背中合わせの二人

有川浩氏作【図書館戦争】手塚×柴崎メインの二次創作ブログ 最近はCJの二次がメイン

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2009年04月26日 15時43分33秒 | WEB拍手お礼SS収納庫
何を思ったかいきなり玄田が言った。
「今日はちらし寿司ぱーていだ! どかんと沢山作って、大勢で食うぞ」
材料費はみんな隊長がもつという大盤振る舞いに隊員は狂喜。
寮の調理室から大型の炊飯ジャーをえっさえっさと借りてきて、早速炊き出しが始まる。
酢飯担当となった手塚。団扇片手に炊き立てのご飯をすのこの上に敷き、冷ましながら混ぜ合わせるという難易度の高さが彼を苦しめる。
耳ざとくすしパーティー情報をゲットし、覗き見に来た柴崎は、
「ほら、ちゃんと煽がないと、【てり】がでないわよー」
お約束どおり茶々を入れまくる。
「うるさい。見てないでお前も手伝え!」
柴崎は肩をすくめた。
「だってあたしタスクフォースじゃないもん。隊長から作成命令受けてないもの」
「とか何とか言って、出来上がったらありつくんだろうが」
「あったりまえじゃないの。ほら、さっさと煽ぐ。手を止めない」
「~~~くっそお」
手塚はほやほやと湯気を上げるご飯を一粒拾い上げ、柴崎の鼻の頭にちょんと乗っけた。
「! 何するのよ!」
米粒を鼻先にくっつられけた柴崎は、眉を逆立てた。
慌ててそれを払う。――でもお米一粒、捨てられない。仕方なくぱくっと呑み込んだ。
「ははは。美人が台無し」
「よくもやったわね。食べ物で遊んじゃいけないって昔お母さんに教えられなかった?」
傍から手を伸ばし、同じようにすのこについている米粒を取って手塚の頬にくっつけてやる。
「あちっ」
「ふふん、仕返しよ」
「取れよ、両手ふさがってんだ」
確かに右手はしゃもじ、左手には団扇。
柴崎はじろじろと手塚のほっぺを眺め回し、「いい気味。かっわいい~」と厭味を言ってやる。
「取れって」
「やあよ。そんな言い方じゃ」
「取ってください、柴崎。いや、柴崎さん。お願いします」
「よし、許す」
二人はたまらず吹き出した。


「……どう思う? あれ」
「いや……。見てるこっちがはずィというか、痒いというか」
郁は言葉を探す。
小牧は「だよねえ」と何度も頷いた。
「あれで付き合ってないってどうなの? 同期として。なんとかできないの。なんとかしてやれば?」
「う~~ん。難しいんですよ。どっちも。特に柴崎は」
「ああ……。だろうね」
「自覚はある、と思うんですけど」
「だろうね、なかったらほんと、小学生レベルだよね」
辛らつな一言に郁は苦笑する。
と、
「こらあ。そこ、何をこそこそやっとるか!」
玄田の一喝。「ちゃっちゃと手を動かさんか! 小牧、笠原!」
条件反射で二人は「はいっ」と背筋を正す。
「無駄口たたいてると、錦糸玉子がいつまでもできんだろうが」
隊長のおかげで、小牧と郁の「手塚と柴崎ウォッチング」はそこでストップとなった。


当の本人たちは、くっつくかなり前から小牧と郁に密かにブックマークされていたことを、まだ知らない。

fin.

(2008.12.21)

※ クリスマスだから、愉しい感じのSSにしました。
 なぜ隊長が急にぱーてい、でしかもちらしなのかは、私にも謎。


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1 コメント

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もう・・・ (ラットマン)
2010-09-14 20:47:43
なんでコレで付き合ってないんだよ!!っと
ツッコミ入れざるえない二人だw
あいからず^^
小学校の家庭科の実習を思いだしてしまいました

こーいうジャレあいは見ていて微笑ましいですね♪
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