コクトーツインズを聴く時は・・
まず、部屋の灯りを消し
ヘッドフォンをして
コンポの前で正座。
高校生の私はそうしないと彼らの音世界に入れなかった。
恐れ多い美しさ。
闇夜からかいま見える、それは一体何なのだろう?
手探りで探し当てる、かすかな感触。
それは光なのか、闇のままなのか・・。
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1.タイトルについて
Treasure=秘宝。
タイトルからして、完璧。
2.アートワークについて
23 Envelopeの最高傑作といってもいいデザインワーク。
アルバムの曲とほぼ同時に思い起こさせるジャケットは数あれど
ここまで曲の流れと一体化したものはなかなかない。
3.アルバム全体の雰囲気(曲順も含む)について
ギリシャ神話の神々が曲のタイトルになっている。
前作までの流れにある「Persephone」「Amelia 」「Cicely 」などの曲がギリギリのところで彼らの闇の部分を表現しており、それがアルバム全体の耳障りの良さを小気味よく破壊してくれる。
4.P.Vや当時のライブ映像について
87年にあった二度目の来日公演を運良く見ることが出来た。
会場は大阪の御堂会館。
もう四半世紀以上前のことで思い出す記憶にもあやふやなところがあるが、当時の気持ちに立ち返って記してみよう。
初来日へ行った人達の噂から彼らのライブは全員席に座ったまま「鑑賞」すると聞いてはいたが、会場へ入ると見事にその通り。
まるでクラシックコンサートのように静かにたたずむオーディエンス。
私たちももちろんその流儀に従う。
舞台から右手にエリザベス、フロントから少し左手にロビンとサイモンが。
まずジュリエッタ・マシーナがパンクスになったようなイメージを持っていた
エリザベスの胸板が想像していたより厚く見えて驚く。
あの声を出すにはやはりかなりの肺活量がいるのだな・・。
胸元に少しレースの飾りのある白いブラウスに、ボトムはダークなロングスカート。
まるでコーラスサークルの奥様のような出で立ち。
PA自体があまりよくないようで(この会館は真宗大谷派難波別院というお寺さんの敷地内にある)ドラムマシンの低音部ばかりが強調され、腹部にドスドスと響き、隣にいた友人はその振動で気分が悪くなると最後まで嘆いていた。
そのせいかサウンド自体の広がりにも欠けていて、コクトー・ツインズという音世界を堪能できたかというとかなり怪しい。
エリザベス自身も声の調子があまり良くないようで、終始納得いかない表情と態度だった。
特に低音部はほとんど聴き取れない部分もあり、声を出すたびに平手で胸を叩くアクション(初期のライブでも見受けられる)を繰り返し、かなりいらだちがあるようにも見えた。
演奏自体は1時間ほどで終了。
その後、初来日時の日本の印象があまりよくなかったと聞き、それなのに短期間よくもまた来日してくれたものだと感謝しつつ、それならもう少しあの態度はどうにかならなかったのかとこっちがいらだつ結果に。
しかし、ファンに対してはとてもフレンドリーだったということをつい最近知ることになった、ごめんなさい。
84年のスウェーデンでのライブ。
これは調子が良いときですね。
COCTEAU TWINS Live in Sweden, Orebro 1984 FULL CONCERT
5.関連商品について
数年前にボックスセットが出ていたような気がする、高いので手は出ませんでした。