2005年1月から始めた健康法「一日断食」。気がつけば九年目に突入していた。 前の晩の食事から当日と翌朝までの三十数時間を水分だけで過ごすという、ひもじい健康法である。水分といってもアルコールは駄目。お茶、珈琲、野菜ジュース、具の入っていないスープは可としている。 この断食で胃腸をはじめとした内臓器官に休息を与える。また、体内に一日以上栄養素が補給されない状況を作ることにより、内臓器官をはじめ隅々の細胞が“飢餓”を感じ、スワ一大事とばかりにシャキッとする。血管内の脂肪や皮下脂肪など、こういう時の用心に溜め込んでおいた過剰在庫の消化が活発になる。大体こんな理屈で身体がリフレッシュされるのである。 ほぼ週一回、呑み会が確実に無い日を選んで実施している(普通は月曜日)。過去8年間の実績は以下の通り。 ◇2005年・・・ 45日 ◇2006年・・・ 50日 ◇2007年・・・ 60日 ◇2008年・・・ 52日 ◇2009年・・・ 52日 ◇2010年・・・ 50日 ◇2011年・・・ 42日 ◇2012年・・・ 52日 8年間の合計は403日、年平均50日である。2005年は初年度だったこともあり、45日で終わっているが以降週一ペースで50日以上実施してきた。但し、2011年はドラゴン氏の急遽や東日本大震災など例年にはない出来事で断食ペースが崩れ、42日しかできなかった。昨年は2009年以来の年52回をクリアした。 当初やり始めた頃はひもじさから惨めな気分にもなったが、今は惨めな気分からは解放されている。また、以前は断食日の夜は寝付きが悪かったが、現在は左程でもない。この健康法はダイエット効果はもちろん、内臓を休め、体内の余分な脂肪も燃やせることからか、断食後の2日間ぐらいは気分爽快でいられる。気力も充実するし、なんと言っても食べ物の“ありがたさ”と“美味しさ”を痛感できることが素晴らしい。 昨今は2005年に始めた頃に比べ「断食」に対する世間の評価は上がっているように思う。健康法として認知され、アンチエイジングにも効果がある等、もてはやされているようだ。小生の8年間の経験から言うと、間違いなく健康にはいい。これをやっていなかったら、小生の身体はどうなっていたかと思うとぞっとすることがしばしばある。 そして、この健康法の大きな楽しみのひとつが翌朝にある。30数時間の断食後に食べるお粥である。「空腹は最高のソース」の言葉通り、これは旨い!このご褒美が無ければ、この苦行は到底やり続けられなかったかもしれない。 手作りのお粥は塩と餡と海苔と梅干と香の物でいただいている。塩と海苔は海の恵み。お粥と梅干と香の物は大地の恵み。滋味溢れる味と香りは待ち望んでいた細胞たちにじっくりと滲みこんでいく。しばしの間、至福の時を味わえる。考えてみればこのお粥も8年間で400回作ったことになる。お粥を商売にしていない人間でこんだけお粥を作る奴も珍らしかろう。 もはや、一日断食を二週間以上やらないと身体が不調を訴えてくる。やらずには居られない体質になってしまったようだ