萬蔵庵―“知的アスリート”を目指すも挫折多き日々―

野球、自転車の旅、山、酒、健康法などを徒然に記載

呑み処徘徊 第二十一回 「サムライ」

2009年09月06日 | 呑み処徘徊

<北見の繁華街。人通りは少なくひっそりとしている。ところが、サムライは・・・。>

北海道は北見市。人口は13万人弱、農業を中心とした北海道の中堅都市である。年に何回でもないが、仕事で行くことがある。前回来た時に、とある居酒屋に寄って舌鼓を打った後、ラーメンでも食うかというと、地元座員が北見は「塩焼きそば」が名物です、という。そうか、そんなら何処ぞで「塩焼きそば」とやらを食おうじゃないか。ということになり、北見の屋台村の一角にある「サムライ」という店に寄ってみた。

名物に旨いものなしで、大したモンではなかろうと思って食したのだが、さにあらず。ここで食べた「塩焼きそば」の旨さは半端ではなかった。みれば、他にも美味しそうなツマミもあり、今度北見にきたら、最初からここで呑むぞ、と地元座員たちと誓い合ったのであった。


そして、先月半ばの北見出張。夕方、ホテルでチェックインを済ませて、当然ながらこの屋台村に足を運ぶ。ところがだ。屋台村の一角にあった「サムライ」は他の店に変わっていた。えっ!潰れたの?移転したの?なんだよ折角来たのに。次はいつ来れるかわからんのに。

と愕然としたが、よくみると屋台村を出た通りにあるではないか。「サムライ」が。繁盛店のため、手狭な店からより大きな店へと変貌していたのであった。よかったねぇ、と喜んで店に入ったのだが、喜びも束の間。満席で入れませんという。閑散としている北見の繁華街でここだけが混んでいる感じだ。

しかたないので、近場の居酒屋で呑んで、席が空くのを待つことにした。途中、地元座員が動向を探りにいったが、まだ、満席という報告。「自分の携帯電話を店主に教え、空いたら電話をかけてもらうことにしました。」と座員がいう。でかした。気が効くじゃねぇか。

ということで席が空くのを待っていた。ようやく、電話がかかってきたのは10時半ごろ。愛想のいい店主は「すいません。何度もお待たせしまして。」と恐縮そうに我々を向かい入れてくれた。

既に呑み食いしてしまったので、頼んだものは生ビールと「塩焼きそば」だけだ。お通しの枝豆で生ビールをチビチビやりながら待つ。酔った身でも、結構、待つのが長く感じた。なかなか出てこない。よほど手間かけてつくっているものと思った。思えば、夕方から待っていたのだ。この10分や20分はなんてことはない。

そして、ついに満を持して「塩焼きそば」は出てきたのだった。

小ぶりの柄のついた中華鍋の中に炒めたての塩焼きそばがこんもりと盛られている。そして、カタクリが少な目のさらっとしたスープのような餡が入った器も出てくる。出汁はホタテとタラからとったものだという。非常にコクのある美味しいスープである。ここに、中華鍋に盛られたカリッとした塩焼きそばをつけて食べるのだ。風味といい、歯ごたえといい、ノド越しといい、申し分ない逸品であった。

またしても、塩焼きそばしか食べれなかったが、大阪出身の奥さんの提案か、串焼きなども充実しているようだし、今度、北見に来る時は予約してでも、最初からここで呑もうと、座員達と再び堅く誓ったのであった。



<夫婦のなれそめのような、店の特徴のようなメッセージが小気味いい。>
コメント
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