ももママの心のblog

猫が大好き。有料老人ホームで生活相談員をしています。映画が好きだけど、なかなか見られません。

空飛ぶタイヤ#5

2009-04-28 | テレビドラマ
いよいよ最終回です。

ホープ自動車に家宅捜索が入って、これで証拠が出るから一件落着かなと思いましたが、時間もまだあるし、そんなに簡単なことではないと分かります。家宅捜索が入るのが遅く、証拠隠滅されていたんです。そりゃ、そうだよな~。私がその立場だったら早々に証拠隠滅を図りますわ。まして、頭の良い一流会社の常務である狩野です。うま~く、跡形もなく隠滅しちゃうんでしょう。

しかし、さすがの狩野も杉本の動きまでは止められなかったですね。杉本は十四運データの入ったPCを持ち出していました。これは、故障のため廃棄処分されたことになっていて・・・。って、こんなこと簡単にできないはず。ホープ自動車も甘かったなあ~。杉本からPCを託された澤田は、警察に持ち込みます。これは、あくまで彼の判断であり、杉本の依頼ではありません。

狩野が抑えられなかったのは、リコール隠しをしようとする会社に対し、内部告白しようとする若い社員たちの正義感なのかもしれません。杉本を演じた小埜真千子が一本調子なのが残念でしたが、田辺誠一も、その友人である小牧を演じた袴田吉彦もとても良かったですね。

今回は全体的に人情に訴える場面が多くなり、ややウザったいともいえましたが、あまりにハードな内容なので息が詰まりそうになる視聴者もいるかもしれません。赤松運送の大ピンチに、社員たちが「給料は要りません」と言ったり整備士の門田の赤ちゃんが生まれたりするエピソードで、和ませようという脚本家の意図でしょう。まあ、あまりウエットになりすぎず、ギリギリ許せる範囲かな?(できることなら、もう少し少ないほうが好みでしたが)

被害者の夫である柚木との和解が描かれ、ほっとしました。赤松運送の大ピンチである、一中小企業が大企業(銀行も一体となっているのでコンツェルンとも呼べるか?)に向かって真実を訴えて頑張る話ではありますが、一番の被害者は飛んできたタイヤにぶつかって亡くなった人です。残された遺族が、真実を知ることは大事なことだと思います。

実際にあったリコール隠しを題材にしたフィクションドラマではありますが、非情にリアリティがあり、硬派で骨太の脚本でした。キャスティングも豪華で、まさに見ごたえたっぷり。登場人物誰にでも感情移入しやすく、夢中になりました。狩野常務も、リコール隠しという法律にも倫理にも反することをやっている人ですが、こういう企業の論理で動く人は、以前はかなり多かったと思っています。会社のために悪いと分かっていても、罪を犯してくるという土壌は、日本にはずっとあったのではないかな?(褒められたことではないし、時代遅れの考えですが)

5回連続ドラマなのであっという間に終わってしまったのが残念なくらいでした。しかし、ここまで骨太だとあまり長いドラマだと、見ているほうが辛いかもしれませんね。


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2 コメント

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kihada60 (kishimitsu Hada)
2009-05-10 07:30:54
タイトルをみると、童話か、SF的なものとおもうでしょう。これは「黒い試走車」のようなサスペンス・ドラマ。この作家は城山三郎みたい。重厚なものが書ける人なんだ。
たしかにタイトルが (ももママ)
2009-05-11 07:14:32
>kihada60さん

ちょっと童話か、SF的な感じがしますね。でも、実は骨太の社会派サスペンスって言う意外性が、またよろしかったです。

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