宮古島から始まるスローな革命

宮古島発スローライフのお役立ち情報

CSRの真髄(11)

2005-01-31 23:50:50 | 宮古島


木内孝氏の言(抜粋)

[倹約・健康・謙虚]

「節約」からどういう行動をするか。
やっぱり行動しなくちゃいけません。
もっとも大切なことは行動すること。
もう議論している場合ではない。

行動の目標は、
人も羨むようなきれいな暮らしやすい生活の国をつくることです。
そして何かものごとをやるときには、
これは環境にいいかな、悪いかなということを
まず考えてから手を打つということにしたいと思います。

私は、昭和10年生れの67才です。
自分に課してあるキーワードが3つがあります。

まず倹約。次は健康。それから謙虚。

この倹約で健康で謙虚であるという「3ケン」を
自分に課しているキーワードにしています。

それからいつでも思い出すのは、
私の小学校の校訓、正直・親切・勤勉です。

正直・親切・勤勉。
これは森村市左衛門さんがおっしゃったことです。

60年ぐらいたちましたが、
いまだにその校訓が書いてある文鎮をちゃんと
持っていて自分の机の上に置いてあります。

ところが企業ではなんと言うか。
大抵は正直であれとは言う。
勤勉、ハードワークであれとも言う。

しかし、だれも親切なんて言わない。
技術が鍵だとか、技術を社訓に入れます。
そうすると、正直・勤勉・技術、
それと正直・親切・勤勉、この差は親切と技術ですね。

じゃあ、親切と技術のどっちが大事か。
それは技術が大事じゃないとは言いませんが、
今の日本に必要なのは断然親切心です。

人に対して、動物に対して、植物に対して、地球に対して。
親切心がこれほどなくなっちゃった日本、
これを何とかしなくちゃいけないというのが私の持っている問題意識です。

ということで長々と1時間半ぐらいお話ししたんだけれども、
あと30分ございますので、
皆様のご批判、コメント、それから皆様のお考えを
聞かせていただいて次の運動の糧にしたいと思いますので、
よろしくお願いします。どうもご清聴ありがとうございました。

CSRの真髄(10)

2005-01-30 21:03:52 | 宮古島


木内孝氏の言(抜粋)

[原則として地球環境にいいか悪いかをまず考える国民(提案)]

先ほど、原則のない政治が
人間の犯す7つの罪の1つだということを
ガンジーさんが言ったと申し上げましたが、

今、私たちにもしもプリンシプルを問うんでしたら、
1億2,600万の日本人というのは何かをしようと思うとき、
いいか悪いかを決めるとき、
とにかく一度は地球環境にいいか悪いかをまず考える、
そういう国民になれないかなあと思います。

何かをするときに、やるやらないは別として、まずそれを考える。
例えば、愛知万博を計画するときに、
これは地球環境にいいか悪いかをまず考える。

必ずしもそのとおりやれとは言いません。
しかし、一度はそれを考える国民だというふうになれたら国も変わるし、
日本人のイメージが大きく変わると思います。

あの愛知万博を考えるときに何人かの関係者に言いました。お願いだから、愛知万博が 
終わって3年たったらここで君たちと会おうね。
そして、あれをやってよかったなあと、
一緒に快哉を叫ぶようなやつをやって下さいねと。

今みたいにアクア・ラインにしろ四国への 3 つの橋にしろ、
全部できちゃって暫くして問題が出て来る頃には
その責任者は雲散霧消していないんですからヒドイ。

あなたたちは逃げちゃだめです、
そのときに言ったことは先ほど申し上げた、
人もうらやむような美しい、住みよい、
暮らしよい国・日本を創りましょうね。

それから何かをするときには、
これは地球環境にいいか悪いかをまず考えようね。

なぜそれを考えなくてはいけないかというと、
これこれこういう状態で私たちは地球と言う惑星の限界に
突き当たっちゃったんだよということをよく認識して欲しい。

くだらない大きな建造物なんかつくっちゃだめですよということです。
涙を流さんばかりに頼みました。
ですから、原則は、地球環境にいいか悪いかをまず考えることです。

そういえば、このごろあそこの国はきれいになったねと
海外で評判になります。日本の発言力が出て来ます。

今は、何を言ったって迫力がありません。
何を言ったって笑われるだけです。

自分の台所、自分の裏庭、日本一の山・富士山を
きれいにしてこいというのが発言力を増す前提です。

日本中の実に多くの所で自分のコミュニティ、
自分の町の中にある小さな丘とか小さな 
山をきれいにして、それを誇りに思っています。

とてもよいことです。
それを日本の国の規模でやりましょうというのが、
愛知万博の当局にお願いしていることです。

もしも1億2,600万人の日本人が
みんな総力を挙げて富士山をきれいにするという運動をやったら、
これは世界の関心を引きます。

知多半島の常滑の先に大きな橋をつくって飛行場をつくったり、
静岡のきれいなところを壊して飛行場をつくったりしてはいけません。

橋や飛行場が必要じゃなくて仕事が欲しい、
工事が欲しいからやる訳ですね。そ
れでは私たちの後に来る次の世代がたまりません。

もう1つ申し上げたい。
この間台湾へ行きましたら言われました。
なぜ日本から台湾の地震の被災者を助けにきてくれた人は、
背中にあんなに大きくJAPANと書いてあるんですか、
とこう聞かれたら何と答えます?

災害地へレスキュー部隊で行くのは結構。
そこで一生懸命救援活動をやっていたら、
だれかが来てあなたはどこからいらっしたのと聞かれる。

そうしたら静かに、実は日本から来ているんですよと応える。
これが人間です。

どうも日本からのレスキュー部隊は実際のお手伝いをするより、
日本から来たということをみんなに知らせることのほうが大事みたいです。
情けない。恥ずかしいですね。

9月11日のあの事件が起きたときだって、
日本人の関心というのは何人の日本人が行方不明になったかということと、
経済的なインパクトは何かということだけみたいです。

ほかに何も興味がない人たちが、
環境問題なんかを世界の舞台で論じられません。
基本ができてないんだから。

ぜひこの会ではそういうことを正していただきたいと思います。
それからもう1つ、
政府とか企業というのはとにかく短期思考だとお思いになりませんか。

政府も企業もことし、来年、せいぜい3年後しか考えない。
それにくらべ個人やNPOは長期思考ですよ。

それで最後に申し上げたいのは、
この日本を立て直すキーワードは「節約」ではないかと考えることです。

倹約と言うとちょっと語弊があるので、
「節約」と言いましょう。

これをだれも言わない。
票にならないからでしょう。日本を立て直すのは「節約」です。
みんなをキリッとさせる言葉です。

規律が生れます。
だれが「節約」と言い出すか、楽しみにしてます。

CSRの真髄(9)

2005-01-29 23:58:54 | 宮古島


木内孝氏の言(抜粋)

[消費者ではなく生活者]

もう一つ、ぜひ皆さんに賛成していただきたいのは、
国民を消費者と呼ぶのはやめたいですね。

消費をするというのは、我々の全暮らしの中の一部分です。
生活者と呼ぶようにしましょう。
これからは生活者の声を大事にする。
いつでも生産者から始まって何か上から下におりて来るような
発想があるのを変えたいと思います。

先ほど、あらゆる国家戦略の基本ユニットは
ハウスホルダー、家族・家庭だということを
言っている国があると申しましたが、
日本もそのようにしたいですね。

生活者の声、生活者の希望、そこから物事を考える。
経済大国の次に何をつくるかといったら、
暮らしの国を、生活の国をつくろうと言う。

「人もうらやむようなきれいな暮らしよい国、日本」、
これをつくろうというのが私のビジョンの中身です。

[国造りの理念]

マレーシアのマハティールさんが20年前に、
自分はマレーシアをこういう国にしたいと3つのことを言いました。

初めは、まじめによく働く人たちが生活に不自由をしない国にしたい。
いいと思いますね。

2つ目が、性道徳。今の男女の性的関係は、
こんなことを続けていると人類が滅びる。

性道徳が守られる社会にしたい。

最後の3つ目は、お年寄りが大切にされる社会にしたい。

これが自分の国家づくりの3つの柱だと言いました。賛成です。

もう1つ良いことだなと憶えておりますのは、
リー・クアン・ユーさんがその前に、
シンガポールの建国の際の理想といって、
シンガポールはニュースにならない国になりたいと言いました。
いいと思いますね。

ニュースにならない国をつくろうというのは、実に深いと思います。

日本にはもうけを大きくしよう、
経済大国をつくろうというのがあったかもしれませんが、
こういう国にした、こういう国づくりをしようと言う
国創りの目標がないのが困ったことです。

CSRの真髄(8)

2005-01-28 20:05:50 | 宮古島


木内孝氏の言(抜粋)

[女性が日本を救う]

『メガトレンド』で800万冊売ったという
ジョン・ネスビッツさんが来てくれたので、30人程集まって、
日比谷の松本楼でお弁当を食べながら議論をしました。

ネスビッツさんはふだん講演料が
100万円とか150万円いる人です。
冗談じゃない。Give andTake の Two way street なんだ、
あなたも得るところがあるんですよ。
お金なんか払えない。
しかし、我々と3時間一緒に議論しようよと言って来てもらいました。

彼の言った一つのメッセージは、もしも日本を救うものがあったら、
それは「女性」と「地方」だと言うんですね。

日本は半分のタレント、半分の能力でここまで来た。
あとの半分は全く使ってないんだ。そうでしょう。
男だけが今日の日本を作り上げて来た訳でしょう。
この閉塞状態に窓を開けるのは女性の力と
中央から離れた地方だとネスビッツさんは言いました。

何で私たちにはこんなに国家とか国益とか国家目標というのが
ないんでしょうね。

例えば指導者というのはビジョンを持たなくちゃいけないと、
みなさんおっしゃいますが、
どなたもビジョンの中身を言ってくれないんです。
どうしてでしょうか。何が原因でしょうか。

ぜひこのグループで、私たちの国家づくりあるいは
コミュニティづくりのビジョンはこういうことだ、
中身はこれなんだということを
朗々と掲げていただきたいと思います。

それにしても、その前にやらなくちゃいけないのは、
例えば英国だったら大蔵省の中に
Public Spending Review という部門があります。

アメリカには財務省の中に国家予算局というのがあります。
そこへはメディアの人も行く、学生も行く、学者も行く。
そして、いかに我々の税金あるいは国家予算が使われているかが
しょっちゅう話題になります。

私たちはそれをしないから困ります。
Untaught people だから、そういうところへ行こうともしないし、
会計検査院は遠い所にあるようにしています。

自分達が支払った税金がどのように使われているかを知れば、
天下り先の膨大な組織やODAの使われ方がたちまち話題になります。

『エコノミスト』誌の論文が言っているのは、
10年後、20年後、30年後の歴史家は
今の日本をソ連、メキシコ、イタリアの次に位置づけるだろうと。

あの一党支配時代のソ連、今から3∼4年前までのメキシコ、
あるいは1990年、そのころまでのイタリア、
これらがまさに今の日本みたいな状態の国だったと言うんです。

こう言われた時、それは違うと否定できないですよね。
こんなに情けない状態になっている日本に住んでいる私たちとしては・・・・・・。

その論文の結論は、「The status quo」、
今の現状というのは、「is a recipe for failure」
と言っているんです。

レシピは処方箋、調理法です。
recipe for failure、まさに国が滅びる調理法そのものを
いっているのが今の日本だと結論づけています。

それに対して日本のメディアは全く無反応なのは何故でしょうか。
じゃあ、どうするのかといったときに思い出すのは、
マーガレット・ミードさんです。

マーガレット・ミードさんは1901年に生まれた人類学者です。
大体こういう立派なことを言うのは
どうも女性のほうが多いような気がします。

マーガレット・ミードさんは言いました。
「考えに考え抜いた、悩みに悩み抜いた献身的な市民の
小さなグループが世の中を変えるんだ」と。
これは有名な言葉です。

サンフランシスコのあるレストランへ行きますと、
レストランの壁にバーンとこの言葉が書いてあります。

そこにできるだけ多くの人を連れていってくれと言うことで、
随分そこへみなさん行きます。
NPOやNGOの人達が元気づけて貰いに行きます。

[現状にノーを言う地方]

『エコノミスト』誌の論文には、
現状にノーと言う地方が出てきた、
これが大事だと書いてあります。

そのノーというのは、先ほど申し上げた
官僚、自民党、中央集権、環境破壊、
そういうものに対してノーと言うことです。

それは御存じのとおり三重県であり、滋賀県であり、
長野はちょっとわからないですが、
鳥取だとか秋田とか岩手とか高知・千葉
そして東京、そういうところです。

CSRの真髄(7)

2005-01-27 19:00:28 | 宮古島


木内孝氏の言(抜粋)

[6年8ヶ月の占領で骨抜きにされた日本]

国にとって大切なことは3つあると言います。
1つは言葉です。
もう1つは歴史です、伝統です。
3つ目は価値観というか何が大事かという、この3つです。

この日本国にとって最も大切な3つのことが
昭和20年8月からの6年8カ月の占領で
滅茶苦茶になったと思います。
そのときに日本は骨抜きにされたんです。

占領軍は骨抜きにしようと思ったに違いない。
その6年8カ月の占領期間中に何が行われたか。
漢字の制限。新仮名遣い。
要するに、過去がわからない日本人にしたんです。

一つの例を挙げてみます。
明治23年に出た教育勅語を読んでみろと
若者に言っても読めないのです。
たった110年前のものが読めない。
大正時代の文章だって大変読みにくいのです。
そういうふうになっちゃったんだから、我々は。
これが一番の問題だと思います。

100年前の文章が読めない先進国の国民なんて、日本ぐらいです。
これを直さないと新しい国創りの議論に迫力が出ない。
根なし草ですから魂をゆさぶることが出来ません。

2つ目は歴史。だれが東洋史をなくしたんですか。
隣の国、韓国、北朝鮮、台湾、中国との関係について
知識が不足してます。
欧米にばかり関心があるからです。

1830年、天保元年からことしまでの170年間、
この歴史を勉強しなくてはいけません。

渋沢栄一さんという方が生まれたのは1840年です。
あの人は非常に長生きして1931年、
昭和6年ごろまで生きておられました。

その1840年からの歴史、
65歳以下の方は、どのぐらい知ってられますか?
1830年に吉田松陰が生まれました。
黒船が来て6年後に死刑に処せられた。

じゃあ、わずか29年の間に何が起こったか、
何をしたんだと65歳以下の人たちに尋ねても埒が明きません。

この間も大阪の適塾へ行って、
昔の雰囲気を少しは感じようと思って数時間いました。 
あそこで出てくるいろいろなこと。
ちゃんと自分の知識の体系があって、
その中に、これはこういうことだとバッと入れなくちゃ
自分の生きた知識にならないと思いますが、
そういうのがみんなだめになっちゃったわけです。
困ったことです。

日本の歴史は、
日本史なんて言わないで国史と言ってほしいです。

国史で現代の日本がどうやってできたかを学ばないと、
何を言ったって説得力がありません。

サッチャーさんの自伝を読んでごらんなさい。
彼女は、自分がティーンエージャーになるかならないかのときから、
大学を卒業するまでに既に政治家になろうと決心し、
どうやって歴史を勉強し、どうやって自分のロジックを積み重ね、
どうやって人をこっぱみじんに論破するかという
ことで自分の人格をつくっていったかが書かれてます。

日本人は議論をしないんだから。
酒を飲んで議論をする気持ちになると
歌かなんかを歌ってしまってごまかしてしまう。
歌なんか歌っている暇はないんです。

どうも占領軍の占領政策には、
3S主義というのがあったらしいんです。
今それを明らかにしようと思っています。

スポーツとセックスとスクリーンで
日本を骨なしにしようという政策です。

これはアメリカ人でも言う人がいます。
ワシントンのコングレス・ライブラリーと
日本で資料を集めたいですね。

古いといったって57年前の話で強い意志さえあれば、
そんなに難しい仕事ではありません。

経済至上主義。あの国民はほうっておくと危険だから、
とにかく金もうけにだけ一生懸命になるような、
そういう社会にすれば問題ないんだという考えがあったに違いないです。

経済至上主義。金さえもうければいい。
ほかにもっと大事なことがあるじゃないかと思いますが、
そういうものにちっとも頭が回らない
日本国民になってしまったわけです。

それで先ほどの「何が日本を苦しめているか」という
論文ではっきり言ってます。

今、環境問題に必死に対応しようと思ったって
なぜ進まないかと言いますと、
この問題があるからです。

鉄の3人組と呼んでます。
英国のオピニオン・リーダーたちは
日本では鉄の3人組、悪の3人組が
日本を取仕切っているから動かないと言ってます。

官僚・自民党・大企業です。
この3人組が既得権益を守り通す限り、日本に新しい動きが生れません。
堕落、People 退廃、汚職、既得権益、談合、
メディアも切り込んで行きませんし、
Untaughtの国民もあっけらかんとしています。

CSRの真髄(6)

2005-01-26 18:25:51 | 宮古島


木内孝氏の言(抜粋)

少なくともさっき申した6つの間違いに対しては、
正して行く努力をしたいと考えます。

第一は、とにかくもう要らない、これで十分なんだということです。
経済学は、人間の安っぽい欲望、
これをどうやって抑えるかということを教えて欲しい。

地球の限界を知ったのだから、
人間の欲望を最大限に成就することを考えるより、
どうやってこの安っぽい、チープな欲望を抑えるか、
コントロールするか、その経済学が必要です。

確かにセン教授とか、
成長より大事なことがあると少しずつ言い出して来ている学者が
おられるのは有難いことです。

[ガンジーの「人間の7つの罪」]

第二は、日本国に、日本国民に、
愛国心、人間愛、そういうものを呼び起こさなくてはいけないと言う課題です。

インドのマハトマ・ガンジーは、
人間というのは黙っていると7つの罪を犯すと喝破してます。

この7つの罪はまさに私たちにあてはまります。

一つ、原則なき政治。

二つ、道徳なき商業。道徳なき産業。
ガンジーは商業、コマースと言ってます。

三つ、人格なき教育。どうやって人格を育てるのですか。
そういう教育がない。

四つ、人間性なき科学。

五つ、労働なき、ハードワークなき富。

六つ、良心なき遊び。良心なき快楽。

七つ、犠牲なき信仰。

この7つを言いました。

これを高らかに日本で言って、
まさにそれが私たちじゃないかと言い、
日本人の猛反省のキッカケにしたいですね。

さきほどの6つの間違いに話を戻しましょう。

第三は自然のシステム。
さっき、母なる システムと申し上げましたが、
これがメイン・システム、
地球環境は壊すことはできても
つくることはできないことをはっきり認識しましょう。

自然のシステムがメインのシステムで、
私たちの社会とか経済というのはサブのシステムなんだということをよく考えて、
もっと謙虚な気持ちで自然から学ぶことをしなくちゃいけない。

第四は、産業革命以来、地球環境に大変なツケをつくってしまった。
このツケをどうや って返すかという努力をしなくてはいけない。

ある学者のグループが、
世界の198カ国のG.D.P.を全部合計すると28兆ドルだと。
これは1998年の数字です。

この28兆ドルを別に置いておいて、全然それに関係なく、そのほかに
地球環境にツケている負担というのは33兆ドルだという計算があります。
それほど多くの負担を地球環境に残して我々の孫子の時代に先送りしている。
これを返す深刻な努力をしなくてはいけない。

第五は、G.D.P.という指標の問題です。
そんな工業力を比較する尺度ではなくて、
私 たちの生活に結びついた、
人生にとってほんとうに大切なことに結びついた尺度で
私たちの活動を測らなくちゃいけない。

文化、伝統、家族、社会正義、倫理、いろいろあります
そういうものと結びついた尺度が必要です。

そして最後の第六は、Untaught people の
1票の多数決でものごとが決まって、
それが法律になるようなことではなくて、
地球環境と生命と将来の世代を守る、
そういう3つのテーマが一番大事だと考える
常識の水準が高い人たちの意見で
世の中を動かす仕組みをつくらなければならないと考えます。

また英国の『エコノミスト』誌で恐縮ですが、
『エコノミスト』誌の4月20日号に 
「何が日本を苦しめているか」という特集があります。

これは必読の論文です。
「何が日本を苦しめているか」。
苦しめるというのはailという言葉を使っています。

「Whatils Japan」という14ページの特集です。
「何が日本を苦しめているか」。
外国の人が言って日本人が言わない。
これはゆゆしき問題です。

メディアはコマーシャリズムだからそういうことを書かないし、
言わないし、見せないです。
これを直していかなくてはいけないと思います。

CSRの真髄(5)

2005-01-25 20:00:59 | 宮古島


木内孝氏の言(抜粋)

[6つの間違い]

今いろいろな機会があって日本から何かを発信するときに、
私たちは少なくとも6つの間違いを起こしていると
思うというのが導入部分です。

何が6つかと申しますと、

1つ目はとにかく成長しろ、大きくなれ、拡大しろ、
欲しがれ、使え、つくれ、稼げ、競争して相手を倒せ、
使い果たせ、捨てろ、消費は美徳、
この考えは正しくないと言うことです。

アメリカのエネルギー庁の年次総会に呼ばれて、
「足るを知る」というテーマで40分 講演をしたことがあります。

そうしたら終わった時、
アメリカのご婦人が6人壇上に来て抱きついてくれました。

そうなんだ。自分のところの政府があなたのところの政府に
消費水準を上げろとか何とか言っているのは間違いなんだ。

少なくともアメリカにも「足るを知る」ことが大切と
思っている私たちがいるということを、あなたは知ってね、
日本へ帰ったらそれを伝えてねといって、
私に抱きついてくれたおばさんたちがいたんです。

カルチュラル・クリエイティブスです。
全く大きなお世話ですよ、他人の国の消費水準を上げろとか何か言うのは。
私たちは年2%位のデフレで結構。デフレの話は後で致しますが、
消費は美徳じゃないということをまず知る必要があります。
2つ目はどうしてこんなに自分だけよければいいという社会を
つくっちゃったんでしょうか。

お金と物にどうしてこんなにどん欲な日本人になっちゃったんですか。
これを直さなくちゃいけないというのが2つ目。

3つ目は、この地球環境というのは母なるメイン・システムなんだ。
メイン・システム を私たちは壊すことはできても、
つくることはできないんだということをよく考えたい。

経済とか社会はサブ・システムです。

4つ目は値段。
ガソリンが1リットル105円なんてとんでもない価格です。

ほんとうは480円ぐらい払うべきものなんです。
ダイレクト・コストだけを払って、
後のコストは全部次の世代にツケにしている、
これを直さなくちゃいけない。

これはメアリー大学の研究グループが計算したんですが、
今の4.5倍くらい払わなくちゃ、
ガソリンのほんとうのコストというのは償われない。
みんな地球環境へのツケにして先送りしているんです。

5つ目はG.D.P.です。G.D.P.ほど人を迷わすものはないです。
2%上がったらみん なハッピーなんてとんでもない。

私たちの生活とか、幸せに関係ないとお思いになりませんか。
教育の質とか安全性とか。
一体G.D.P.って何なんでしょう。

サイモン・クズネッツさんが1937年だか38年だかに、
アメリカの工業力とドイツの工業力を比較するためにつくった尺度です。
そんなもので今の我々の生活とか経済とかを測られちゃたまらない。
しかも、犯罪とか事故とか訴訟の費用とか、
嫌な話が全部G.D.P.の中に入っているんです。

ロバート・ケネディさんが、
人生にとって大切なものはG.D.P.に何も入ってないんだ。 
すばらしい結婚だとか連帯感だとか、
裁判所で正しい裁判が行われるとか、
子供の健康、教育の質、きれいな工場、ゴミのない町等々
何項目も挙げて演説をしたのがもう40年前。

それなのにちっともG.D.P.に代わる新しい尺度を
紹介しようという努力をしないから怒っている訳です。

私どもはジェニュイン・プログレス・インディケーター(G.P.I.)
というのをちゃんと計算して、
少なくともG.D.P.と併用しましょうという提案をしてます。

それから最後の6つ目は、ウィストン・チャーチルじゃないですが、
今の多数が賛成す れば法律になるという、
この制度を変えなくちゃいけないと思うことです。

何故なら我々日本人は people だからです。 
Untaughtこれはどうしても日本の新聞は書いてくれない言葉です。
1億2,600万の日本人はこう言われているんです。
Untaught people、
知らない、知らされてない、知ろうとしない国民と言うことです。

3年前の8月の英国の『エコノミスト』誌を見て下さい。
1億2,600万の日本人は
Untaught people なんだとハッキリ書いてあります。

日本は学校よりもメディアが問題だと、私は深刻にそう思います。
メディアが知らせないんだから。
日本はメディアを直さない限り Untaught people のままです。

何が人間にとって可能なのか、
ほかの国ではどうなっているんだと言うことを知らされていない。

例えばヨーロッパのある国では、
ちゃんと選挙で投票しなかったら市民権が維持できないんです。
パスポートがもらえないんです。
そういう国でありたいと思います。

投票しなかったらパスポートはもらえないという、
そういう国があるということも知らせてくれない。
そういうことだらけです。

日本が今のままどんどん国債を発行していって、
どんどん借金を増やしていってどうなるか。
国が破産するというのはどういうことかと尋ねて
即座に答えられない人が多い。

トルコとアルゼンチン、次は日本だと言います。
日本が破産したら、じゃあ、どういう状態になるんだと、
みんな知らないんです。

無責任に自分は世界一の借金王だなんて言って、
ハハハなんて笑っていられる首相がいるんです。

とんでもない話です。
あのときに若者が立ち上がって学生運動を起こして、敢然と闘わなくちゃ。

だれも何も言わないこの日本、
どうなっているんでしょう。

CSRの真髄(4)

2005-01-24 23:59:51 | 宮古島


木内孝氏の言(抜粋)

[3つのチャレンジ]

私たち、今、平成14年に日本で生きているこのジェネレーション、
あるいは世界で生きているジェネレーションというのは
今までにないチャレンジを受けている。

これを3つのチャレンジだと名付けましょう。

その1つは、次のジェネレーション、
自分の子供や孫は、必ずしも今よりも豊かにならないと
感じている初めての世代だということです。

私の祖父母だとか両親なんかを考えてみて、
あなたたちのときにはこういうふうにいいことになるよ、
とにかく自分たちよりも自分の子供や孫は
より豊かな生活ができると信じて疑わなかったのが今までだと思います。

ところが、初めて私たちは、そうじゃないんだ、
とんでもないことになるかもしれないよという危惧の念を抱いてます。

第2番目は、私たちが地球の限界というものを実際に実感した
初めての世代だと言うことです。

それは、2年前にロシアの砕氷船に乗って
ハーバードの科学者が8月に北極へ行ったら、
北極が海だったという話とか、

あるいはニュージーランドへ12月の真夏に行って
半袖のこういう格好でクライスト・チャーチとか
南の島の南の方を歩いていますと、
7分間でやけどをする話。

それは8年前、10年前には考えられなかったことだそうです。
それはタスマニアに行こうと、
チリやアルゼンチンの南端へ行こうが同じです。

グリーランドへぜひ行っていただきたい。
ここで写真をこの向きで撮ってねというところがあるんです。
それは、そのように撮った8年前は
こうでしたよという写真がそこにあるからです。

その違い。よく南極が話題になります。
雪で覆われていた、氷で覆われていたのに、
今は石ころがごろごろしているという写真を
この間もテレビでやっていましたけど、
そういうことだらけなんですね。

それはぞっとしますよ。
みなさんは中国にもいらっしゃるだろうと思いますが、
黄砂の影響で北京のビルの窓に黄色のセロファンが
張ってあるんじゃないかと思うような状態の日が何日もある。

飛行場も何日か閉まりますよ。
この間、韓国で幼稚園と小学校が1日休校したという日もありましたが、
そういうことがたくさんあって、
それを広くみなさんに知らさないといけないと思います。

それが地球の限界を感じるということです。

3つ目は、未来というのはきのうの続きがきょうで、
きょうの続きがあしたというふうに、
ケ・セラ・セラで未来が来るんじゃなくて、
未来がどうなるかということは
私たちが今日から何をするかにかかっているんだ、

英語で言えば in our hands なんです。
私たちの手中にあるんです。

今日から大仕事をしなくちゃだめなんだという、
そういうチャレンジを受けているジェネレーションが
我々なんだということです。

CSRの真髄(3)

2005-01-23 23:48:38 | 宮古島


木内孝氏の言(抜粋)

植林をしたりゴミの分別をしたり
風力や太陽光に頼ったり、
いろいろな努力をしているけど、
これは一体どのくらい意味があるんだろうか。

CO2の削減が6%とか8%というのはお笑いで、
ほんとうは60%とか70%を考えなくちゃいけないんですね。

3度の飯を1度にするくらいの覚悟で
地球を救わなくちゃいけないのに、
6%とか8%と言っているのはお笑いだというのを
特に先進国の人たちに知らさないといけないんですね。

しかし、CO2を65%減らすということは
そんな大したことじゃなくて、
東京オリンピックの年の日本の経済活動のCO2の排出は、
大体今の30%か35%ぐらいなんだそうです。

ですからそのときに戻せばいいんです。
それは出来ないことではない。

それからその後にいろいろな省エネの、
あるいは新しい技術が生まれています。
そんな気が遠くなるような不可能な話じゃないんですね。

しかし大事なことは、今やっていることは
全くちまちましていて話にならないということを天下に知らしめて、
本気でやらなくちゃいけないことを言わなければならない。

それは家庭の、家族の一つ一つが
その気にならなかったら出来ないんだということを言うような、
説得力のある心をゆさぶるような
「環境版前川リポート」でなければならないと考えてます。

どうでしょうか、みなさん。ご賛成いただけませんか。

CSRの真髄(2)

2005-01-22 21:06:50 | 宮古島


木内孝氏のこと

三菱商事が木材を事業にしている。
こともあろうに熱帯雨林を切っている。

これを何とかやめさせるために
アメリカの小学校に働きかけて、
小学生にやたらに手紙を書かせる全国運動が起こった。

メキシコ政府と新聞社に70万通ぐらいが届けられた。、
それで結局、メキシコ政府と三菱商事は計画から手を引いた。
市民運動の前では企業も無力になる。

そんなこともあり、木内氏が三菱電機の常務取締役に就任すると
同時にアメリカのフューチャー500を創設し会長に就任した。

これからは市民たちとジョインして一緒に熱帯雨林を守ろう‥と
“If you cannot win, join them ”
勝てないんだったら一緒になれという格言を地で行ったわけだ。

500の団体とか会社がみんなで協力して
一緒になってネットワークを組んで
世直しをやる目的で生まれたのがフューチャー500だ。

私はこのフューチャー500の会員にはなっていないが、
木内孝氏の著作「熱帯雨林が教えてくれること」を読んで
その実践的な内容に深く感銘を受けた。

‥‥

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