
彼女は幕張の海に沈む夕陽と幕張の夜景が大好きだった。彼女の遺言に従って、お骨をご家族の想い出が深かった南国の島と幕張の海に散骨した。仲間と一緒に船を借り、燃えるような夕日を見ながら。船頭さんにできるだけ幕張に船を寄せてもらった。マリーンスタジアムの後ろにはすばらしい幕張の夜景が広がっていた。
乗船した仲間の誰一人、海から自分達が住んでいる街を見たことはなかった。こんなに近くに海がありながら、日常、海を意識したことがあるだろうか。海を感じながら生活し海辺に心を遊ばせる日々を送ることができたら、どれほど心が豊かになるだろうかと思った。彼女が私達に海を感じさせてくれるための贈り物だと思っている。いつも心の中にそのことがありながら、5年の歳月が流れてしまった。
撮影 : 山根治仁(ギャラリーKIKI)
乗船した仲間の誰一人、海から自分達が住んでいる街を見たことはなかった。こんなに近くに海がありながら、日常、海を意識したことがあるだろうか。海を感じながら生活し海辺に心を遊ばせる日々を送ることができたら、どれほど心が豊かになるだろうかと思った。彼女が私達に海を感じさせてくれるための贈り物だと思っている。いつも心の中にそのことがありながら、5年の歳月が流れてしまった。
撮影 : 山根治仁(ギャラリーKIKI)