世界の街角

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伊都国歴史博物館

2017-07-04 07:05:44 | 博物館・福岡県

去る5月21日、九州国立博物館の帰途に伊都国歴史博物館へ立ち寄った。以下、そこで当該ブロガーの気をひいた展示品を紹介する。なお写真撮影OKであった。各地の博物館では、撮影NGのところが多いが、なぜNGなのか理解に苦しむ。

南は背振山脈、東西にはなだらかな山を見、北が玄界灘を望み開けている。なるほど古代に集落(クニ)が形成された地であることが理解できる。翡翠の勾玉をつけた頸飾りが展示されている。勾玉は我が田舎玉作遺跡の専売特許であるが、これはどうも当・伊都国産のようである。

当地で製作したとのキャップションと砥石が展示されている。山陰と九州で作られた勾玉のフォルムが、同じであることは交流を物語る。朝鮮半島との交流も含め、山陰との交流は丸木舟ではなかろう。下の木造船の断片は準構造船という。

古代人は勇敢で生活力旺盛であっただろうと想定される。海と山の違いがあるが、北タイの山岳民族も生活力旺盛である。

面白いと云えば語弊があるが、平安や鎌倉時代にも継続して集落が形成されていたようである。幾つかの遺跡が発掘され、龍泉や同安系陶磁が出土している。無傷・完品で出土し、程度も良好な陶磁が展示されている。福岡市博物館でも同様な陶磁を見たが、そこでも程度良好であった。日本の考古学の質の高さを感ずる。

博多湾岸周辺は、古代から中世にかけ、日本で最も進んだ先進地であったことが、よくわかる。

福岡市埋蔵文化財センターに寄ってみたかったが、時間の関係で割愛した。ところが縁は切れていなかったようで、8月初旬に福岡へ行く機会を得た。次回は行ってみたいと考えている。