不吉な記憶 猪澤 也寸志

台風が内地付近にある時の方が
波が高いような気がする。

波の周期が長くなりパワーが増すのだろうか？
一度じっくり調べてみたいものだ。

本日は、台風13号の余波で波が高かったので
ライジャケ着用およびエリア限定で
遊泳をお願いすることにした。

午後は満ち潮に伴って更に波が高くなり
流れが複雑かつ強くなって来た。

‥要注意だ。

エリア付近で全員がライジャケ着用で遊泳していた時、
元祖管理人と親し気に話していたシニアカップル２組が
ライジャケ未着用で流れの速い北側の海に入ろうとしていた。

‥嫌な予感がした。

エリア遵守とライジャケ着用をお願いしたら
「毎年、吉野には来ているから海は分かっている‥」
あの不吉な記憶が蘇った。

かの女性もビーチ業者の知り合いだった。
昔から吉野に通っていることを自負する方々は
どうも傲慢な方が少なくないように思えて来た。

彼らは「昔の吉野は‥」と口を揃える。
餌付けも自由、立ち泳ぎでサンゴを蹴るのも自由、
目立ってサンゴ礁に乗らなければ何でも出来た。

もちろんライジャケなど不要、遊泳エリアも自由。
それでも無事故だったじゃないか‥と言いたげに。

‥吉野海岸に一日数十人しか来なかった時と
　千名に迫る勢いで来る今とでは
　環境負荷も事故確率も桁外れに違う。

また、駐車場やレンタル業者、
そして、ビーチに設置されたパラソルを嫌う。

‥観光レンンタカーが坂道に数珠つなぎに駐車され、
　地元の方々が吉野海岸に通えなくなったのが
　観光駐車場設置のいきさつのようだが‥。

‥観光客の持参する装備では環境も安全も守れない。
　その意味ではレンタル業者は不可欠では‥。

‥業者パラソルを一掃したとしても
　観光客が百本近いパラソルを持参するのでは‥。

灼熱の太陽が照りつける何も無い真っ白な砂浜
颯爽と現れた仙人に招かれアダンの木陰へ。

‥ビーチにおいて日陰は最高のオアシス。
　灼熱のビーチとアジトの日陰、
　この日向と日陰の対極こそが
　鮮烈な想い出の源泉では‥。

何も無い吉野海岸に訪れたとき
私も何気にアジトに足を向け、
その木陰でアクセサリーつくりを
習ったことがあります。

‥ビーチにパラソルの日陰がある時、
　涼を求めてアジトに足を向ける必要性は‥。