味皇さまバンザイ !

「うまいぞぉぉぉ!」で有名な味皇さまに敬意を表し、「美味なる」場所と音楽のWebログ。

和幸・目白

2008年11月02日 | Weblog
こんなところにというほど、目白の住宅街の一角に佇む茶事懐石の名店「和幸」。
昨年、ミシュランで二つ星を獲得したが、そんなことにはお構いなくこれまでも、そしてこれからも変わらないお店と思う。

辻留出身のご主人の料理は、確認するのを忘れたが、15,6年前のまだ光輝いていた辻留の頃の風合いを感じた。ひょっとするとあの味は高橋さんの味だったのかもしれない。共通するのは、素材を正確にど真ん中に据えた料理。料理というものが創意工夫の高見を常に目指し続けている中で、まさに「不易流行」を最高の境地とする料理のあり方を目さしたものだと僕は考えている。
旬の最高の素材を使い、それがもっとも自然にもっともおいしく味わえる料理法を愚直に探求し、無駄と虚飾を排した直球ど真ん中の料理がこの店、そして古き良き辻留が目指していたものではないかと思う。
すばらしい創意工夫に感動することの方が楽しいしまた喜びも大きいもの確かだが、たまにはこうした超正統派のある種何の変哲もない真っ当な「料理」を食べることも、きわめて得難い感動があるものだ。

お値段は決して安くないが、ご主人がご高齢であることもあり、今のうちに確かめておいて欲しい味である。