全く秋の気配だというのに、今週後半に遅い夏休みをとることにしました。
どこにいくか?
いろいろ考えた結果、九州へ “堅曹さんを追いかけて” 行くことにしました。
自叙伝『六十五年記』には、
彼が農商務省の役人として、明治21年(1888) 3月20日から4月12日まで、
九州聯合共進会の出席と製糸業の視察を兼ねて九州へ出張したことが詳しく書かれています。
横浜から船で九州に行き、中津、宇佐をとおり、大分へ。
共進会の褒賞授与式に臨席して、多くの製糸場や織物工場を視察する。
そして富岡製糸場に習いに来た工女たちの招魂祭にも参列する。
その後竹田に行き、阿蘇山の北側をまわりながら、熊本へ。
ここでは器械製糸の黎明期から深いつきあいのある長野濬平に会いにいき、
多くの有志らに素晴らしい演説を行う。
そして船で長崎へ渡り、ここでも演説や談話をする。
帰りは長崎港から船に乗り、下関と神戸に寄りながら横浜に帰る。
この22日間にわたる九州の旅を、できるだけ書き残されている道順でたどってみようとおもう。
当時は船と馬車、徒歩で通ったルートを
飛行機と新幹線、自動車、フェリーをつかって4日間でまわる駆け足の旅となります。
堅曹さんが見た風景や名所旧跡も訪ねてみます。
ただ一番見たいとおもっている、100年以上も前の製糸場はもうほとんど跡形もないでしょう。
せめてあった場所だけでも確認して、またなにか碑でもあれば見てきたいとおもっています。