『イカになあれ』
真珠まりこ著、講談社、2014年
海の中にある「イカになあれ」という鏡。その前に立って「イカになあれ」と唱えれば、人間はイカに姿を変え、イカの国へと入っていくことができる。そうやってイカに姿を変えたたくさんの人びとは、イカの王様のお出迎えを受け、イカの世界をめいっぱい楽しむ•••。
この「わしだって絵本を読む」と称する絵本の紹介コーナーに、過去2回ご登場いただいている真珠まりこさんの作品であります。
人間がイカに姿を変える、という奇想天外な発想のもと、イカの生態が奔放かつユーモラスなタッチで描かれていきます。自由に泳ぐ速度を変えたり、空を飛んだり、ぴかぴか光ったり、色が変化したり。イカという生き物の面白い生態を、楽しみながらよく理解することができます。
なにより、描かれているイカ一杯一杯(あ、「杯」っていうのはイカの数え方であります。念のため)の個性豊かなこと。もとになった人間の格好に合わせて、体の模様やカタチがそれぞれ違うというあたり、なかなか芸が細かくて面白かったですね。
そんな中でも存在感たっぷりなのが、イカの王様。1ページまるまる使ってどどーんと描かれたその姿は、迫力とともに愛嬌たっぷりでなかなかいいのであります。
海に親しむことが増えるであろうこれからの時期、その海に生きるイカたちにも親しみが湧いてくる楽しい絵本であります。
「わしだって絵本を読む」過去記事
【わしだって絵本を読む】『まゆげちゃん』 まゆげが作り出す表情の豊かさを楽しめる絵本
【わしだって絵本を読む】『きのこ ふわり胞子の舞』 きのこの不思議さと面白さを美しい写真で伝える
【わしだって絵本を読む】『そのこ』 遠い国の悲しい現実を、読むものの身近へと引き寄せてくれる絵本
【わしだって絵本を読む】『ルリユールおじさん』 受け継いでいくことの大切さを伝える絵本
【わしだって絵本を読む】『なないろどうわ』 気持ちをほっとさせる、色の魅力と暖かなお話のハーモニー
大胆な絵柄と楽しい雰囲気に思わず顔がほころびました。
わたしがイカになったら どんな風に描かれるのかなぁと想像してみましたが、かなづちのわたしには海の中に入るのはきっと恐る恐る・・・でも楽しいだろうなと。
新しい絵本を知るのはすごく嬉しいし 楽しいです。
ご紹介してくださってありがとうございます♪
実は、真珠さんのことは割と最近になって知ったのですが、けっこう楽しい作品を描かれる方ですよね。でも、『もったいないばあさん』のほうはまだ未読なので、そちらも読んでみたいですね。
ここ1年ほど、Facebookで親しくさせていただいている方々の影響もあって、時々絵本を読んだりしているのですが、面白くいい作品も多くて、楽しいですね。
これからも、いろいろといい絵本に出会うべく、読み続けていこうかなと思います。
・・・ちなみに、わたくしもカナヅチであります(笑)。