『女囚の秘密』
「女囚の秘密~家族のぬくもりが獄に光あたえ復活へ」
内容
ある日のこと文(井上真央)は、兄・梅太郎(原田泰造)から仕事を頼まれる。
寅次郎(伊勢谷友介)のいる野山獄の囚人・高須久子(井川遥)が、
実家の高須家へ使いに行って欲しいと言う。
預かった書状を持ち高須家を訪ねた文だったが。。。。。
文は、野山獄を訪れ、受け取ってもらえなかったことを久子に伝えたところ、
何度でも訪れて欲しいと頼まれるのだった。
そのころ、寅次郎は、重輔(泉澤祐希)の死に苦悩していた。
文は、密かに差し入れを手渡し、元気づけようとする。
そんな折、寅次郎からの文の中に、見慣れぬ文を見つける。
その状態を見た文は、1本の筆を野山獄へと届けるのだった。
届けられた筆に富永有隣(本田博太郎)は、小躍りする。
それをきっかけにして、野山獄の獄囚達は、書に目覚めはじめる。
そんななか江戸より戻ってきた伊之助(大沢たかお)は、
藩主・敬親(北大路欣也)に、新たな学問所設立を訴えるのだが、
椋梨(内藤剛志)の猛反対に遭ってしまうのだった。
その後、何度も高須家を訪れることになる文。
やがて久子の娘・糸(川島海荷)が、野山獄を訪れることになるが。。。。
敬称略
こういう言い方をするのも、どうかと思うが。
寅次郎が獄にいる限り、話が動かないことが、
よ~~~~~~~~~く分かった、今回の話ですね。
それくらい、寅次郎が動かないと、話が動かない。
最終的には、動きますけどね。
でも、今回など。
無理矢理、文を利用して、獄囚達の紹介話に終始している。
と言って良い状態だ。
まあ、それ自体は、ドラマでは普通のことだし。
間違っていることをしているとは思いませんが。
でもね。
今作的に、そこまでして描く必要が、本当にあるのだろうか???
という疑問は、どうしてもあるのだ。
わざわざ、例を挙げる必要はないが。
歴史的に、様々な事象が発生する“時代”。
じゃ、
今作の1年を通してのメインは、どこにあるのだろうか???
そしてラストはどこにあるのか??
松下村塾の設立。。。なわけがなく。
安政の大獄、桜田門外ノ変。。。なわけでもないだろう。
桂小五郎、西郷吉之助を出しているし、俳優が俳優だから、
すくなくとも“そこ”までは、描くわけだ。
いや、番宣などでは、主人公の“次”まで言っているフシがあることから。
。。。。。最終回。。。。かなり。。。。
ってことは。
よくよく考えると分かりますが。
こんなところで、いわゆる“端役”のアレコレを描いている場合じゃないほど、
実は、劇中の最終回までの時間経過は、かなりあるのである。
まあね。
最終決着あたりは、良く知られていることのオンパレードだから、
テキトーにやっちゃうことはできるだろうけどね。
でも。。。間違いなく、禁門の変は。。。描くよね。。。絶対。
今回の話が、悪いとか言うことでは無い。
こういうことに時間を割いている時間は、本当にあるのか??
と言うことである。
寅次郎の演説込みの野山獄のくだりは良いと思うのだけどね。
これを言っちゃ、元も子もないけど。
どうせ。。。獄の人たちって、
次に登場する時は、一瞬じゃないのかな?(苦笑)
なにせ、名の知れた歴史上の人物。。。登場人物が異様に多いのが。。。。この《時》でしょうから。
連ドラにとって、いろいろなことを積み上げることは、本当に大切です。
前作《官兵衛》の中盤までの体たらくに比べれば、
今作は、格段に良いことは分かるんだけどね。
なにせ。。。だれが何と言おうと。。。メインの1人は、寅次郎だし。
寅次郎が、何かをすると、やはり良いのである。
秀逸と言って良い話なのになぁ。。。。
でも。。。筆の話と獄中の騒ぎだけで十分だったかも。