お金の貸し借り、債権債務奮闘記

5億の借金と返済、金融会社代表を経て事業家として経験した貸し借りの全て、債権回収と上手な借り方で関係を崩さない方法を伝授

心情的優位

2017-07-31 15:41:32 | 債権債務の原則
お金を調達するにしても、債権回収にしても、成功率を左右する条件があります。

それは

心情的優位


です。

日本では武士の時代から5人組など村で連帯責任を負わせる仕組を取り入れてきました。
その名残でしょうか。
借金に関しては親や親戚を回って(回らせて)回収するという方法が多く取られています。

法律上は親族であろうと責任はありません。
責任は契約上の借主と保証人(連帯保証人)だけです。

ですが、
・あなたが育てたお子さんでしょう
・あなたの親(兄弟・親戚)が迷惑かけたのですよ
といった心情に訴えかけて、最終的には肩代わりをさせるのです。

これが心情的優位に立つということです。
債権回収での心情的優位はわかったけど、調達する時の心情的優位って??

借りたり、お金を出してもらったりするのだから出す側貸す側が心情的優位があるとお考えではありませんか?
通常はその通りです。

しかし、一定の条件を満たせば、調達する側にも心情的優位が発生し調達に優位になります。

どういう条件があるでしょうか?
いくつか例を出してご説明します。


例1)助けたいという気持ちを揺さぶる
熊本の震災被害者を助けたいが自分1人では限界がある。資金は30万集めたが後20万円が足りない。
物資を届けるトラックや現地協力者の準備はできている。
500人の被災者があと20万円あれば助かる。
どうにかしたい、協力してくれないか!

被災者の身近な人に言わるまたは被災者に近い人(被災者の状況をより理解しようとする人)に言うと、
20万円は出せないけど義援金として5000円は出すよ
という流れになった

お金を調達する流れで特定のターゲットは反応しやすい内容です。
調達する者が心情的優位に立ちます。


例2)欲に訴える
便利商品を開発した。クラウドファンディングで資金集めをしている。あと10万円で目標額を達成する。
目標額を達成し商品を実際に作ると販売権を500万円で売れる話がついた。
あと10万円だしてくれないか?
見返りとして販売権の契約がおわりお金が入ったら権利金の一部利益30万円をもらえる権利を渡すよ。
10万円だして30万円のリターン。
どうだろう出してくれないか?

10万円出して30万円のリターンがある。20万円の利益、利益率は200%という利益が得られる。
そして調達者を助けたということにもなる。
こういった人の持つ欲に訴えかけることで心情的優位に立ちます。



他にあるのですが、例を元に
心情的優位を活用して資金調達を行うと成功率が高まる
ことを覚えておくと良いでしょう。