入院になってから六日目
腎瘻を付けて尿が出てくるようになって四日目
この日は朝からお婿さんのこ〇ちゃんも来てくれた。
息子はこ〇ちゃんの顔を見るなり感謝の気持ちでいっぱいになった様で
また泣く...泣く。
こ〇ちゃん~お酒を飲みながらいつも仕事の話をしてくれて
お父さんは嬉しそうだったよ。ありがとう。
そして...妹が幸せなのはこ〇ちゃんのお陰です。
ぼくは頼りにならないのでこれからよろしくお願いします。
この時の息子はすべての事が涙に繋がっていた。
私も....パパさん~こ〇ちゃんが来てくれたよ。
自慢のお婿さんだもんね。良かったね。
こ〇ちゃんもうつむいて涙していた様だった。
娘に後で聞くとこ〇ちゃんの涙は見た事がなかったから驚いたと言っていた。
それを聞いて....あぁ....家族になっているんだなぁ~と嬉しくもあった。
何かあったらいつでも飛んで行くよと言ってくれていた兄。
千葉の兄からも行きたいとラインが....でも遠いから今はいいよ。と伝える。
この日は兄夫婦と弟も来てくれた。
姪たちからも私たちの体の事を心配をしてくれて栄養ドリンクや義姉からは
甘いもの~弟からは珍しい沖縄のフルーツや葡萄の差し入れもあった。
みんなが心配してくれているので心強くて心強くて本当に嬉しかった。
私たち三人だけだったらこの状況をどうやって乗り越えただろうか.....
こ〇ちゃんも帰り、兄夫婦や弟たちが来る前の事。
相変わらず点滴が切れると息苦しくなっていて辛い状況だった。
そんな時....娘は看護師...先生に相談をしてくれた。
もっと父親に合う点滴があるはずだから。
自分が診て来た患者さんは点滴を変えて楽になったと。
そして....相談した結果...点滴を変えてもらえることになった。
今までより少し強めになるから寝ちゃうかもしれないからね。
今だね。みんなでパパさんにお別れを言えるのは。
数値から見ても...もうすぐ近くまで迫っていたのは分かっていた。
三人がじいちゃんパパさんの枕元で今までのお礼を言った。
お父さんのお陰で僕たちは幸せに暮らせたよ。なんでも教えてくれてありがとう。
娘は....お父さん! 今までありがとう。
私は....パパさんのお陰で一度も困ったことはなかったよ。なんでも買ってくれたね。
最後の買い物は車だったね。形見になるなんて思ってもいなかったけどそうなっちゃったね。
いつも優しくしてくれて褒めてくれてありがとう。だから幸せだったよ。
こんな言葉をたくさん言う事が出来た。
それを聞いていたじいちゃんパパさん。
閉じでいた目を開けて娘の顔、私の顔、息子の顔を
ひとりひとりゆっくりと見てにっこり微笑んだ。
もう...言葉を発する力も気力もない筈なのに...びっくりした。
わぁ....笑ってくれたの。
みんな泣きながら....パパさんありがとう。ありがとう。
じいちゃんんパパさんとのお別れの儀式みたいなものだった。
テレビのドラマの中でも観た事がない感動的なシーンだったなっと
今でも思っている。
そんな貴重な時間が出来た事も奇跡の様なもの。
お別れの時は....なかなか思ったようには...改めてこんな風には行かない筈だから。
点滴が変わってから随分呼吸も楽になって来て
ゆっくり寝る事も出来る様になった。
パパさん...苦しくって寝られなかったもんね。良かった。良かった。
ま〇ちゃん先生に相談してくれてありがとう。
母とお兄ちゃんは泣くことだけで全然気が利か無いからね。
ま〇ちゃんはしっかりしていて助かったよ。
入院してから毎日母上様の施設に電話をして様子を聞いていた。
まだ.....頑張っていますよ。
それでも意識は...はっきりはしていなという事だった。
母上様.....もう少し頑張ってね。今一緒に逝ってしまうと本当に困っちゃうからね。
お願いねっと.....祈るしかなかった。
きらら、ショコラ、プリンは元気ですよ。
相変わらずいたずらちゃんです。