月の照る夜に

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「母と暮せば」<追記あり>

2018-10-22 22:48:10 | 舞台・芸能

こまつ座「母と暮せば」 紀伊國屋ホール
原案:井上ひさし
作:畑澤聖悟  演出:栗山民也
出演:富田靖子 松下洸平

先日観てきました。井上ひさしさんが構想だけ残した作品で、山田洋次監督が映画化して、それは見ていませんが、舞台はまた少し違う感じのようです。山田監督もこの舞台の脚本を読み、稽古場にも顔を出したそうです。

いい舞台でした。戦後まもない長崎が舞台で、1人で暮らす母の下に、原爆で亡くなった息子の幽霊が現れる。1時間半、休憩なしで2人だけの舞台。
富田靖子さんも、白髪混じりのお母さん役をやるような年になったんですね。
(写真は公式さんからお借りしました)

息子に会えた母の喜び、仲のいい明るい親子だったことがよくわかる微笑ましい2人のやりとり。息子の婚約者だった娘の結婚の話から始まり・・。
思い出話は楽しい、クスッとくる話、そんな日常も未来も奪ったのが、戦争、そして原爆。それらへの怒りがひしひしと伝わってきて。
こうちゃんが亡くなる場面の二人には、胸が痛くて痛くて……
「熱か―」が耳から離れない。


父も早くに亡くなり、助産婦の母とずっと2人で生きてきた息子は医科生になり、医者がいない離島で医者をするのが夢だった。
戦争さえなかったら、あの日原爆さえ落とされなかったら、今ごろこうちゃんは離島の医者になり、恋人と結婚して、母さんの手で子供を取り上げてもらって、幸せに暮らしていただろうに・・。
自分の死を「運命だ」という息子に、「違う!人間の仕業だ」という台詞も刺さりました。
原爆で息子を亡くし、被爆した人々へのアメリカの仕打ちへの怒り、同じ日本人からの差別、そんなことから母は助産婦の仕事もやめ、生きる気力もなくしていたから、息子は現れたのか・・。
悲しい、やりきれなくて何度も涙する話だけれど、最後は希望の光が・・。

場面転換もない二人芝居。本当に役者の力量が問われます。
可愛らしく優しいけれど、芯の強さを感じられる富田靖子さん、優しさと繊細さが素敵な松下洸平くん、本当に素晴らしい2人の芝居でした。
息子を思う母の気持ち、母を思う息子の気持ちが温かく切なく泣ける。自分と子供にはこんなに濃厚な親子関係が作れているか・・なんてことも思ってしま いましたが・・(^^;)
照明が印象的な舞台でもありました。
東京は昨日が千秋楽。地方公演もあるので、ぜひ。こまつ座(こちら
10/27水戸、11/3花巻、11/17びわ湖、11/23市川、12/1春日井、12/8草加、12/11兵庫
戦争物の作品は苦手なのですが(そういっていてはいけないけど^^;)、観てよかったです。

サザンシアターの方は何度か行ったことがあるけれど、紀伊國屋ホールは初めて。あの椅子、長時間の舞台だとキツそう(^_^;) 動くとギシギシいうし、並びもずれていないから、前に大きな人が来たら、かなり見にくそう・・それなのに、隣の男性はしっかりシートクッションまで借りて使っていた(^^;) 
前日なら、洸平くんと富田さんのアフタートークがあったけど・・。カッキーもきたみたいだし。楽屋に来る人がみんな泣いているという・・。さとしさんも堀部さんも。堀部さんはツイで「終演後に松下くんにご挨拶。短い時間では想いを伝えられず、後日飲む機会を設ける事に。上演中、何度も声を上げて泣きそうになったのは秘密です…(^^;;」と。
ラサールさんは、ツイで「松下さんこれほどお上手だとは知らず、勉強不足でした」と言ってくれてる。よかったね、洸平くん。

脚本は、高校で先生をされている方だそうです。
NHK「高校教師が挑む 2人の巨匠背負った舞台」(こちら)舞台写真も多い


<追記>
直人さんも観に行ったんですね。洸平くんがインスタに写真あげてくれています(こちら
泣いたかしら? 感想が聞きたいな~
洸平くん、彼女みたいな寄り添い方(笑)

叔父貴、こと藤木直人センパイ!
「いい仕事してるねっ。」って最高のお言葉ありがとうございました!


何か、直人さん、顔痩せた?

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