小沢氏が石原氏攻撃 中国と戦争するのか(日刊スポーツ)
日本未来の党の小沢一郎氏(70)が10日、衆院選公示後初めて東京都内で遊説を行った。小沢氏は都内7選挙区を精力的に巡回。JR十条駅前では、日本維新の会の石原慎太郎代表(80)を批判した。小沢氏は、核武装を主張する石原氏に対して「石原なにがしは、戦前の政治に戻そうとしている。中国と戦争するんですか」とけん制。維新が、自民党との連携をもくろんでいることについても「こんな筋道の通らない話はない」と怒りをあらわにした。
投開票まで1週間を切った後半戦。ついに“選挙の小沢”が本格始動した。公示日の今月4日、政治の師である故田中角栄元首相にならった「川上戦術」で、愛媛県久万高原町から遊説をスタートさせた小沢氏が、都内で第一声を上げた。
午後1時過ぎ、JR十条駅前に立った小沢氏は、犬猿の仲で知られる石原氏を痛烈に批判した。日本の発言力を国際的に高める手段として核武装の必要性を説く同氏に対し、「石原なにがしは、戦前の政治に戻そうとしている。中国と戦争するんですか。これは深刻な問題で危機的状況だ」と、聴衆に訴えた。
石原氏は公示日、未来の党に合流した小沢氏に対して「滋賀県知事(嘉田由紀子代表)は美人だけど隣にぬえ(妖怪)がいる」と攻撃していたが、今度は小沢氏が反撃。石原氏への異例の個人攻撃を展開した格好となった。
共同通信や一般紙各紙の世論調査で「自民圧勝」の選挙情勢が伝えられている中で、維新が自民党との連携も視野に入れていることについてもけん制した。小沢氏は、表情をこわばらせながら「民主、自民の政治を変えるために立ち上がった維新が、自民と連携するなんてどういうことだ。こんな筋の通らない話はない。数だけ集まって勝手なことをやる政治になる」と危機感を募らせた。
同日夕、東京メトロ豊洲駅前で街頭演説に立った小沢氏は、みかん箱の上で、決別した民主党政権も批判した。2030年代までに原発稼働ゼロを公約に掲げている同党に「全くの意味不明。稼働ゼロを訴えていて青森県大間(町)原発の建設を許可しているんですから」とまくし立てた。
最後、小沢氏はこう締めくくった。「私はパフォーマンスは下手ですが、真面目に愚直に国民の命を守るために努力を続けたい」。自称「一兵卒」として臨む選挙戦。この日から立て続けに首都圏の激戦区でマイクを握る。剛腕小沢がラストスパートを意識して動き始めた。 (2012/12/11)