ももママの心のblog

猫が大好き。有料老人ホームで生活相談員をしています。映画が好きだけど、なかなか見られません。

ルワンダ 流血の4月

2007-06-28 | 映画 や行ら行わ行
TVMだが、「ホテルルワンダ」に見劣りしない内容だ。日本には縁の薄いアフリカの地でとんでもない事が起こっていた。人間は隣人に対してここまで狂気を行えるのか?ルワンダの国内問題だとして無力だった国連軍、また沈黙を守った各国の罪の重さを思い知らされる。

2005年 フランス/アメリカ/ルワンダ 
2007年6月28日 録画 
監督・脚本 ラウール・ペック 
出演 イドリス・エルパ、オリス・アーヒューロ
(出演作品などは、私が観た物にかぎる)

オーガスティン(イドリス・エルパ)は教師をしている。しかし4月になって雨季を迎えると命のはかなさを思わずにはいられない。1994年に始まった大虐殺の記憶があるのだ。フツ族の軍人だった彼の妻はツチ族だった。弟のオノレ(オリス・アーヒューロ)はラジオ番組でフツ族を煽っていたが、虐殺につながるとは思いも及ばなかったのだ。

アフリカの地図を走るまっすぐな国境線は、植民地支配をしていた先進国の利益の為に引かれたものだ。元々、各部族は特別に争う事もなく、平和に共存していた。しかし、少数派のフツ族に権限を与え、ツチ族を支配させるという構図を作って、植民地経営をやりやすくしたのは統治国だったベルギーである。ベルギーだけではなく当時の植民地経営のやり方はこんなふうだったらしいから、ベルギーだけを非難するのは的外れである。
ルワンダの大統領機が爆破されたニュースは、朝ベッドの中でラジオで聞いた覚えがあったが、続報を聞いた記憶はない。そして、数ヵ月後、アフリカで大虐殺が行われているニュースを聞いたときに大統領機の爆破と結びつかなかった。アフリカの国名も地図上の位置も定かではなかったのだ。
普通の人間が集団になり、狂気に走る事は知られている事実ではある。しかし、それが自分のこととは結びつかない。これはただ、私たちが平和な日本に住んでいるから無関係で済んでいるだけのこと。マインドコントロールされてしまえば、人間とは残虐行為を平気で行える存在なのだ。
今、あの残虐行為を行った人、行われた人たちが同じ大地に暮している。彼らは何を思い、どんな生活をしているのだろうか?冒頭のシーンは、雨の中、ラップ音楽に合わせて踊る若者の姿を映し出していた。彼らは虐殺以降の世代だ。どうか赦しと和解、そして本当の平和がルワンダの地に来ますようにと祈るものである。
俳優の演技は過多ではないし、余計な脚色もない。行われた残虐行為を淡々と追っていくカメラ目線が良かった。


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1 コメント

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Unknown (Unknown)
2022-08-19 04:57:04
「少数派のフツ族に権限を与え、ツチ族を支配させる」少数派はツチ族だったのでは?

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