読んで、観て、呑む。 ~閑古堂雑記~

宮崎の某書店に勤める閑古堂が、本と雑誌、映画やドキュメンタリー、お酒の話などを、つらつらと綴ってまいります。

【わしだって絵本を読む】『イカになあれ』 奇想天外な発想と、愉快な絵の取り合わせが楽しい絵本

2014-06-10 22:34:44 | 本のお噂

『イカになあれ』
真珠まりこ著、講談社、2014年


海の中にある「イカになあれ」という鏡。その前に立って「イカになあれ」と唱えれば、人間はイカに姿を変え、イカの国へと入っていくことができる。そうやってイカに姿を変えたたくさんの人びとは、イカの王様のお出迎えを受け、イカの世界をめいっぱい楽しむ•••。

この「わしだって絵本を読む」と称する絵本の紹介コーナーに、過去2回ご登場いただいている真珠まりこさんの作品であります。
人間がイカに姿を変える、という奇想天外な発想のもと、イカの生態が奔放かつユーモラスなタッチで描かれていきます。自由に泳ぐ速度を変えたり、空を飛んだり、ぴかぴか光ったり、色が変化したり。イカという生き物の面白い生態を、楽しみながらよく理解することができます。
なにより、描かれているイカ一杯一杯(あ、「杯」っていうのはイカの数え方であります。念のため)の個性豊かなこと。もとになった人間の格好に合わせて、体の模様やカタチがそれぞれ違うというあたり、なかなか芸が細かくて面白かったですね。
そんな中でも存在感たっぷりなのが、イカの王様。1ページまるまる使ってどどーんと描かれたその姿は、迫力とともに愛嬌たっぷりでなかなかいいのであります。

海に親しむことが増えるであろうこれからの時期、その海に生きるイカたちにも親しみが湧いてくる楽しい絵本であります。


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2 コメント

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本届きました♪ (けい)
2014-06-21 14:18:52
この記事を読んで すごく読みたくなって、早速注文していました。さきほどamazonから到着!「もったいないばあさん」の作者さんだったんですね!
大胆な絵柄と楽しい雰囲気に思わず顔がほころびました。
わたしがイカになったら どんな風に描かれるのかなぁと想像してみましたが、かなづちのわたしには海の中に入るのはきっと恐る恐る・・・でも楽しいだろうなと。
新しい絵本を知るのはすごく嬉しいし 楽しいです。
ご紹介してくださってありがとうございます♪
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Re:お読みになってくださって、ありがとうございます (miyazaki8007kankodo)
2014-06-23 07:37:23
・・・と、作者でもないのに、なんか嬉しい気分です。
実は、真珠さんのことは割と最近になって知ったのですが、けっこう楽しい作品を描かれる方ですよね。でも、『もったいないばあさん』のほうはまだ未読なので、そちらも読んでみたいですね。
ここ1年ほど、Facebookで親しくさせていただいている方々の影響もあって、時々絵本を読んだりしているのですが、面白くいい作品も多くて、楽しいですね。
これからも、いろいろといい絵本に出会うべく、読み続けていこうかなと思います。

・・・ちなみに、わたくしもカナヅチであります(笑)。
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