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大阪北部地震・京都来訪顛末

2018-06-25 13:44:53 | エッセイ・コラム


家人が京都に急用ができたので、おまけで同行し、枚方の旧友に会うことに。支度をしていたら緊急地震速報が。友人は無事だったが新幹線が止まった。とりあえず名古屋まで行って様子をみることにしたが、予想通りの大混乱。
家人が駅員から「**番線からでる新幹線が一番早く京都まで行く」という情報を得たので、そのホームで待つ。2本の回送を見送り次の列車も名古屋止まり回送のアナウンス。
 やはり情報が錯綜していたのかもと諦めかけたが、滑り込んできた列車の窓に降りる気配のない人が見えたので、とりあえず乗り込んだら、やはりこれが一番早く動くとのこと。
 待つこと1時間、動き始めて10分走り30分止まりを繰り返し、2時間半かけて京都に到着。改札に走ったが自動改札のドアに阻まれる。名古屋で改札できなかったためと思われるが、精算窓口は長蛇の列なので改札を強行突破。
 とりあえずデパートの地下でお世話になった人へお礼の品を送付しホテルへ到着。家人は出かけ、私は友人に連絡を取る。やれやれとお礼を送った人にはがきを書いていたら、さっき送り状に自宅の住所をかいたような嫌な記憶がよみがえる。確認するとやはりそうだった。自分にご褒美してどうする、と慌てて売り場に電話してなんとか事なきを得たが、すっかり疲れた。

 夜中に余震が数回あったが大きな揺れはなく、翌朝は近くの楽美術館へ行き、楽焼きと能面の展示をゆっくりと観た。残念ながら茶の湯の心得はないが、香が焚かれた館内にいると心が落ち着いてくる。
 そしてひさしぶりに再会した友人と昼食。お世話になったお母様のお見舞いとも思っていたが、屋根瓦が落ち、家の中も散乱しているということなので、今回は取りやめにした。
 その後、一人で近くの京都国立博物館へ。初めて入ってみたが、地震のためかとてもすいている。仏像が建ち並ぶ様子は壮観ではあるけれど罰当たりながら、なんとなく展示即売会のような雰囲気を感じてしまった。
 
 雨も降ってきたので早々に駅に向かい、デパートの地下食料品売り場へ。昨日利尻の昆布があまりに安かったのでゆっくり食品をみることにしたのだ。
 何もここで昆布を買わなくてもいいかと昆布はやめたが売り場の人たちの声はまるでギリシャ神話で船乗りを難破させるセイレーンという魔女たちのようだ。「京都限定、夏限定」常套句とわかっていてもすすめ上手な京言葉に珍しさも手伝ってつい手がでてしまう。今度来るときは耳栓をつけ、クレジットカードを置いてこよう。
 帰りの電車で京都の味は昆布の味なのだなあとつらつら思い、たくさん消費するから安くて良い昆布があるのかもと気づき、昆布も買えば良かったと思っていたら「そうですやろー」とセイレーンの声が。


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