からんではない。プレトークありということではなかったはずだけど、共演者について語りたいらしい。今回のソリストはジャズ畑の方、いわば日本料理と中華料理のプロが料理という舞台は同じだからということで競演するわけ。会場こそ京都コンサートホールだけれども、ホテルのスカイラウンジで気軽に音楽と食事を楽しむように聴いてくれたら有難いとのこと。
大丈夫です。我輩すでに1ドリンク券で白ワインを頂戴いたしておりますので、おおいにくつろいでおります。

アランフェス。マイルス・デイヴィスの名作「スケッチ・オブ・スペイン」からの1曲で、名アレンジャー、ギル・エヴァンスの編曲によるもの。ジャズバンド(というかウインドアンサンブル)と独奏トランペットが織り成す幻想的な作品で、フルート群とハープのトレモロの効果や浮遊感のある木管のハーモニーなど(ドビュッシーを研究したという)面白いものがある。まあ1曲目にしては神妙でちょっと退屈だったけど。
モーツァルト。
20歳のときの作品だそうで、華やかで愛らしい。今から15年ほど前にWorld of Classicという謎のレーベルからCLASSIC FOR MILLIONS Vol.37 Mozart/Chopinとして20番の協奏曲(Gottlieb Voigt指揮・独奏)というのが出ていて。これのカデンツァがジャズとムード音楽の中間のようなシロモノで話題になったことがあった。小曽根さんのソロはあそこまで踏み外したものではなかったが、カデンツァの随所にモーツァルト風ジャズのスパイスが仕込んで聴衆の耳を愉しませた。クラシックとしてはトリルなどに硬さがあって、やはりジャズの人なんだなとは思ったが。ガーシュウィンよりもこちらのほうが良かったと思う人もいるんじゃないかしら。

休憩挟んでカルメン組曲。続くガーシュウィン同様、12日の大阪特別公演のプログラムでもおやりになるわけですので、ネチネチ聴こうと思ったんですが。こういう曲になると広上さんの特徴でもあるエッジの立ったとでも言いますか、鋭角なリズムが際立って面白く聴こえますね。席が近くて耳が痛かった。フルートの清水さんは素敵でした。もう1回聴けるなんてシアワセ。
ガーシュウィン。
ここからは京都市立芸大音楽学部管弦楽団と京都市ジュニアオーケストラからの選抜メンバーが白い衣装で参加しております。オケの約半数が彼らに交代。
小曽根さんは大植/大フィルのときよりもアドリブがコンパクトになって聴きやすい。途中ではバンジョーも参加して二重奏になったりと底抜けに明るく楽しい時間でした。
聴衆大興奮で立ち上がるものもでる。

カーテンコールでマイクを持って再び登場した広上さん。
今日の京響は大幅に年齢が若返っておりますが・・・と、若い京芸管弦楽団とジュニアオケ団員を立たせて紹介した後のスピーチ。
母校東京音大の学生オケを率いて欧州楽旅を先ごろ行ったが、バンベルク交響楽団で有名なバンベルクの町でも公演をした。町の人にお話を伺うと、ウィーンフィルが来ようがベルリンフィルが来ようが、我々はまずバンベルク交響楽団を聴きに行く。なぜならそれが我が町のオーケストラだからだ。と言われた。バンベルクは人口7万の都市であります。これは京都だと思った。人口百万にして京響があり、若者が京芸管弦楽団とジュニアオケのようにしてまた後を繋いで行くんだと思った。バーンスタイン先生や小澤先生が「伝説や神話(成功と成果)はそこにたどり着くまでの経過こそが愉しむべき素晴らしいものだ」というようなことを言われていたが、京響はそこに向かって今まさに素晴らしい成果を生み出し生み出さんとしている。皆様とともにこれを楽しんでまいりたいので、ご支援・ご声援をよろしくお願い致します。
オレはこのスピーチを聞いているあいだ、ちょうど広上さんの真後ろに居た、センチュリーから移籍したばかりの尾崎さんの心境が気になって仕方なかった。音楽だけではなく言葉をステージから聴衆に向けていく、そんな時間が要ったんではないかなあとしみじみ・・・。平時なら響さんで良かったんだけど。
あとね、こども定期が新しくディスカバリーシリーズになったので是非来てくださいと。ロザンという漫才の方がナビゲーターを努めてくださいますが、今やお笑いは一つの芸術であるという時代です。オードリーですとか・・・。私は爆笑問題が好きです。と。オードリーという言葉が広上さんの口から出るとは思わず、客席と舞台上の若い女子はどよめいていた。

オヴァトンさん、小曽根さんも交えて剣の舞のアンコールで終わりました。
楽しかったがちょっと長かった。

ザ・ベスト
小曽根真
ビクターエンタテインメント

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