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(新)ライトノベルを書きたい人の本

2013年02月20日 | ★★★☆☆
『(新)ライトノベルを書きたい人の本 』
ライトノベル製作クラブ (編),


成美堂出版 (発行)
A5判、ソフトカバー、192ページ
2013/02/25発行
ISBN-13 978-4-415-31445-7 
NDC分類: 901.3

定価 :1,155円(税込み)


 内容(下記出版社の公式ページより)
初心者のための、本当に面白い作品を書くための実践的ガイドブック。発想力の磨き方やプロットのたて方など、プロになるために必要なことが全てわかる。その道のプロに学べる、とっておきコラムも収録。使えるルールシート、キャラクターシート、統一表記表付き。


ライトノベルはこうしてできた p.02
ライトノベルには何がある p.04
ライトノベルだからできる! p.06
ライトノベルのメディアミックスと進化 p.10
ライトノベルの魅力を増すイラスト p.12
ライトノベルのレーベル p.14
目次 p.17
story1 ライトノベルを書く前に p.21
ライトノベルのターゲットを知ろう p.22
「萌え」や「燃え」はどうして必要? P.24
何のためにライトノベルを書くのか p.26
目標とする師匠を見つけよう p.28
(中略)
自分の趣味・趣向を知ろう p.34
身近な小ネタはストーリーのモト p.36
人間観察でキャラ作成力をアップ! p.38 
コラム ストーリー製作のプロ「作家」に学べ!(月島総記さん) p.40
story2 ライトノベルを書く! P.43
ライトノベルを書くための流れを知ろう p.44
小説の「原石」(テーマ)を見つけよう p.46
step1 キャラクターを決定する p.48
魅力的なキャラクターが作品を決める p.49
個性+個性でキャラクターを立てる p.49
(中略)
キャラクターを作り込みすぎない p.55
読者の想像にある程度まかせるのもライトノベル p.55
 キャラテクニック 1 見た目の設定でキャラクターを立てる p.56
          (中略)
            4 日常を書いてキャラクターをつかむ p.59
step2 テーマ・世界観を決定する p.60
世界観って何? P.61
入り込める世界観には「リアル」がある p.61
(中略)
事実や知識が「嘘」を「本当」に見せる p.67
 読者の想像にある程度まかせるのもライトノベル p.67
step3 プロットを立てる p.70
プロットが地図となり小説のゴールを導く p.71
プロットがあるとこんなに便利 p.71
(中略)
「起・承・転・結」でアイデアをまとめる p.74
 「起・承・転・結」を細かくしてプロットの形にしていく p.75
 プロットテクニック 1 対立する過程を追って物語に深みを出す p.76
              2 物語を小さくまとめて頭を整理する p.77
step4 小説を書く p.78
目標があれば書き進めやすくなる p.79
細かいスケジュールを立てて生活の一部にしよう p.79
(中略)
回想シーンでドキドキさせよう p.93
 回想シーンのデメリットと注意 p.93
 小説を書くテクニック 1 なんでもいいから毎日書こう p.94
                2 伏線で読者に驚きを与えよう! p.95
コラム 世界観のプロ「ゲームデザイナー」に学べ!(朱鷺田祐介さん) p.96
story3 ライトノベルを推敲する! P.99
推敲するときに知っておこう p.100
よく使う校正記号&用語 p.103
推敲してみよう 名称や事実に間違いはないか? P.104
  表現は統一できているか? P.106
        (中略)
         シーンの絵が思い浮かぶか? P.120
コラム 女性向け作品のプロ「作家」に学べ!(岩崎紘子さん) p.122
story4 ライトノベルを応募する! P.125
プロ作家になるということ p.126
ライトノベル作家になるには p.130
 (中略)
 新人賞のチェックはここ! P.138
 読んでもらいやすくなるテクニック p.146
 ライトノベル新人賞リスト p.152
コラム 作家育成のプロ「講師」に学べ!(斉藤ゆうすけさん) p.156
story5 ラノベテクが身につく 課題&小ワザ集 p.159
書いて練習!ラノベ課題集 1 日本語ドリルで文書力をアップさせよう p.160
              2 絵を見て文章にしよう p.164
              (中略)
              5 シナリオのように書いてみよう p.176
文章が変わる!すぐできる小ワザ集
              1 リアリティを出すための小ワザ p.178
              2 意外性を出すための小ワザ p.179
              (中略)
              6 キャラクターの魅力を出すための小ワザ p.183
使える! コピーシート
(キャラクターシート/ルールシート/統一表記表) p.184
使える! 参考文献集
(文章力アップ/小説の書き方/ライトノベルの研究/小説の資料) p.188
スタッフリスト/奥付け p.192


萌え本分類:解説書型。
ナビゲーター: ラノベ作家を目指す無名の少女と、彼女の小説から飛び出してきたちびキャラ「アラン」。

カバー表紙:タイトルは縦書き。タイトルの字色は白。縦割り二色(白と桃色)の背景に立ち姿の美少女イラスト。
中表紙:桃色無地の背景に、タイトルとカバーの美少女(座りポーズ)を配する。
折込ポスター:なし。
本文:縦書き、二段組みが基本。挿図中の解説部分などでは横書きも多用される。
構成・設定:  巻頭の16頁はフルカラー、以後は黒オレンジの二色印刷。巻頭のカラーページは「ラノベの概論」で、代表作・有名絵師・カバーイラストの特徴・主要レーベル紹介など図版を多用した解説がみられる。本文は5章構成で、執筆までの基礎、執筆のテクニック、原稿の推敲、新人賞の応募方法など作家への道、実力アップの課題集などよりなる。
ナビゲーターは漫画、挿絵に登場し、一応「ラノベ執筆中の少女の目の前に突然現れた作中キャラが、ラノベ執筆のテクニックを教えてくれる」というサブストーリーが存在する。ただし、前半のstory1,2では章頭がコマ割り漫画形式だったりイラスト部分も図解方式が多くてナビゲーターの出場機会は多めであるが、一方後半のStory3~5では解説調のイラストが増えてナビゲーターはうなづきキャラ化しサブストーリーも消失。
 各項目の解説は基本的に1頁一段分にまとめられていることが多く、図説が上半分、解説が下半分という構成が一般的。項目が細かい分内容は具体的で簡潔にまとめられているが、「執筆に向いている環境」とか「原稿用紙の正式な綴(と)じ方」など細かすぎる部分もみられる。また、二色印刷の効果は図説部分で効果的な部分があるものの、本文にやたらとオレンジマーカー方式の強調部分を入れるのはかえって読みにくい感がある。


評価:
萌え絵度:  カバー・中表紙のイラストはNOCOさん(『しずまれ! 俺の左腕』(宝島社刊、12/06)、『S.I.A. ―生徒会秘密情報部―』(アスキー・メディアワークス刊 (12/10)など)、本文キャラクターは菅家智則さん(『萌え萌え2次大戦(略)』(システムソフト・アルファー製作、07/12)など)が担当。業界プロの仕事だけに、萌え絵度は非常に高い。
テーマ萌え度: 巻頭の「ラノベ概論」、図版に重点を置き文章を最短に抑えた解説。具体的かつ細かい指示内容、詳細な新人賞解説、原稿を掲せた推敲実例提示の多用、ドリル形式の実力アップ講座など、従来の「作家志望者」より更なる初心者に向けた一冊。内容はオーソドックスで特にあげるほどのものはない。
萌え本的意義:  成美堂出版発行の萌え本としては2冊目で、『ライトノベルを書きたい人の本』の新版(詳細については後述)とされている。
ラノベ関連の萌え本としては、
 『 ボーイズラブ小説の書き方(「萌え」の伝え方、教えます。) 』(白泉社刊、04/08)、
 『マンガを読んで小説家になろう!』(アスペクト刊、07/03)、
 『ライトノベルを書こう! (宝島SUGOI文庫) 』(宝島社刊、09/07)、
 『エロ萌え☆テクニック~はぁはぁテキストのお作法~ 』(双葉社刊、11/03)、
 『ラノベの教科書 』(三才ブックス刊、12/11) 、
 『マンガでわかる小説家入門 』(アスペクト刊、12/12)などがあげられる。
一方でイラストカバーが重要なラノベ関連書籍においては、カバーのみ萌え絵という
「なんちゃって萌え本」の発生率も高く、当館で把握されているだけでも、
  『冲方式ストーリー創作塾』(宝島社刊、 05/06)、
  『物語工学論』(角川学芸出版、09/08)、
  『キャラクター設計教室』(秀和システム刊、 09/08)、
  『ライトノベルの書き方 キャラクターを立てるための設定・シーン・ストーリーの秘訣』
                   (ソフトバンククリエイティブ刊、 11/11)、
  『新装版 冲方丁のライトノベルの書き方講座』(宝島社刊、11/11)、
  『すごいライトノベルが書ける本 ~これで万全! 創作テクニック』(総合科学出版刊、 11/07)、
  『目指せ! ライトノベル作家超(スーパー)ガイド』(トランスワールドジャパン刊、 12/10)、
  『西谷史先生の ライトノベルの書き方の教科書(I~III)』(秀和システム刊、13/02)
など、枚挙(れっきょ)に暇(いとま)がない。


総合萌え度 :★★★☆☆


紹介ブログ記事:
カバーイラスト担当、NOCOさんのブログ:
Adamas
http://nococon.blog.fc2.com/

監修、斎藤ゆうすけさんのTwitter
斎藤ゆうすけ @saito_you
https://twitter.com/saito_you
執筆担当の一人 蒼之スギウラ @NOMmk10さんの本書言及に関するRetweetあり。
https://twitter.com/NOMmk10/status/303533029689806852


成美堂出版紹介ページ
趣味・娯楽 >カルチャー・芸術・趣味 >俳句・詩・ことば 内に、
ほぼ基本情報のみ。目次の抄録あり。


Amazon.co.jp         の紹介頁
オンライン書店bk1(honto)紹介頁
楽天ブックス          の紹介頁
セブンネットショッピング   の紹介頁
紀伊国屋書店BOOK WEB紹介頁


付記:
Amazon、公式サイト上の発売日は02月12日、hontoの取り扱い開始日は13日、紀伊国屋の発売日は25日。
02月19日、郊外型書店の店頭にて購入。
ネット上では、本書のタイトルは『新・ライトノベルを書きたい人の本』と表記されている場合が多い。
2008年09月発行の『ライトノベルを書きたい人の本』の新版、と位置づけされているが、内容は全く別物。そもそも著者からして榎本秋さん(著)からライトノベル製作クラブ(編)に代わっている。


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