まさるのビジネス雑記帳

勉強ノート代わりに書いています。

株券不発行会社の株式譲渡

2007-04-09 16:38:34 | 株式関連
○ 昔の商法では「会社成立後・新株払込期日後遅滞なく株券を発行する事を要す(旧商法226条)」とか、「株式を譲渡するには株券を交付する事を要す(旧商法205条)」というような規定がありましたが、H16年に大改正が行われ、株券廃止会社とすることが出来るようになりました。会社法では、更に株券不発行が原則とされ、発行するときは定款にその旨の定めをして発行することになりましたね。

○ 従来、未上場企業では、株式の変動も少ないため、あまり株券は発行されていませんでした。しかし、株式譲渡の際は、株券を作成して(手抜きのときは、文房具屋さんで株券のひな形を買ってきて、必要事項を記載して)交付していました。あるいは、この株券作成も手間と厭うときは、不所持申出書(株主→会社)とその不所持申出受理通知書(会社→株主)等のオリジナルを、譲受人に渡して株式譲渡としていましたね。

○ しかし、株券不発行が原則とされましたので、今後は株券不発行会社が多くなると思われます。また、従来の株券発行会社も実際は株券を発行していないのに、登記簿に株券を発行している旨、職権で書かれちゃいましたしね、「こりゃちょとまずい」と思う会社も出てくるでしょうから、定款から株券発行の規定を削除するなり、株券は不発行とする旨の定款の規定を設けて、登記の変更を行う会社も出てくると思います。

・ そして、その内に株式譲渡が出てきます。そうした場合、即ち株券不発行会社の株式の譲渡はどうしたらいいのでしょうか。株券不発行会社の株式譲渡を実際どの様に安全に行うかを考える必要がありますね。

○ 株券不発行会社の定款の規程等:
株券不発行会社の定款には、多分以下の様な規程があると思います。
・「名義書換を請求するには、株主又はその一般承継人と株式の取得者が共同して、所定の書式(*)による請求書に署名又は記名押印し、これを提出しなければならない。」
・「株主は,本会社に対し,株主名簿に記載された事項を証明した書面の交付を請求することができる。」(この規程が無くても証明書発行請求すれば良いですけどね)

○ 株式譲渡の手続き:
現在どういった慣行が形成されつつあるのか知りませんが、通常は以下ぐらいではないでしょうか。
1) 事前に株式譲渡契約書を締結
2) 譲渡人等から、会社の取締役会等に譲渡承認申請
3) 譲渡日に譲渡人は名義書換請求書(本会社宛*)に株主届出印を押印して譲受人に交付
4) 譲渡日に代金を支払い
5) 譲受人が記名押印して名義書換請求書を本会社に提出
6) 本会社は、株主名簿に記載・記録し、株主証明書(=株主名簿記載事項証明書)を譲受人に発行

* この請求書の記載事項:譲渡株式の種類・数等。譲渡人は、本会社の株式を譲受人に譲渡したので名義書換してほしい旨。譲受人は、譲渡人から譲り受けたので名義書換を請求する旨。

上記の3)&4)を同時に行っても良いですし、3)-6)を同日に行ってもよいですね。
コメント
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