連日強風に阻まれ、地球の火星化?と危ぶむ突風に身をさらしつつ
デッキやキャビンでメンテナンスに勤しむ。
晴耕雨読強風作業。
係留ロ-プがぎしぎし鳴り、時折千切れんばかりに張り切ると
反動で振り落とされそうになる。
一仕事終わり、一向に風のおさまらないマリーナを恨めしげに見ていると
颯爽と出航していく一艇のヨットに目を奪われる。
夕日に純白のハル(船体の横)と真紅のMain-sailカバーを輝かせ
仁王立ちに見えるクルーの立ち居振る舞いはただ者ではない!!と思っていると、
隣のヨットからはホーンが鳴り「いってらっしゃーい!」の大声援。
場の雰囲気でつい私も手を振りつつちょっと感動。
のちに聞けば、「トランスパシフィックヨットレース」に出場の為
アメリカに向けて出航した雲上の人達であった。
今頃は千島海流を難なく通過し、洋上でスプレーを浴びる姿が目に浮かぶ。
『Bengal7』46ft出航のあと程なく、上弦の月と金星が
宵の空にくっきり明光していたのを思い出す。(R)
気持ちの良い季節になりました。
毎週日曜日にはマリーナに出掛けているのですが、先週も今週も海上は強風。
私の腕前では「天気晴朗なれども波高し」などと叫んで沖に出ていったら、
連合艦隊のつもりが気づいてみたらバルチック艦隊になっていたというのはちょっと困るので
しかたなく船内の清掃その他整備などをやっておりました。
このあたりのこと、分かりますね、まあ分かる人は私同様かなり古くから人間やってますね。
たまたま同行した娘がそんな私の姿を見て
「休みの日も仕事と同じことやってるんだ」
とややあきれておりました。
おおそうか、どうも最近日曜日に休んだ気がしないと思っていたのだが、そんなところに原因があったのだ。
ちなみに私は学生アパートを経営していて日々の主な仕事はその建物の管理なのであります。
まあそんなこんなで作業に疲れ果ててキャビンで何時間か寝込んでしまいました。
暫くしてから目覚めて船外に出てみると、
そこはもう太陽もすっかり沈んでしまい、
夜のとばりが下りようとしている人けもないひっそりとしたマリーナ。
昼間あんなにざわめいていたのに今は無人のヨットやモーターボートが波に揺られ、
ときおり吹いてくる強い風にあおられて
張り綱が金属製のマストに当たるカンカンという甲高い音が、
夕暮れ空を濃いねずみ色に映した海の上に響いています。
さて帰ろうかな、と身支度をしてふと見上げると、
まるで秋のように爽やかな暮れなずむ濃紺の空には三日月と金星が
上下に仲良く並んで輝いていました。(H)