今年のゴールデンウィークは、地方都市のお祭りをハシゴした。
某日某所Aのパレードは、雨に祟られた。サンバはパレードに出演せず、ステージのみだった。
その翌日、某所Bのパレードは、今年はサンバなし。せっかくおカネをかけて行ったのに、あまり収穫はなかった。フフッ…。世の中、こんなもんだよね。
8日は大宮で「アートフルゆめまつり」があった。前日もどこかでサンバステージがあったらしいのだが、この時期のオレは例年冬眠しているから、ノーマークだった。
さて「ゆめまつり」は、大宮全域をステージにしたイベントらしく、あっちこっちにステージが点在していた。サンバの演者はブロコ大宮。埼玉ではお馴染みのチームだ。
ステージは午後1時30分からと認識していたので、それに合わせて電車に乗る。
ところが車中で再確認したら、サンバが1時からになっていて、青くなった。
この手のうっかりは極力避けてきたつもりだが、ついにやらかしてしまった。
もう1時には間に合わないから、いかにロスを少なくするかだ。駅の出口、ステージ会場を念入りに確認し、電車を降りたオレは珍しく、最短距離を行った。
東口(スパークカーニバルとは逆だ)の先にある太陽生命前に着いたのは1時7分だった。このビルの庭先部分が急造ステージ…といっても何も設えはないのだが、サンバはここでやる。ステージはどこもこんな感じらしい。
ステージにはバテリアが勢ぞろいしていた。白の開襟シャツで、初夏の装いだ。
ダンサーは袖に控えていて、こちらは真夏。10人以上はいた。すでに1曲終わった感じだが、これが遅刻の罰だからしょうがない。
長くは待たせず、次の曲が始まった。それに合わせて、ダンサーが3人踊る。向かって左はリベルダージの長身ダンサーで、彼女のはじける踊りがオレは好きだ。
でもオレは右にいるダンサーを中心に撮る。ホントは満遍なく撮りたいのだが、意外に人の頭が邪魔で、あまり左右にも動けなかった。もっとも、サンバカメコは少なそうだ。
しばらく踊ると残りのダンサーが登場し、百花繚乱になった。やっぱりサンバはこうじゃなくちゃいけない。
オレの味気ない生活といったらないが、このひとときだけ、日頃の憂さを忘れることができる。
最後は観戦の子供たちを呼んで、みんなで踊る。これではシャッターを切る気にならないが、みんな楽しそうで何よりだ。
25分ごろ終了。でもダンサーは「この後のパレードにも来てネ」とPRを忘れない。
それは午後2時からある。オレはこの後のステージのハワイアンダンスを見ていたが、パレードが気になって、そそくさとそちらに向かった。
スタート地点の手前、「平成ひろば」という緑道公園がスタンバイ地点になっていて、サンバ一行が待機していた。
以前も書いたが、オレはスタート前のこの時間が好きだ。休みの前の金曜の夜、風俗で姫を待つ時間、に似たワクワク感がある。
やっぱり、サンバカメコは思ったほどいない。他所ででっかいサンバイベントがあるのかもしれないが、事前の調べを怠っているオレが悪いわけで、今はこのイベントを愉しむよりない。
チームのうしろには警察関係の団体がいて、年配の婦警さんが固まっている。その先にダンサーのお尻、はかなりシュールな光景で、仮にオレがダンサーを写真に撮っても咎められないだろう。日本はどこかおかしい。
2時を過ぎ、わりと早めに、スタート地点に着く。何人かのダンサーは、カメラにポーズを取っている。このサービス精神がオレには信じられない。すごい。
サンバがスタートした。ここから駅前まで練り歩くのだ。まずは商業施設通りを行くが、道は広くもなく狭くもない。ただし見物客がいるので、カメコの移動は難儀だ。
ダンサーは踊るというより、先に進むことを優先している。オレも何とかシャッターを切るが、ポーズもシャッターチャンスもあったもんではない。サンバの雰囲気を愉しむ、という許容範囲ギリギリのパターンになった。なお、チーム代表のダンサーは、今日は裏方だった。
コースはアーケード街の細い道を行く。数十年前はたいそう賑わっていたと思わせるツクリだが、いよいよカメコが移動できるスペースがなくなり、オレはバテリアの後ろをついていくのみだった。
駅前の大通りに出てしばらく踊り、約30分でパレードは終了した。
個人的には撮影し足りない感じだったが、まだ5月だし、こんなものであろう。
ダンサーもカメコに大らかで、はじける笑顔を見せてくれた。
ダンサーはやっぱり、女神だ。