阪急宝塚線の牧落と桜井をつなぐ踏切から線路に入り込み、箕面駅まで線路を伝って歩いていく。電車が前から後ろから来るたびにどちらの線路に電車が来たのかを判断してもう一方の線路に避ける。時折電車は大きな警笛をならして通り過ぎる。もし現在、自分の子供がそんな遊びをしていたら激怒するに違いない実に危険で、今では電鉄会社から訴えられない遊びを当時の子供たちは平気でしていた。赤黒く鉄さびで変色した敷石の鉄臭さと . . . 本文を読む
映画アマデウスの中で、アマデウスの親父が仮面をかぶって突然アマデウスの家を訪れるシーンがある。仮面を見てアマデウスは怯えるが、その仮面の下から出てきた親父の顔にもっと怯える。このシーンを見て観客もぎょっとする。私もなにか深いところの意識を強く刺激された。潜在的に親父に対して息子が持つ感情の一つをうまく映像に表現していると思った。あれは一体何に対する怯えなのか。厳父から幼少のころより音楽の英才教育を . . . 本文を読む
周りの知人たちの中にはインドネシアキューピッドで知り合い、友達を探したりなかには結婚した人もいる。インドネシアではポピュラーな出会い系のサイトだ。ひと時の友人を求める人もあれば、結婚相手を探す人もいるので、なかなかの人気らしい。 . . . 本文を読む
ある人が芥川賞受賞作が掲載されている文芸春秋を残していってくれた。朝吹真理子「きことわ」と西村賢太「苦役列車」をシンガポール往復の機中で読んだ。これがあったので、機中は退屈せずに済んだ。朝吹真理子「きことわ」には美味そうな食い物が登場する。なかでも牛のスジと大根を一日かけて煮込んだ、澄んだ黄金色のスープは美味しそうで、さっそく作ってみた。昨夜の夕食に似たようなスープを作り飲んだが、私とつれあいはう . . . 本文を読む
バリの至る所でジュプンという白い花に出会う。バリだけではなくカンボジアでもタイでもベトナムでも寺院に多く植えられていた。この花はいろいろな名前を持つので最初のころは尋ねる人ごとに違った名前を答えられ戸惑った。日本やハワイではプリメリア、イギリスではフランジバニ、インドネシアではカンボジア、バリではジュプンと言うらしい。さらにピンクのジュプンはジュパンという。これは日本のジャパンから来ていると教えら . . . 本文を読む
以前使っていた古いパソコンでシマンテクのノートンを使っていた。その時に自働延長のチェックを意識的にではなく、していたらしい。その後このパソコンを廃棄してからもクレジットカードでの引き落としが続いていることにようやく気がついた。気がついたときにはすでに延長済みだったらしく、次の延長時期まで停止することができない。使っていないパソコンのソフトを支払わねばならないのははらだたしい。そもそもこうしたソフト . . . 本文を読む
屋上に上り最初に目につくのは朱の瓦と淡い青でアクセントをつけた10階建のバリ・グランド・ビーチホテルで、これはサヌールのみならず、バリでも一際高い建築物だそうだ。このホテルは1993年に一度電気回路のショートが原因で火災にあったが、一部屋だけが焼けずに残ったという、大火災にもかかわらず幸い死者が出なかったということと合わせて不思議なヒンドゥ神の恩寵ととらえられている。これだけ高い建物はスカルノ全盛 . . . 本文を読む
ビザの関係でシンガポールに行くことになったが、今回は特に買い物もついでの用事もない。そこで日帰りで行ってみることにした。朝早くにホテルを出発してシンガポールに11時40分ごろ到着し、入国審査などは待たされる事もなく12時30分ごろにはオーチャード通りの伊勢丹に到着していた。空港と市内を結ぶ高速道路沿いをタクシーの窓から眺めていると左手に大きなプレ・スクールを見つけた。今娘をプレスクールに通わせてい . . . 本文を読む
バリの鳥は地味なものがほとんどだと書いたら、それを否定するように、たった今水平線のかなたを眺めている視界を、原色の鳥が眼前を飛び来たって去った。漆黒をベースに赤と青の横ストライプが入っていた。セキセイインコ程度の大きさで、もちろんバリでも初めての色鮮やかな鳥だった。なんという鳥なのだろう、ほれぼれするほど見事な色調だった。雑踏のなかや電車の中でハッとするほど印象的な顔や姿に出会うことが極めて稀にあ . . . 本文を読む
海岸舗道を自転車で走ると、砂浜でバリ特有の黒い石を積み上げていた。この黒い石はバリではおなじみの玄武岩でお寺やプールの周り、それに割れ門や住居にと至る所に使われている。バリだけではない、ジャワ島でもボルブドール寺院遺跡(仏教)やブランバナン寺院遺跡(ヒンドゥ)もこの玄武岩を積み上げて建てられている。そういえばバリの北部にあるシンガラジャの海岸の黒砂もこの玄武岩が砕かれた砂でできているに違いない。バ . . . 本文を読む
昼過ぎからセメントを流し込んで舗道の建設に取りかかった。黒い砂を大量に盛った大八車様のもので、二人がかりで運び込み、セメントと水をスコップで混ぜ、木枠の中に流し込んでいく。午後3時の太陽はきついが、そのなかで10人余りの作業員が黙々と作業を続ける。20メートルばかりの舗道はゆっくりと形成されていく。プールに浸かりながらその作業現場を眺めていた人が私に「彼らの日当を知っているか。300円足らずだよ。 . . . 本文を読む
バリらしい天気が戻ってきた。肌が少しひりひりするのは、やはり日差しが強くなっているせいだ。単に暑いだけではまいるが、そよ風があるので暑さが苦にならない。テラスでくつろいでいてそよ風が吹き抜けると「極楽のあまり風」という、すでにいない母の口癖のような言葉を思い出した。日本の夏の暑い日の夕方に、そよ風が吹くといつもこの「極楽のあまり風やねえ」という言葉が母の口をついて出た。いくつかあった母の口癖の一つ . . . 本文を読む
数日前のある日、日本語で書かれたお知らせが部屋に配られてきた。デング熱予防のために明日の早朝に蚊の駆虫をしますと書いてある。熱帯縞蚊をホテル中に一斉散布するので、窓を締め切って、さらに肺に疾患のある人は退避の用意まですると書いてある。このホテルに滞在して初めての経験だから1年に一回の大々的駆虫薬散布となる。あくる日の早朝、なにやらブーンという大きなエンジン音に目を覚まされた。時計はまだ6時ころだ。 . . . 本文を読む
親指を立てるとokサインというのは多分世界共通だが、ローマ皇帝が支配していた時代は剣闘士を殺せというサインだったと、プールでのエキササイズ仲間であるヨーロッパ人から教えてもらった。また、ブルガリアではうなづくと否定になるので、レストランで「紅茶に砂糖をいれますか」と尋ねられた時などは砂糖がほしい時は決してうなづいてはいけないとも。首を横に振るのだそうだ。私がプールの中から子供に向かっておいでおいで . . . 本文を読む
明日で我が家のベビも3歳になる。今日は1日はやいバースデイパーティーを近所の子供たちや大人も集まってもらい開催予定で、ミッキーのミニがデコレーションされたケーキカットをする予定です。誕生以来、毎月の誕生日には成長の過程を記してきたが、2歳をすぎるころからひと月単位の変化を書きするすのがなかなか難しいと感じるようになってきた。体や言葉の変化が、それ以前に比べて緩やかになってきたせいかと考えたが、体の . . . 本文を読む