気心は未だ若い「老生」の「余話」

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「主役退場」に関する二つの問題

2016-06-22 00:31:51 | 故郷

この約1ケ月の間、殆どのマスコミが、競って興味本位的な論調で報じ続けた「舛添問題」は、「食い逃げ」のような「主役の退場」という極めて後味の悪い形で終わってしまった。

「主役の退場」に関する第一の問題は、都議団の攻めが途中から「疑惑追及」よりも「知事追落し」を優先したが故に、諸々の疑惑・疑問の解明が出来ないまま茶番劇が幕引きとなったことだ。

真相解明と再発防止策をこよなく願っていた都民はじめ多くの国民の期待は、又しても裏切られた。

・都民はじめ国民が前記の事柄に関し、最も知るべきだったことは、何故古くて新しい「政治と金」「公私混同・公費無駄使い」に関する問題が又起きたのか、その背景事情や原因は何なのか。ということではなかったかと当方は思う。

・何故、知事就任前の政治資金の使途に関することが問題になったのか、その法的な規制や抜け道はどうなっているのか。そんなことに関するマスコミ報道は殆どなかった。

・「不適切だが違法ではない」などと云う屁理屈がまかり通るような政治資金の使い方を許している法律がある限り、「舛添知事追落し」は「蜥蜴の尻尾切り」と同じで、いずれ、又どこかで「第二・第三の舛添問題」は起きることになりはしないか、そんな危惧は残ったままだ。

・前知事を厳しく追及した都議会議員諸氏には、月額60万円、年額で720万円もの政務調査費と称する「公費」が無税で支給されている。この使途について、「自分は一点の曇りもない」と自信を以て答えられる議員は果たして何人いるのだろうか。突けばボロが出る議員がいるとすれば、己を省みて「舛添問題を他山の石」とすべきであろう。都議会議員諸氏の公費使用についても、今後厳しい監視の目が向けられることだろうから、今後も都民代表は、「庶民目線で都政に携わる公僕」であることを片時も忘れてはならない。

・この際、全ての議員諸氏や政治家は与野党を問わず、襟を正し、「舛添問題を機に政治資金規正のあり方をはじめとする政治と金の問題を基本に立ち返って見直そう」などという、意見提言があって然るべきだが、どこからもそんな動きが全く出て来ていない。実に情けないことである。

今回に限らず、国内では毎年の如く「政治と金をめぐる悪しき事例」が「茶の間の話題」になり続けているがこれは誠に残念なことだ。でもこれが現実だから、日本の政治は三流だと云われ続けるのだろう。

「主役の退場」に関する第二の問題は、この「主役」は、結果的には「才はあっても徳なき志士だった」が故に「自ら墓穴を掘った形」になったことだ

「せこいとか、ずるいとか」極めて低次元の表現で酷評されたように、この「主役」は、政治家としての常識的な資質が結果的に大きく欠落していた。そんな資質の政治家の本性を見抜けず、擁立擁護して来た与党の責任も又実に大きいし、騙された都民は不満の向け先に窮している。

序に云えば、都知事の取り巻き陣の自浄作用も十分に機能していなかったとすれば、取り巻き諸氏も猛省し、今後は知事に対しても是々非々主義を貫く勇気と姿勢を示して貰いたい。

いずれにしても、731日の選挙だけで約50億円、この4年間で3回目となる知事選には累計で120億の税金が又使われることになる。

次の都知事選では、国内外で真に認められる賢人が新都知事に選ばれることを切に願いたい。しかし、現状では参院選がらみの与野党間の駆け引きもあってか、党派を超えた賢人の知事候補が現れて来そうな情勢ではないから、これ又大変残念な成り行きである。


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