MATSUKISM ~松木円宏の役者道~

~NO ACTING,NO LIFE~
-「演」を通じて 「縁」をつなぐ-
「感動」が「人」と「世界」を変えていく

密度を感じる

2011年02月28日 | 日記・エッセイ
一人欠けてはいたものの稽古で荒通しを行った。
小屋入りまで2週間となったわけだけど、今までからすると考えられないぐらいのペースで進んでいる…ような気がする(笑)
しかも毎回発見があり、シーンが確実に深くなる。
参加する役者の意識が大きく影響していると、強く感じる今日この頃です。

「これぞ舞台!」と思えるものは、人によっていろいろあるかと思います。
個人的にはその一つに、役者たちが物語の中で作り出す「空間の密度」がある思うんですよ。
それが今回の舞台では作り出せるように思います。

是非ご来場ください!!


***********

2011年3月16日(水)~ 3月20日(日)

ポムカンパニー 3rd effect[y0suka合同公演](杉並演劇祭参加作品)

『ハコネコ』

四方は壁に囲まれて
上を見上げれば空があった
いつしか空を見なくなり
そこにあることすら忘れていった…

脚本・演出 松木円宏

【開演時間】
16日(水) 16:00/
17日(木) /19:30
18日(金) /16:00/
19日(土)13:00/ /19:30
20日(日)13:00/
※ /の前後ではy0sukaが上演致します。

【会場】
遊空間がざびぃ(西荻窪駅より徒歩8分)

【キャスト】
金馬貴之(マリエ・エンタープライズ(株))
さかい蜜柑
横山仁美(アイリンク(株))
里村泉美
赤間彩香(劇団夜想会)箕輪達昭(T1project)
田村康太郎((株)シェルミッシュ・エンタテイメント)
松木円宏

【料金】
前売2800円
当日3000円
※ポムカンパニーの半券でy0sukaを1800円で観劇できます(要予約)


***********

自分で気づくのは難しいことだけど

2011年02月21日 | 日記・エッセイ
俳優は言われたらそれをやれるだけの力を持つべきである。
もしそれが言われたことと違ったら、あなたが言いたいのはこれかあれかと引き出しを開けて調整し、納得させられるものをきちんと出せるだけの力を。
でもでも、そんな力はきっと最低限のレベルで(とは言え、その最低限はおそろしいほど奥深いのだけど)、本当は何より「気づく力」が必要なんだと思った。
そう思ったんです、自分が演者として立って演じた時に。

そのための演出家だったりします。
だったりしますが、そういった「気づいて」「すぐ演れる」瞬発力と底力がないと切り抜けられない瞬間はたくさんあると思うんです。
だからまだまだ勉強不足。
当たり前のことですが。

僕は外側から指摘されれば連動して内側を作ったりしますので、役者にもそれに近い演出をすることが多い。
内側は任せた!!…的な。
そこまで大雑把じゃないけど。
でも演助で入っていただいている碧田さんは役者ではなく、物書きと演出のみやる方なので…なのでってことはないけど(笑)、演出として、役の内面をその場で言葉にして、的確に役者にヒントを伝えることができます。
これはホント僕からしたらすごい技で、演出部分としては今回一番盗みたいもの。
そして、その言葉にされたような部分に、役者として最初に気づけるようになることが、今後の課題。

稽古は順調であり、シーンの中身も外側から内側から日々豊かになっているように思う。
しかしながら課題は生まれる。
まだまだ、こっからじゃい!

立体化する作業

2011年02月19日 | 日記・エッセイ
自分で書いから何でもわかるというのは大間違いで、たくさんたくさん穴があります。
それは矛盾とかそういったものではなく、描かれていないものとして。
役者の作業に「埋める」という言葉を使うようになったのは、そうした部分からじゃないかと思います。

そんなわけで、稽古ではその穴を埋めるべく試行錯誤の繰り返し。
こんなのどうだろ、あんなのどうだろってやってるうちに、作品が立体化されていくのを感じる。
あまり感じたことがない感覚だったので、正直驚いたぐらい。
表面的なものではなく、個では出せない全体の空気みたいなもの。
それが見えて初めて空間が成立したような気がした。
まず関係性などから生まれるこの空気が大事。
その空気が作れるのを前提で、それぞれの役者がどう役を掘り下げられるか。

創作できる環境がある。
それを役者たちがつくっている。
もちろん自分も。
だからこそ、この良い環境をもっともっと引き上げていきたい。

脚本完成!

2011年02月11日 | 日記・エッセイ
…したその日に稽古で直したりしたけど(笑)
でも、何度も何度も読み返さないとと思う。
特に前半、役者が身体にガツガツ入れる前に。

ん~最近は時間の使い方がちょっと下手で反省が多い。
今は時間的な余裕はないけど、やはり息抜きは必要で、でもメリハリがつけられないなら「生き抜く」ことにはならないというか。

…………

いや、オヤジギャグじゃないですよ、野田さんならいつか使うかもう使うかしてるかなって…

はい、すみません。

時間割があった時代はある意味で良かった。
でも、もうそういうわけにはいかない。
学校教育から解放されたらあとは自己管理で、その当時よりもっと自由に使えるか無駄が増えるかのどちらかだろう。

俳優は24時間の仕事だと思っていて、その仕事内容も力の入れ具合も各自に委ねられているから、楽をしようと思えば結構できる。
だいたい楽してるかどうかは見ててわかる気がするし、それによって次に繋がったり繋がらなかったりはするんだろうけど。

というわけで、自由な時間が物理的に限られている今だからこそ、より意識的に一分一秒を濃くしていきたい。

やることを明確に

2011年02月08日 | 日記・エッセイ
脚本初稿が完成してからは日々書き直し。
稽古をしては書き直し、読み返しては書き直し。
ベースの展開は初稿と変わらないのだけど、その内容やちょっとしたやり取りの修正を加える。
自分で脚本を書くと、こういうことが自分ですぐにできるから便利だと思ったり。

作家は稽古場に顔を出すべきではないなんて話がある。
作家による演出的な視点の介入が懸念されるからだろうけど、それは確かにわかるけど、耳で聞いたり、役者を実際に見て書き直したい部分は確実にあるし、何より作家は納得がいくまで書き直したいんじゃないかと思う。
プロではこうは行かないのかもしれないけどね、締切もあるだろうから。
でも、自分の現場の締切は本番直前まである。
もちろん役者の負担は減らしたいからここ数日で書き直しも終えたいんだけど、そういう意味ではギリギリまで追求できるというメリットがある。

大幅な書き直しはあと1シーン。今のままでも納得はいくのだけど、今より良い絵が漠然とあるので、それが形になればと思ってうんうん唸っている。
稽古も増えてきたし、その合間を縫って同時進行で各スタッフやy0suka側との打ち合わせと、今のうちにあらゆる制作面の作業、あと別件で来週までにもうひとつしっかり準備が必要なものが…
やることを明確にして、一つ一つしっかり潰して、気持ちが折れないようにしていかないと。

稽古の進み具合としては順調だし、毎回楽しくて仕方がない。
ここから更に密度を濃くして集中していかなきゃと思う。

余裕のなさと大事なものと

2011年02月02日 | 日記・エッセイ
時間的余裕、金銭的余裕、精神的余裕といったように、「余裕」という状態をつくるにはいくつかの要素が必要となる。

今はほとんど全てない…
と言ったら大袈裟かもしれないけど、ある意味では嘘ではない。
どれかが欠けていれば、やはりそれは他で補いようもなかったりして、バランスは崩れていく。
安定と不安定の足場がまるごと揺れて、もうどっちが安定でどっちが不安定だかわからないような感じ。
ただ、他は補えなくともどこかで救われていたりする。
だから何とかやっていけるのかなとも思う。

あぁもう無理だなって思ったときにふと頭を過ぎるものがあって、それこそが本当に大事なものなんじゃないかと気づく。
人を本当に支えてくれるのはやはり人しかいないと、そんなことを考える。

マイナス思考ではなく、現実的に無力であると理解している。
少なくとも今は。
だから、受けたものを返せないことも多いし、まだしばらくそんな不義理も所々で続きそうだ。
力がないなら諦めも肝心かもしれない。
でも現実に納得できないなら、まだ闘わなくてはと思う。