ロドス島の薔薇

Hic Rhodus, hic saltus.

Hier ist die Rose, hier tanze. 

現行憲法および自民党改憲案比較表3

2012年10月11日 | 憲法論資料

 

第6章 司法

  現行憲法 自民党草案
第76条(裁判所と司法権) すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する。
  1. 特別裁判所は、これを設置することができない。行政機関は、終審として裁判を行ふことができない。
  2. すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される。
すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する。
  1. 特別裁判所は、設置することができない。行政機関は、終審として裁判を行うことができない。
  2. 軍事に関する裁判を行うため、法律の定めるところにより、下級裁判所として、軍事裁判所を設置する。
  3. すべて裁判官は、その良心に従い独立してその職権を行い、この憲法及び法律にのみ拘束される。
第77条(最高裁判所の規則制定権) 最高裁判所は、訴訟に関する手続、弁護士、裁判所の内部規律及び司法事務処理に関する事項について、規則を定める権限を有する。
  1. 検察官は、最高裁判所の定める規則に従はなければならない。
  2. 最高裁判所は、下級裁判所に関する規則を定める権限を、下級裁判所に委任することができる。
最高裁判所は、裁判に関する手続、弁護士、裁判所の内部規律及び司法事務処理に関する事項について、規則を定める権限を有する。
  1. 検察官、弁護士その他の裁判に関わる者は、最高裁判所の定める規則に従わなければならない。
  2. 最高裁判所は、下級裁判所に関する規則を定める権限を、下級裁判所に委任することができる。
第78条(裁判官の身分保障) 裁判官は、裁判により、心身の故障のために職務を執ることができないと決定された場合を除いては、公の弾劾によらなければ罷免されない。裁判官の懲戒処分は、行政機関がこれを行ふことはできない。 裁判官は、次条第三項に規定する場合及び心身の故障のために職務を執ることができないと裁判により決定された場合を除いては、公の弾劾によらなければ罷免されない。行政機関は、裁判官の懲戒処分を行うことができない。
第79条(最高裁判所の裁判官) 最高裁判所は、その長たる裁判官及び法律の定める員数のその他の裁判官でこれを構成し、その長たる裁判官以外の裁判官は、内閣でこれを任命する。
  1. 最高裁判所の裁判官の任命は、その任命後初めて行はれる衆議院議員総選挙の際国民の審査に付し、その後十年を経過した後初めて行はれる衆議院議員総選挙の際更に審査に付し、その後も同様とする。
  2. 前項の場合において、投票者の多数が裁判官の罷免を可とするときは、その裁判官は、罷免される。
  3. 審査に関する事項は、法律でこれを定める。
  4. 最高裁判所の裁判官は、法律の定める年齢に達した時に退官する。
  5. 最高裁判所の裁判官は、すべて定期に相当額の報酬を受ける。この報酬は、在任中、これを減額することができない。
最高裁判所は、その長たる裁判官及び法律の定める員数のその他の裁判官で構成し、最高裁判所の長たる裁判官以外の裁判官は、内閣が任命する。
  1. 最高裁判所の裁判官は、その任命後、法律の定めるところにより、国民の審査を受けなければならない。
  2. 前項の審査において罷免すべきとされた裁判官は、罷免される。
  3. 最高裁判所の裁判官は、法律の定める年齢に達した時に退官する。
  4. 最高裁判所の裁判官は、すべて定期に相当額の報酬を受ける。この報酬は、在任中、やむを得ない事由により法律をもって行う場合であって、裁判官の職権行使の独立を害するおそれがないときを除き、減額することができない。
第80条(下級裁判所の裁判官) 下級裁判所の裁判官は、最高裁判所の指名した者の名簿によつて、内閣でこれを任命する。その裁判官は、任期を十年とし、再任されることができる。但し、法律の定める年齢に達した時には退官する。
  1. 下級裁判所の裁判官は、すべて定期に相当額の報酬を受ける。この報酬は、在任中、これを減額することができない。
下級裁判所の裁判官は、最高裁判所の指名した者の名簿によって、内閣が任命する。その裁判官は、任期を10年とし、再任されることができる。ただし、法律の定める年齢に達した時には退官する。
  1. 前条第五項の規定は、下級裁判所の裁判官の報酬について準用する。
第81条(法令審査権と最高裁判所) 最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である。
第82条(裁判の公開) 裁判の対審及び判決は、公開法廷でこれを行ふ。
  1. 裁 判所が、裁判官の全員一致で、公の秩序又は善良の風俗を害する虞があると決した場合には、対審は、公開しないでこれを行ふことができる。但し、 政治犯罪、出版に関する犯罪又はこの憲法第3章で保障する国民の権利が問題となつてゐる事件の対審は、常にこれを公開しなければならない。

第7章 財政

  現行憲法 自民党草案
第83条(財政の基本原則) 国の財政を処理する権限は、国会の議決に基いて、これを行使しなければならない。 国の財政を処理する権限は、国会の議決に基づいて行使しなければならない。
  1. 財政の健全性の確保は、常に配慮されなければならない。
第84条(租税法律主義) あらたに租税を課し、又は現行の租税を変更するには、法律又は法律の定める条件によることを必要とする。 租税を新たに課し、又は変更するには、法律の定めるところによることを必要とする。
第85条(国費の支出及び国の債務負担) 国費を支出し、又は国が債務を負担するには、国会の議決に基くことを必要とする。
第86条(予算) 内閣は、毎会計年度の予算を作成し、国会に提出して、その審議を受け議決を経なければならない。 内閣は、毎会計年度の予算案を作成し、国会に提出して、その審議を受け、議決を経なければならない。
  1. 当該会計年度開始前に前項の議決がなかったときは、内閣は、法律の定めるところにより、同項の議決を経るまでの間、必要な支出をすることができる。
  2. 前項の規定による支出については、内閣は、事後に国会の承諾を得なければならない。
第87条(予備費) 予見し難い予算の不足に充てるため、国会の議決に基いて予備費を設け、内閣の責任でこれを支出することができる。
  1. すべて予備費の支出については、内閣は、事後に国会の承諾を得なければならない。
予見し難い予算の不足に充てるため、国会の議決に基づいて予備費を設け、内閣の責任でこれを支出することができる。
  1. すべて予備費の支出については、内閣は、事後に国会の承諾を得なければならない。
第88条(皇室財産及び皇室の費用) すべて皇室財産は、国に属する。すべて皇室の費用は、予算に計上して国会の議決を経なければならない。 すべて皇室財産は、国に属する。すべて皇室の費用は、予算案に計上して国会の議決を経なければならない。
第89条(公の財産の支出及び利用の制限) 公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。 公金その他の公の財産は、第二十条第三項の規定による制限を超えて、宗教的活動を行う組織又は団体の使用、便益若しくは維持のため、支出し、又はその利用に供してはならない。
  1. 公金その他の公の財産は、国若しくは公共団体の監督が及ばない慈善、教育若しくは博愛の事業に対して支出し、又はその利用に供してはならない。
第90条(決算の承認) 国の収入支出の決算は、すべて毎年会計検査院がこれを検査し、内閣は、次の年度に、その検査報告とともに、これを国会に提出しなければならない。
  1. 会計検査院の組織及び権限は、法律でこれを定める。
内閣は、国の収入支出の決算について、すべて毎年会計検査院の検査を受け、法律の定めるところにより、次の年度にその検査報告とともに国会に提出し、その承認を受けなければならない。
  1. 会計検査院の組織及び権限は、法律で定める。
第91条(財政状況の報告) 内閣は、国会及び国民に対し、定期に、少くとも毎年一回、国の財政状況について報告しなければならない。

第8章 地方自治

  現行憲法 自民党草案
第92条(地方自治) 地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める。 国及び地方自治体は、地方自治の本旨に基づき、適切な役割分担を踏まえて、相互に協力しなければならない。
第92条の2(地方自治の本旨)   地方自治は、住民の参画を基本とし、住民に身近な行政を自主的、自立的かつ総合的に実施することを旨として行う。
  1. 住民は、その属する地方自治体の役務の提供をひとしく受ける権利を有し、その負担を公正に分任する義務を負う。
第92条の3(地方自治体の種類等)   地方自治体は、基礎地方自治体及びこれを包括し、補完する広域地方自治体とする。
  1. 地方自治体の組織及び運営に関する基本的事項は、地方自治の本旨に基づいて、法律で定める。
第93条(地方自治体の機関及び直接選挙) 地方公共団体には、法律の定めるところにより、その議事機関として議会を設置する。
  1. 地方公共団体の長、その議会の議員及び法律の定めるその他の吏員は、その地方公共団体の住民が、直接これを選挙する。
地方自治体には、法律の定めるところにより、条例その他重要事項を議決する機関として、議会を設置する。
  1. 地方自治体の長、議会の議員及び法律の定めるその他の公務員は、当該地方自治体の住民が、直接選挙する。
第94条(地方自治体の権能) 地方公共団体は、その財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する権能を有し、法律の範囲内で条例を制定することができる。 地方自治体は、その事務を処理する権能を有し、法律の範囲内で条例を制定することができる。
第94条の2(地方自治体の財務及び国の財政措置)   地方自治体の経費は、その分担する役割及び責任に応じ、条例の定めるところにより課する地方税のほか、当該地方自治体が自主的に使途を定めることができる財産をもってその財源に充てることを基本とする。
  1. 国は、地方自治の本旨及び前項の趣旨に基づき、地方自治体の行うべき役務の提供が確保されるよう、法律の定めるところにより、必要な財政上の措置を講ずる。
  2. 第八十三条第二項の規定は、地方自治について準用する。
第95条(地方自治体の財務及び国の財政措置) 一の地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、これを制定することができない。 削除

第9章 改正

  現行憲法 自民党草案
第96条 この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。
  1. 憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、国民の名で、この憲法と一体を成すものとして、直ちにこれを公布する。
この憲法の改正は、衆議院又は参議院の議員の発議に基づき、各議院の総議員の過半数の賛成で国会が議決し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票において、その過半数の賛成を必要とする。
  1. 憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、国民の名で、この憲法と一体であるものとして、直ちに憲法改正を公布する。

第10章 最高法規

  現行憲法 自民党草案
第97条(基本的人権の意義) この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。
第98条(憲法の最高法規性等) この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。
  1. 日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。
第99条(憲法尊重擁護義務) 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。

第11章 補則

  現行憲法 自民党草案
第100条 この憲法は、公布の日から起算して六箇月を経過した日から、これを施行する。
  1. この憲法を施行するために必要な法律の制定、参議院議員の選挙及び国会召集の手続並びにこの憲法を施行するために必要な準備手続は、前項の期日よりも前に、これを行ふことができる。
 
第101条 この憲法施行の際、参議院がまだ成立してゐないときは、その成立するまでの間、衆議院は、国会としての権限を行ふ。  
第102条 この憲法による第一期の参議院議員のうち、その半数の者の任期は、これを三年とする。その議員は、法律の定めるところにより、これを定める。  
第103条 こ の憲法施行の際現に在職する国務大臣、衆議院議員及び裁判官並びにその他の公務員で、その地位に相応する地位がこの憲法で認められてゐる者は、法律で特 別の定をした場合を除いては、この憲法施行のため、当然にはその地位を失ふことはない。但し、この憲法によつて、後任者が選挙又は任命されたときは、当然 その地位を失ふ。

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