日本は先進国で「経済的に苦しい」とは言っても実際はすごく豊か。
住む家に困る事もなければ、明日食べる食料も豊富にある。
着る物だってタンスやクローゼットにたくさんある。
そんな豊かな日本人さえも
アメリカに不法滞在・不法就労してまで生活費を稼いでいる人がいる。
そういう人達の滞在理由は「明日の生活費を稼ぐ事」ではなく
ただ単に「日本は息苦しいから」とか「英語を話せるようになりたいから」などの
いわゆるサバイバルに関係した理由ではない。
日本が息苦しくたって全然生きていけるし
英語だって自分の努力次第で話せるようになる。
インターン先で働き出して今日で3日目。
保護者向けのアンケートで目に付いたものがあった。
「悪い事だってわかっているんだけどごめんなさい。
私達が生きぬく術はこれしかないの。」
担当クラスにいるDちゃんのお母さんが書いたもの。
話を聞くとDちゃんには両親と2人の兄弟がいて
狭いアパートに一家五人で暮らしている。
第一言語はスペイン語で第二言語が英語。
ここまで来れば大体察しがつくと思うけど
Dちゃん一家は不法入国して不法滞在、そして不法就労しているのです。
正確に言うとDちゃんとその兄弟はアメリカで産まれているから
アメリカ国籍を持っていて合法的に滞在しているのだけれども
お父さんとお母さんは子供が産まれる前に
メキシコから正規ルートを通じずに越境しています。
なので両親にはアメリカに滞在、就労する合法的な資格がないのです。
「子供が米国民なんだから滞在資格貰えるんじゃないの?」と思うかもしれませんが
子供が21歳に達するまで、両親のグリーンカードなどを取得することは出来ません。
この一家(当時はお父さんとお母さんのみ)は
メキシコでの生活がとても苦しかったようです。
明日が見えないような生活だったのでしょう。
そしてアメリカに渡り何年も経った今でもものすごく低い収入で生活しています。
インターンシップ先を初めとして
Food Stamp(貧しい人に食料を買うためのお金をくれる機関)や
寄付で成り立っているNGOのような機関にお世話になって生活しています。
1ヶ月の給料がどのくらいかはわかりませんが
おそらく家賃と光熱費を払うのでいっぱいいっぱいでしょう。
同じ不法滞在でも日本人の場合とDちゃん一家のような場合とでは事情が違ってくる。
えいやは不法な事が好きではない。
周りにも日本人とかで不法滞在、不法就労している人を知っている。
通報はしないけれどもいい気持ちはしない。
そういう人達はとっとと帰るべきだと思う。
でもDちゃんの家族のようなケースはまた違う。
もし万が一移民局に見つかって強制送還されるような事があったら
気持ち的にはDちゃん一家の弁護にまわりたいくらい。
日本などの豊かな国の出身者は不法な事に対して気持ち的に軽い気がする。
明日の食料や住居に対して真剣ではないから。
でもDちゃん一家のようなケースは本国に帰っても明日が見えないわけで
アメリカは本国よりはマシかもしれないけど
それでもこのように苦しい生活をしているわけで...
だから「Dちゃん一家のような人達は仕方ないかな」と
許容できる部分がえいやの中にある。
言ってる事がすごく矛盾してるのはわかる。
「豊かな国の人の不法滞在は許しませんが、貧しい国の人は滞在してOKですよ」
って言ってるようなもんだもん。
政治的にえいやの意見を見たら
「貧困層の不法入国を黙認したらこの国は破滅する」とか
「国民の税金が非国民に流れていって不公平、けしからん」
って事になるのもわかってるんだけど
えいやは気持ち的に彼らを強制的に排除する事は出来ないな。
アメリカは移民の国という歴史がある以上、様々な背景を持つ人がいて
貧困を解決する事がとても難しいと思う。
えいやはそのへんの政治とか経済には詳しくないけれども
移民(不法入国、グリーンカード抽選による正規入国ともに)を
受け入れるのを止めない限り、問題は深刻化するか停滞して向上はしないと思う。
ちなみにアメリカではそろそろTax Return(確定申告)の季節です。
「私(国民)は一生懸命働いても税金は1セントも返ってこないのに、
彼らのように働かないで生活保護を受けているような人達(非国民)が
Tax Returnでたくさんのお金を政府からもらえるなんて不公平だわ。」
うん、えいやもそう思うよ、N。
でもアメリカ政府が移民を受け入れる以上仕方ないよね。
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