サロンシップで縮み上がった
そう主張するムスコ
だが温めても変わらない
そのお姿に
それが通常の姿だと判明した
言い換えれば
普段はもうこれ以上
縮む余地がない
そうとも言える
だが一本の電話
それが本当に爺を縮こませた
M会計事務所のK先生から
「いただいた通帳のコピー」
「6月~9月が合計記帳です」
つまり明細がわからない
爺はコピーだけして
中身は余り見てなかった
長い間記帳しないと
合計記帳〇〇件しました
その文言のみで
明細がないのである
はいはいすぐ取り寄せます
そう安請け合いして
銀行へ電話
担当のS君の言葉に驚いた
「有料になりますが...?」
そんなのは
「かまへんかまへん」
「お時間
いただくようになりますが?」
「え~! どのぐらい?」
「3、4日程だと思います」
「それは困る」
「確定申告に必要で急いでる」
「ちょっと折り返しお電話します」
そしてかかってきた電話
結論から言えば
普通は月500円の手数料
今回要りません
ご用意も出来ましたが
郵送になります
「持ってきてくれないの?」
「それは
出来ない規定になってます」
ほんまかいな?
「なら取りに行きます」
午後5時
裏口のインターホーンを押す
花粉症のマスクをしてないので
氏名を名乗ると
すんなり開けてくれた
初めて見る営業時間外の内部
十人ぐらいの男女行員が
忙しそうに動き回ってる
その人達が前を通る度
「いらっしゃいませ」の声
大口預金に来てるなら
胸を張るが
何かとっても木っ恥ずかしい
ちょっと足がもつれそう
初めて舞台に立つストリッパー
そんな気分
何はともあれ
無事に抜けた明細を受け取り
さっそくK先生に電話
「ただ今からFAXで送ります」
そのやりとりは
もちろんこんなことぐらい
銀行へ電話一本
チチンプイプイ
すぐに調達できました
そんな雰囲気を
かもし出したのは当たり前
爺の額には大粒の汗
その理由はK先生は知らない