【チューリヒ（スイス）時事】英BBC放送が29日に放送した調査番組で、国際サッカー連盟（FIFA）の理事がFIFAのかつてのマーケティング代理店、ISL社から賄賂を受けていたと報じた件で、国際オリンピック委員会（IOC）が倫理委員会でこの問題の調査に乗り出すことが30日、分かった。ロイター通信が伝えた。BBCに証拠の提出も要請するとしている。
不正疑惑を報じられた1人が、IOC委員も務めるアフリカ・サッカー連盟会長のハヤトウFIFA副会長（カメルーン）だった。BBCはISL社の内部機密資料を入手して不正が分かったと伝えており、IOCは「腐敗に対して妥協の余地はない。この問題を倫理委員会にかける」としている。ハヤトウ氏とともに実名が挙がったテイシェイラ（ブラジル）、レオス（パラグアイ）の両理事を加えた3人は12月2日の2018、22年ワールドカップ（W杯）開催地決定の投票権を持っている。
ISL社は01年に経営破綻し、テレビ放映権交渉をめぐる不正疑惑で告発されたが、08年に裁判所はFIFA役員に不正はなかったと判断している。FIFAは30日に声明を発表し、「判決は00年以前に関するもので、FIFAに対する有罪判決もなかった。この問題は完全に終わったことだ」として疑惑を否定した。
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