【バルセロナ共同】作家の村上春樹さんがカタルーニャ国際賞の授賞式で行ったスピーチの要旨。
一、東日本大震災で全ての日本人は激しいショックを受けた。今なおたじろぎ、無力感を抱いている。
一、だが、われわれは精神を再編成し、復興に向けて立ち上がっていくだろう。われわれはそうやって長い歴史を生き抜いてきた。
一、日本は唯一核爆弾を投下された国だ。放射能が世界や人間の身にどれほど深い傷痕を残すか、われわれは被爆者の犠牲の上に学んだ。
一、福島第1原発事故は日本人が体験する2度目の大きな核の被害だが、今回は爆弾を落とされたわけではない。自らの手で過ちを犯した。
一、理由は「効率」だ。原子炉は効率が良い発電システムだと電力会社が主張し、政府も国策として推進した。
一、地震国の日本は世界第3の原発大国となり、原発に疑問を呈する人には「非現実的な夢想家」というレッテルが貼られた。
一、だが原発は今、無残な状態に陥った。原発推進派の「現実」とは「便宜」にすぎなかった。論理をすり替えていたのだ。
一、(福島事故は)すり替えを許してきた日本人の倫理と規範の敗北でもある。われわれは自らも告発しなければならない。
一、日本人は核に対する「ノー」を叫び続けるべきだった。技術力を結集し、持てる叡智を結集し、社会資本を注ぎ込み、原発に代わる有効なエネルギー開発を国家レベルで追求すべきだった。それが、広島、長崎の犠牲者に対する、集合的責任の取り方となったはずだ。
一、損なわれた倫理や規範は簡単に修復できないが、それはわれわれ全員の仕事だ。新しい倫理や規範と、新しい言葉を連結させなくてはならない。
一、夢を見ることを恐れてはならない。「効率」や「便宜」という名前を持つ災厄の犬たちに追い付かせてはならない。われわれは力強い足取りで前に進んでいく「非現実的な夢想家」でなくてはならない。
(東京新聞WEBより)
追記:上記の要旨分は、誤解を招くかも知れないので、是非全文をお読み下さい。YouTube等で動画も見られます。
とても勇気が必要です。
村上春樹氏がこの発言をできるのは
世の中に影響を与えることができる存在だというのが
大前提になっています。
テレビなどに出ているタレントたちでさえ
なかなか出来ることではなく、
俳優・山本太郎は
それで仕事を失いました。
原発に反対するには
まず原発の良い部分を知らなければなりません。
原発以外で言えば「効率重視」自体は悪いことではありません。
普段ボクも仕事でどれだけ効率を重視しているか・・・
良い部分を活かすために
危険な部分をどうカバーするかの方法も
知らなければなりません。
それでも危険を回避しきれない
とわかった時点で初めて
反対意見も述べることができる。
まだボクには反対しきれる自信がないですねぇ・・・
僕たちは、"原発反対"と言ったからといって、明日から仕事が無くなるわけじゃありません。
シンプルに平和な子供の未来を夢想していいんじゃないですか?
「効率」はもちろん良い方がいいです。
村上氏が言っているのは、「効率」を倫理や規範より優先させてはいけない、っていうことでしょう。
あれだけの被害を生んだ津波なので
原発の危険防止対策に問題があったのかどうかは
ボクにはわからない・・・。
もっと単純に
原発なんか作らなければ
初めから危険は0じゃないか?
とは思います。
だから、
おそらくしっかりした根拠をもって
原発に異を唱えている村上春樹氏には
賛同しています。
ただ先頭に立って言えないだけ。。。
山本太郎氏にもエールを送りたいです。
なんで仕事を降ろされたり、
事務所を辞めなければならないのか
甚だ疑問です。
言論や思想の自由に反しますよね・・・