1,8-cineole シネオールは、分子式 C10H18O で、モノテルペンが酸化されたように見える。しかし、分子構造はモノテルペン環状エーテルです。有機化学ではオキサイドという命名はしません。この分子は環状のエーテル構造が特徴です。ローズマリー精油の特徴成分です。他の精油にも含まれています。エーテル系は芳香剤として使われます。このような環状エーテルは独特な物性をもっています。自然の冥利といえます。シネオールが多く含まれるケモタイプは、ローズマリー・シネオールとも呼ばれています。
精油の化学構造を立体的に描くとわかりやすくなります。普段は平面図に書かれているので立体構造を誤解する可能性があります。分子式からは確かにオキサイドのように見えますが、立体的に見るとエーテルなのです。これからは、アロマテラピー精油の化学も改訂する必要もあります。アロマテラピーでは間違った化学教育がなされている可能性もあります。
更に、精油の代謝にも注目してください。1,8-cineole は生体内で代謝されて水酸化物になります。この水酸化物が生理作用を発現しているかも知れません。